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フリッピング機構の生き残り [リール]

アブが初めてマグネットブレーキを搭載したリール「ウルトラマグ」シリーズを発売した時は衝撃でした。あのアブが非円形のリールを、そしてあのアブが電磁誘導ブレーキを、という面で多くのアングラーが衝撃を受けたはずです。ですがこのリールはそれだけではなく、「フローティングレベルワインド」「ウルトラキャストデザイン(シャフトレススプール)」「フリッピング機構」というそれぞれ斬新な機能を備えていたものだったのです。

そしてこのウルトラマグシリーズの中での一番人気は「ウルトラマグフリッピング」でした。フリッピング機構を備えていたモデルです。

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フリッピングスイッチをONにすると、クラッチを完全に切ることが出来ません。押している間だけスプールがフリーになる。離せばその瞬間にロック出来る。フリッピング時に必要な分のラインを引き出すのに便利であった他、フォーリング中のバイトにも即アワセで対応できるというわけです。

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以後、ウルトラマグXLフリッピング、ウルトラマグXLTフリッピング、1021FL、821FL、521FL、4600FL、ライトフリッピングとフリッピング機構が付いた機種は継承されていき、そのいずれもその時代の一番人気を誇っていました。バス用のリールはフリッピング機構が付いているものが選ばれていた時代があったのです。

私自身は印旛沼や牛久沼で育ちましたので、フリッピングロッドも高頻度で使っていましたし、それに組み合わせるリールはやはりXLTフリッピングでした。

しかし自分はやがてフリッピングスイッチが邪魔に思えてきました。ピッチングを併用していく場合においてはむしろフリッピングスイッチをONにしてしまうことで扱いにくさを感じてしまっていたからです。ピッチングに切り替える際にはスイッチをいちいちOFFにしないといけない、釣りのリズムが狂ってしまう。

結果的に、今現在はフリッピングスイッチの付いたリールは手元には残っていません。それ以前にバス市場からもフリッピングスイッチの装着されたリールはほぼ消えてしまいました。フリッピング自体があまり出番のないテクニックになってしまったからでもあるでしょう。

でも実はこの機構、シーバスのジギングにはとてもいいのです。フォール中のバイトに即アワセで対応できるからです。また、バス用のリールからフリッピングスイッチは消えてしまったものの、ダイワの船釣り用リールでは棚クラッチという名前でしっかり残っています。落とし込む釣りには具合がいいという事ですね。

そしてすっかり消えたと思われたフリッピング機構付きのバス用ベイトリールですが、何故かアブのシルバーマックスにだけは今でも残っています。7年ほど前、自分が企画したイベントの賞品としてシルバーマックスを2台購入した時に気が付きました。

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そして今年にモデルチェンジした4代目シルバーマックス(MAX STX)においてもフリッピング機構がしっかり残っていました。マックスシリーズの中でフリッピング機構が付いているのはシルバーマックスのみで、プロマックス(MAX PRO)、ブラックマックス(MAX X)には付いていません。
マックスシリーズはただ単にベアリング数と色の違いでグレード分けされているだけだと思っている人も多いのですが、実はそういうわけでもないのです。

MAXシリーズは廉価版モデルということもあって価格ばかりが目に付きがちですが、現行機種で唯一のフリッピング機構を有するという点においてシルバーマックス(MAX STX)はもっと評価されてもいいかもしれません。ただ、ギア比はもっと上げて欲しかったかな(6.4:1)。

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