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MAX4用シャロースプール [リール]

ベイトリールをチューニングするとなると日本のアングラーは大概、ミドル~ハイエンドモデルをベースにすることが多い。良いものをとことん良くしたい、という傾向が強いと言えます。だから日本では廉価版のリール用パーツというのは発売されない。そもそもの需要というものがあまりないからかもしれません。

ですが中国製のパーツメーカーがやたらと生産しているのがアブのマックスシリーズ用のシャロースプール。要は廉価版のリール用パーツということです。マックスシリーズ用のシャロースプールは複数のメーカーから発売されていて種類も多い。価格も高くて3000円代といったところ。パーツも比例して安い価格設定です。日本以外ではこうした需要も多いということなのでしょう。

アブのベイトリールはスウェーデン(クラシック)、韓国(レボ)、中国(マックス)の原産国に分かれています。中国のパーツメーカー的には中国製のマックスシリーズ用のパーツというのは開発しやすいのかもしれません。

そして今年マックスシリーズが4世代目にモデルチェンジをしました。私はまだ実機を見たことがないのですが、3代目と比較してスプール径が小口径化(32mm)されているため3代目用のスプールは装着できないはずです。当然、4代目マックス用のシャロースプールも早々に発売されるだろうと思っていたところ、やはり発売になったようです。

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軽いものを投げるのならばマックスシリーズよりもレボシリーズの方が優位なのは設計上の違いからも明らかです。スプールのシャフトが短い方が余計な抵抗がなく、スプールがよく回る(但し、スプールに強い負荷が掛かる釣りではスプールシャフトが長い方が撓みを生じにくいというメリットがあります)。

ただ、ロングシャフト構造と言えどもシャロースプールに換装すると回転レスポンスが上がるので(機種にもよりますが)ノーマルスプールのレボよりも軽いものが投げやすくなるケースもあります。3代目マックスにシャロースプールを組み込んだ人の話によれば、4g程度のリグは問題なく扱えるレベルに仕上がっているのだそう。

某通販大手でブラックマックス4(MAX X)の価格が¥8,525でした(思ったよりは高いかな)。AMOのシャロースプールは¥3,918(2021.5.29時点)でしたので¥12,443が仕上がり価格ということになります。

極端に軽いものを使うということでなければ補欠のリールとしては十分なレベルでしょう。人によっては予算内で複数台を準備できた方がメリットが大きい場合もあります。ただ、MAXシリーズはフレームもグラファイト製なので、剛性がうんたらかんたら~という人は素直にレボシリーズが良いでしょう。

廉価版のリールの性能を上げるための専用パーツというのは日本のパーツメーカーにはない発想ですけれど、個人的には嫌いじゃないです。ノーマルとの性能差が大きく現れるのでそうした意味でも非常に面白い存在です。

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個性的?モラム用スタードラグホイール [リール]

今では現役から退かせている私のモラム。正確にはモラムSX3601IVCB。最近ではアンバサダー2500C/1500C人気につられてモラムの中古相場も上がっているらしいのですが、それは1600番台の話で3600番台は不人気のようです。

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自分は当時ファットイカのノーシンカーやらテキサスリグでの使用を考えて3600番を選びました。その違いはスプール幅の広さです。3600番の方がスプール幅が広いのでサミングなどしやすいのですが、やはり日本人は小型リールを好む傾向が強いですね。

現在ではモラムシリーズは絶版。ましてやモラムSXシリーズとなると生産中止となってからかなり年数が経つモデルです。

にもかかわらず何故か今頃モラム用のオプションパーツを開発して新発売してくるのが中国メーカーのAMO。中国メーカーというとパクリのイメージが強いのですが、ここのメーカーは他にはないものを出してきたりもします。

どういうわけだかAMOはモラム用のパーツをやたらとラインナップしていて、シャロースプールだけでなくクラッチ、マグネットブレーキダイヤル、メカニカルブレーキノブまで発売しています。そしてとうとう今度はこんなものを発売してきました。何だと思いますコレ?

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何とモラム用のスタードラグホイールなのだそうな。

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使い勝手いいのかな~?コレ。使い勝手悪そうな気がするけどな~(笑)。

でも、オリジナリティはある。その点は評価できる。ちなみに価格は送料込で¥3,381とのこと(変動します)。

どうして今わざわざモラム用のパーツを新発売しているのでしょうね?現行のリールではないんですよ?でももし中古市場でモラムが高騰していることを敏感に察知して、あえて新規に市場投入してきたというのであればなかなか侮れないのかもしれません。

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アンバサダー 丸マックス [リール]

自分のリール遍歴の中で欠かせなかったリールがアブの丸マックスシリーズです。丸マックスとは一体何ぞや?!

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(※20数年前の写真です)

アブのマックスシリーズというとロープロフィール型であるとか廉価版のシリーズだとか色々あるのですが、自分が個人的に「丸マックス」と呼んでいるのは小型ラウンド型のシリーズです。アブは色々なモデルに同じ名前を使い回しするので、製品名だけだと間違えるんですよね・・・

元々は1992年のオリムピックのカタログに掲載されたプロマックスシリーズに端を発し、以後はシリーズ展開されていったもの。モラムの前身ともいえるシリーズです。

【ブラックマックス1600C】
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プロマックスの廉価版として1994年に発売されたリール。1ローラー/2ボールベアリング仕様。ただ、キャスタビリティは上位機種と遜色ありませんでした。
ゴムのハンドルノブが直付されていて、回転が悪いからとオイルを射したらオイルを吸ってノブが膨らみ、余計に回転が悪くなったという(笑)。
ちなみに翌年にはBMシリーズにモデルチェンジしてしまったので、1年しか販売されなかったというある意味レアなモデル。

【SM3600C】
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自分はこのリールを2台持っていました。プロマックスの後継として1995年に出てきたシリーズで、このシリーズのハイエンドモデルです。1ローラー/5ボールベアリング仕様。当時は重いとは思いませんでしたが、270gありました。

【S3600C】
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ブラックマックス、BMの後継として1996年に発売された廉価版のリール。中身はブラックマックスなのですが、外観がシルバーで上級機種と変わらなくなったもの。ですがキャスタビリティは上位機種と変わりませんので使いやすいリールでした。

丸マックスシリーズは、アブで初めてインスタントアンチリバースを採用したモデルです。自分もライトシリーズからの買い替えでしたが、インスタントアンチリバースを一度使ってしまうともう元には戻れなくなってしまいました。結果として丸マックスで揃えることに。

丸マックスは基本的に2点式の遠心ブレーキです。ところがこれをデフォルトで使用すると飛距離が伸びない。ブレーキが強過ぎました。そこで自分はブレーキブロックを1つに減らして使っていたのですが、これがもう最高。ディプシードゥが無抵抗で遠くまで飛んでいくのは快感以外の何物でもなかったです。
但しそれは無風もしくは追い風の時の話。向かい風ではバックラッシュしまくりで、極めて扱いにくいリールになってしまうという諸刃の剣なのでした。

数年間に渡って丸マックスシリーズを愛用していた自分でしたが、その後はモラムシリーズにスイッチすることになりました。それは何故かというと、丸マックスシリーズにはレフトハンドルのラインナップがなかったからです。自分も撃ち物にはレフトハンドルを使いたいと思い始めていた頃でもあり、どうしても右ハンドルだけではタックルが組めなくなっていました。

しかし、モラムシリーズは軽量化のためにジュラルミンギアを搭載していました。ですので巻き心地に関しては真鍮ギアの丸マックスの方が遥かに良かったです。

1500C、2500Cといった小型のクラシックアンバサダーの高騰に影響されて現在はモラムシリーズの価格もだいぶ上がってきました。その一方で人気がなく、中古市場での価格も安い丸マックスシリーズは狙い目です。但し、ベイトフィネスは厳しいです。

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日本で買えるチャンバサダー [リール]

チャンバサダー自分も持ってます!という人がチラホラいるようです。皆さん中国から購入したのですか?と聞いたらそうではないと。え?チャンバサダーって日本でも販売されていたのですか?でも自分の持っているリールとはちょっと違うようで・・・

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これはPro TrustさんのキャッチアッププラスCA25というリールだそうです。うむ、これは・・・明言は出来ませんけど(笑)。カラーはブラックのみですがスプールもブラックなので格好いいですね。ですがこのリールはだいぶ以前に販売されていたもののようで、現在ではPro Trustさんのラインナップには無いようです。

惜しい、小型の丸型ベイトリールが枯渇している今だったら猛烈に売れたかもしれないのに!

その他、ペン型ロッドとセットになっていたりだとか、Amazonで販売されているなんていう話もチラホラ。販売価格を見てちょっと引きましたが(汗)。

そしてアンバサダー2500Cと同サイズのCL30。これも同じようなものを持っているという人が居ました。

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これまたPro Trustさんのライドシップという船釣り用のリールだそうです。ちなみに現行品。カラーはシルバーとレッド。レッドはスプールもレッドで雰囲気も良し!

でもコレ、ハンドルもシングルカウンターハンドルになっているし、サイドプレートのデザインもCL30とは違いますね。CL30に付いているクリッカーボタンも省かれています。まぁ、ドコドコのメーカーの製品はアソコでOEM生産されている、なんていう話は業界的にタブーですから、ここではライドシップもCL30と同じく面白い小型丸型ベイトリール、ということにしておきましょう。

ちなみにウチの近所のキャスティングさんに実機が置いてありました。価格も3,000円代後半でしたから、中国からCL30を直接購入するのとさほど変わらない良心価格。ルアーに使うのであればハンドルは変えなくてはいけないですが、デザイン的にはCL30よりもこちらの方がいいと思いますので、ライドシップをベースにしてルアー用にチューニングを施すのも面白いかと思います。

自分は何も知らず中国から直接取り寄せてしまいましたが、中国業者相手にクレジットカード決済での不安があったり、或いは1ヶ月も待てないという人もいるでしょう。そんな方は日本に出回っている「チャンバサダー」を探してみてはいかが?

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チャンバサダーCL25・3 [リール]

時間を見付けてはチャンバサダーをいじくり倒しております(笑)。CL25とCL30を入手したわけですが、自分はついつい小さいサイズのCL25に手が伸びてしまう。ルアー用としては明らかに実釣向きではないのですけど、なぜかこの小ささに惹かれてしまう

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グリップ部の小さいB-AREA FUNとのマッチングもいい感じ。魚が掛かったらヒーヒー言いながらのファイトになりそうです。

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このリールのギア比は3.8:1。28mm径スプールでこのギア比ですから巻取りは相当に遅いです。それを含めて遊べる人向きです。中を開けてみるとメインギア小さっ!5円玉とあまり変わらないサイズです。でも¥1,500のリールにしてはちゃんとしたブラスギアが入っています。巻き心地も特に悪くはありません。むしろジュラルミンギアのコリコリした巻き心地よりよっぽどいいかも。

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ハンドルノブはラバー製。ノブ軸にベアリングが入っていませんがつまみやすいノブです。自分はハンドルノブには回転性能を求めていないのでこれはこのまま使う予定。

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元々このリールは1ボールベアリングです。左サイドプレートのスプール軸受けの部分がベアリングになっています。このベアリングはミネベアのL630ZZに入れ替えました。
また、3mm厚のネオジム磁石を3個入れてマグネットブレーキ仕様にしてみました。必要ならばさらにネオジム磁石を増設する予定。

自分としてはこのリールをブッ飛び仕様に仕立て上げてやろうと考えていました。ですが意外にそれが難しいことがわかってきました。通常、ルアー用のリールであれば右側のスプール軸受け部もベアリングないしブッシュがあるものですが、このリールはピニオンギヤがブッシュの代わりになっている。右側にベアリングを組み込む余地(スペース)がない。せめてスプール軸の左右をベアリングで保持させて2ボールベアリング仕様にしたいと考えているので、その方法を模索しているところです。

また、スプール自体はサイズの割にズッシリ重い。可能であればシャロースプールに換装したいところですが、そもそも適合するものがなさそうなのでこれもまだ保留状態。ですので現時点ではスプール回転も鈍いままとなっています。

でもこうしていじくり回しているうちにリールへの愛着が増してきました。近いうちに管理釣り場で実釣したいと思っているのですが楽しみで仕方がないです。

¥1,500のリール、実に楽しいオモチャです。

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チャンバサダーCL30 [リール]

アンバサダー1500C/2500Cの価格が高騰している昨今、お手軽に小型ラウンドベイトリールで遊ぶことを目的として個人的に楽しんでいる「チャンバサダー」企画。

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本日私の元に、新たなチャンバサダー2台が着弾。今度のチャンバサダーはCL30。

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開封した瞬間、アレ?デカくない?と感じましたが気のせいでした。今までスモールサイズのCL25ばかりいじっていたため、やたらとCL30が大きく思えてしまったのでした。

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実際、CL30をアンバサダー2500Cと比較してみるとほぼ同じサイズ感でした。ですので、実釣での使い勝手を求めるのであればCL25よりもCL30の方をお勧めします。ギア比も5.0:1なので現代のハイスピードギアには及ばないものの、まぁ使えるレベルと言えます。

残念なのはデザイン。CL25はメカニカルブレーキが左側のサイドプレートにあるクラシカルスタイルですが、現在市場に残っているCL30はメカニカルブレーキがハンドル側にあります。アブで言うところのパーミングカップモデルということになります。

実はCL30のクラシカルデザインのリールも存在はしていたようです。そちらはCL30Aという正式名称でした。ですが現在は中国の市場にも全く残っていないようで、残っている個体は全てパーミングカップモデルのCL30ばかりのようです。とはいえこれもだいぶ品薄になってきています。

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ルアーでは使いませんがクリック機構付き。パーミングカップ中央部分がホログラム+エポキシのシール。全体的には綺麗なリールなのにこの部分のセンスは勿体ない。

今回、レッドとブルーの2色を購入しましたがこのリールは価格の割にアルマイトの発色がとても綺麗なのです。当初は自分でパステルカラーに塗装してみようかとも思ったのですが、この綺麗な発色を見て止めました。価格に見合わぬ仕上がりです。アルマイト処理のリールは紫外線で発色が薄れるものもありますが(日本製)、もしこのままの発色を保ってくれたら大したものです。

さて、届いたその日のうちに分解されるリール達(笑)。

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おーい!CL30にも遠心ブレーキがないぞ!!でもメーカーサイトにはちゃんと書いてあるんです。Dual Centrifugal and Mechanical Brake System って。ちなみにCL25もブレーキレス仕様だったのですが、CL25は厳密にはアイスフィッシング用のリールなのだそうです。基本的にはキャスティングで使うことは想定されていない。だったらまぁ、ブレーキレス仕様でも仕方ないか(メーカーサイトにはDual Centrifugal~って書いてありますけど)と思ったのですが、まさかベイトキャスティングリールに分類されているCL30までブレーキレス仕様だとは思いませんでした。

おい、Ming Yang社!不当表示だぞ!!まぁ、安いリールなので別にいいけど。そうそう、CL30は¥3,500ほどでした。

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ベアリングはアンチリバースのローラーベアリング以外に左右のスプールシャフトを支持するベアリングが2箇所です。2つのベアリングは同寸ではなく、パーミングカップ側のベアリングの方が厚みがありました。このベアリングはレベルワインドの駆動ギアを外さないと取り出すことが出来ません。

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ハンドル側のギアボックス内はこんな感じです。いや~シンプル。ギアの歯面にグリスが乗っている印象がしなかったのでスミスリールグリスを塗布してあげたら一気に巻き上げが軽く滑らかになりました。新品と使い古しを比較するのはナンセンスですが、自分の2500Cよりも巻き心地が良くなってしまった(汗)。

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ハンドル軸のローラーベアリングはスコーンと抜けました。ベイトリールの多くは固定されているケースが多いのでちょっと意外でした。

CL25と異なり、CL30はクラッチを切った際にもレベルワインダーが連動するタイプでした。その関係かと思いますが、スプールを指で弾いてみた限りでは1ベアリングのCL25の方がよく回る印象です。なお、CL25はメカニカルブレーキを緩めるとスプールとフレームの間に隙間が出来てラインを挟み込むレベルですが、CL30を目視した感じではラインが挟まれてしまうほどの隙間はなさそうです。

ハンドル側は3箇所の化粧ビスで止めてあるのでスプールを外す程度の簡易な分解は簡単に出来ます。CL25も同じようにしてくれていたら良かったのに。

スタードラグの調整幅はまずまずです。CL25はスカスカでしたがCL30はゆっくりと締め込んでいく印象です。ただ、メカニカルブレーキはやっぱり調整幅が狭く、微調整はほぼ無理と感じます。

さて、CL25もそうなのですがこのリールをどうやっていじってやろうかとあれこれ画策しているところです。ブレーキも何とかしないといけませんね。

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フリッピング機構の生き残り [リール]

アブが初めてマグネットブレーキを搭載したリール「ウルトラマグ」シリーズを発売した時は衝撃でした。あのアブが非円形のリールを、そしてあのアブが電磁誘導ブレーキを、という面で多くのアングラーが衝撃を受けたはずです。ですがこのリールはそれだけではなく、「フローティングレベルワインド」「ウルトラキャストデザイン(シャフトレススプール)」「フリッピング機構」というそれぞれ斬新な機能を備えていたものだったのです。

そしてこのウルトラマグシリーズの中での一番人気は「ウルトラマグフリッピング」でした。フリッピング機構を備えていたモデルです。

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フリッピングスイッチをONにすると、クラッチを完全に切ることが出来ません。押している間だけスプールがフリーになる。離せばその瞬間にロック出来る。フリッピング時に必要な分のラインを引き出すのに便利であった他、フォーリング中のバイトにも即アワセで対応できるというわけです。

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以後、ウルトラマグXLフリッピング、ウルトラマグXLTフリッピング、1021FL、821FL、521FL、4600FL、ライトフリッピングとフリッピング機構が付いた機種は継承されていき、そのいずれもその時代の一番人気を誇っていました。バス用のリールはフリッピング機構が付いているものが選ばれていた時代があったのです。

私自身は印旛沼や牛久沼で育ちましたので、フリッピングロッドも高頻度で使っていましたし、それに組み合わせるリールはやはりXLTフリッピングでした。

しかし自分はやがてフリッピングスイッチが邪魔に思えてきました。ピッチングを併用していく場合においてはむしろフリッピングスイッチをONにしてしまうことで扱いにくさを感じてしまっていたからです。ピッチングに切り替える際にはスイッチをいちいちOFFにしないといけない、釣りのリズムが狂ってしまう。

結果的に、今現在はフリッピングスイッチの付いたリールは手元には残っていません。それ以前にバス市場からもフリッピングスイッチの装着されたリールはほぼ消えてしまいました。フリッピング自体があまり出番のないテクニックになってしまったからでもあるでしょう。

でも実はこの機構、シーバスのジギングにはとてもいいのです。フォール中のバイトに即アワセで対応できるからです。また、バス用のリールからフリッピングスイッチは消えてしまったものの、ダイワの船釣り用リールでは棚クラッチという名前でしっかり残っています。落とし込む釣りには具合がいいという事ですね。

そしてすっかり消えたと思われたフリッピング機構付きのバス用ベイトリールですが、何故かアブのシルバーマックスにだけは今でも残っています。7年ほど前、自分が企画したイベントの賞品としてシルバーマックスを2台購入した時に気が付きました。

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そして今年にモデルチェンジした4代目シルバーマックス(MAX STX)においてもフリッピング機構がしっかり残っていました。マックスシリーズの中でフリッピング機構が付いているのはシルバーマックスのみで、プロマックス(MAX PRO)、ブラックマックス(MAX X)には付いていません。
マックスシリーズはただ単にベアリング数と色の違いでグレード分けされているだけだと思っている人も多いのですが、実はそういうわけでもないのです。

MAXシリーズは廉価版モデルということもあって価格ばかりが目に付きがちですが、現行機種で唯一のフリッピング機構を有するという点においてシルバーマックス(MAX STX)はもっと評価されてもいいかもしれません。ただ、ギア比はもっと上げて欲しかったかな(6.4:1)。

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アンバサダー100year Anniversary [リール]

スミスは50周年を迎えましたがアブは100周年だそうで、こちらも限定モデルのリールが発売となっていました。アンバサダー100year Anniversaryというモデルだそうです。

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6500CSに化粧を施したという感じかな?正直あまり日本人の好みではない気が(苦笑)。ですが、さほど高い価格というわけではないので($249.95)記念に一台買っておくか?という人もいるかもしれませんね。これが4000番だったら1台あってもいいかな?と思いますが、私の場合ですと6000番というのはまず使わないので購入には至らないのです。

グローバルモデルにおいてはアンバサダーの6000番台というのはラインナップが非常に多いです。キャットフィッシュ用、ストライパー用、カープ用といった魚種別のスペシャルモデルに関しても6000番ばかり。海外では需要が非常に高いサイズのようです。しかし日本で6000番を使う人ってライギョ釣りの人位です。だから6000番台のスペシャルモデルが出ても、日本ではあまり惹かれる人はいないんじゃないかと思います。

なお、アンバサダー100year Anniversaryはグローバルモデル。一方、日本向けに販売される100周年記念リールは4500CDL、4501CDL、5500CDL、5501CDL、6500CDL、6501CDLなのだそうで、断然こちらの方がそそられます。価格が価格なので買えませんけど。

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スーパーストライクリール50thアニバーサリー521 [リール]

私が個人的なお遊びで手掛けている"チャンバサダー"も一部で話題になっているようですが、今回はもっとマトモなベイトリールを紹介します。

今年はスミスが50周年を迎えたということで幾つかの記念アイテムが発売となります。

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その中の1つが丸型のベイトリール『スーパーストライクリール50thアニバーサリー521』となります。

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写真では本体の色が黒に見えてしまうかもしれませんが、現物は濃紺色です。

トップウォーターフリークの方ならきっとどこの工場製のリールかおわかりでしょう。自分、ここの工場で生産したリールが好きではありませんでした。何というか、巻いた際のカシャカシャ感というか、どこか部品が噛み合っていない感じというか。ですので自分は1台も持っていません。

そして先日出来上がってきたばかりのこのリールのサンプルを手にしてハンドルを回してみました。この工場製のリールを手にしたのは久し振りです。すると・・・あれ?!随分と巻き心地が向上しているではありませんか。ギアの歯面がしっかりと噛み合っている感じ。カッチリとしてブレない印象。スプールの回転も良く、かなり品質向上しているように思えました。数年前までの製品と比べて、内部のパーツなどが色々とアップデートされているようです。

とはいえ、この価格設定(¥68,000+税)はなかなか(汗)。当初の企画段階において価格試算を行った際には「限定生産品とはいえ、さすがにこの価格は売れないんじゃないか?」という意見もありました。私も同感でした。ですが、ここのところの丸型リールの相場が高騰している中、この価格帯の製品もバカ売れしているのだそうです。実際、このリールも発売前ではありますが既に生産予定分は完売となっています。

・レフトハンドル仕様
・自重:240g
・ギア比:6.1:1
・最大ドラグ耐力:3kg
・ボールベアリング数:5個(NMB FINE DRIVE BB)
・糸巻量:ナイロン8lb180m、10lb146m、12lb123m
・カラー:リッチブルー×ロイヤルゴールド
・フルタイムシンクロレベルワインド
・低重心設計
・新設計一体成型高精度アイドルギヤ

・標準小売価格:¥68,000+税
・4月発売予定

【販売店の皆様へお詫び】

この記事、あえてメーカーサイトに製品情報が掲載される前に掲載しました。メーカーサイトで公式発表となる前に、どうしてもアナウンスしておかなければならないことがあったからです。個人サイトの方が発信しやすい内容と判断し、こちらを先行させることにしました。

実はこのリール、工場の生産ラインの都合上、生産数が非常に少ないものとなっています。追加生産は出来ないとの事ですので初回生産分で終了です。

スペックや価格といった詳細情報は未だに公にはアナウンスされていないのですが、2021年カタログにおいて50周年記念リールの発売を予告していました。詳細な情報が未確定だったにもかかわらず、それでも構わないという事で注文をいただくケースが少なくありませんでした。

そして現時点において既に販売店からの注文が生産数量を大きく上回っており、今後に注文をいただいても応じることが全く出来ない状況です。既に完売です。そのような状況ゆえ、各営業員も販売店への案内をしておりません。

このブログは販売店関係者の方々も多く見て下さっており製品紹介後に注文をいただけるケースも多いのですが、こちらのリールに関しましては現時点で既に注文を受けられませんことをご了解いただきたく思います。また既にご注文をいただいている販売店様に関しましても注文通りの数量は納品されないことが予想されます(複数台の納品はないと思います)。

誠に申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

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チャンバサダー=Ming Yang CL [リール]

チャンバサダー欲しいんですけど!という方からの問い合わせが私の元に殺到中(汗)。でも自分が販売しているわけではないので念のため。

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私が勝手に「チャンバサダー(チャイニーズ・アンバサダー)」と呼んでいるリールは、正式にはMing Yang(明洋)という中国メーカー製のCLシリーズというリールになります。

**********

最近のバスタックルはロッドやリールも安価なものが増えました。ひと昔前のエントリークラスとは異なり、現代のエントリークラスのタックルはなかなか凄い。全然使えるレベルです。これで十分だと言う人が少なくないのにも納得です。

その一方で出来る限り高性能なものを必要とする人もいるわけですからハイエンドタックルもやはり必要と思います。結局のところ、道具というのは幅広いユーザーニーズに応えるために安いものから高いものまで幅広くあるのが理想的。そしてほとんどの釣りジャンルにおいてそれは実現されていると感じます。

ただ、同じバス釣りのジャンルでもトップウォーターフリークの人達は高い買い物ばかり強いられていると感じています。何より手頃な価格のリールという選択肢がない。別にアブのブラックマックスやシマノのバスワンでトップを楽しんでもいいのでしょうけど、トップの人はやはり丸型のクラシックタイプを選びたいところでしょう。でもこのタイプには手頃な価格の物というのが見当たらない(近々スミスから発売されるリールも驚愕のプライスなのでブーメラン発言なのかもしれませんが、あくまで個人的な意見という事でご理解下さい)。

私自身はトップウォーターフリークではないので自分が使うことを想定したわけではないのですが、もっと手頃に楽しめる安価な丸型リールはないの?ということで色々と模索をしていたわけです。

そこで候補に挙がってきたのが、私自身が「チャンバサダー」と呼んでいるMingYang社のCLというリールだったわけです。他にも丸形のリールは散見されたのですがどれもイマイチ。そんな中でMingYangのCLシリーズは雰囲気も良く、ラインナップも豊富で惹かれるものがありました。そして何より価格がビックリするほど安い。ルアー並の価格です。

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このCLシリーズ、サイズは9サイズもあります。その中でバス釣りに使えそうなモデルはというと、CL30がアンバサダー2500C相当、CL40はアンバサダー5000番相当と考えれば良いかと思います。5000番はアブを買っておくのが間違いありませんが、現行のアブにないサイズ(CL25、CL30)は購入対象としてアリではないかなと思いました。

【CL25】
・自重138g
・ギア比 3.8:1
・糸巻量 3.5号90m
・ベアリング 1+1(ローラーベアリング)
・ブレーキなし(遠心ブレーキの表記がありますがウソです)
・価格:¥1,565~3,002

【CL30】 
・自重220g
・ギア比 5.1:1
・糸巻量 3.5号110m
・ベアリング 2+1(ローラーベアリング)
・ブレーキなし(遠心ブレーキの表記がありますがウソです)
・ラインアラーム付
・¥3,481

【CL40】
・自重290g
・ギア比 5.2:1
・糸巻量 4.5号180m
・ベアリング 2+1(ローラーベアリング)
・ラインアラーム付
・¥2,071~3,086

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カラーはブラック、ゴールド、シルバー、ブルー、レッド。本体の仕上がりは価格に見合わず非常に綺麗。上の写真、とても¥3000のリールには見えないでしょう?

そして左ハンドルもあります。この場合は品番の末尾にLが付きます。CL25L、CL30L といった具合です。

そんなわけでバリエーション自体は非常に豊富なリールです。ですがこのリール、既に発売から数年が経過しているのと追加生産が行われていないようで、現在では好きなカラーが選べる状況ではありません。レフトハンドルに関しては既に市場には残っていないようです。CL30も市場在庫が極めて僅かになってきています。こんなところにまで近年の小型丸リールの需要の波が押し寄せていました。

とはいえ前回のエントリーでも記したように精度、性能面は非常に微妙なシロモノです。自分も決して、使いやすいリールとしてお勧めしているわけではありません。「自分でチューニングして何とかしてやるわ!」という変態チューナー向けかも。

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