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市民を守るということ [災害ボランティア]

6/2~3にかけて、台風2号の影響で自分が住んでいる埼玉県南東部にも大雨が降りました。

自分が住んでいるマンションは川からも離れており、水はけも良いのか大した水溜りもない状態で2日夜の帰宅時にも普段通りに帰宅をしました。

ただ、この時点で既に市内の川が避難判断水位を超えてはいました。潮汐の関係でこれからさらに水位は上がってくる。それでいて雨のピークはこれからという最悪の組み合わせ。単純に雨の流入量と潮汐の事だけを考えれば、あと数時間で越水する!

「川の防災情報」で水位の状況を確認しながら不安を感じつつ就寝していましたが、やはり氾濫危険水位を超えてしまったようで夜中に2度ほどスマホからエリアメールが入ってきました。市内では避難指示が出た地域もありました。

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自分はマンションの高階に住んでいるのでスルーしましたが、避難指示が出ていたタイミングはまさに大雨のピーク。この状況下での避難というのもそれはそれで危険なのではないかなと思いました。しかし市内の排水施設などをフル稼働させたおかげで、川の水位は越水をギリギリ持ち堪えたようです。これは防災に関わる関係者の活躍あってのことでしょう。

朝起きてベランダから外の様子を見てみましたが特に変わった様子もなく、いつも通りの朝でした。しかし、市内では冠水した箇所もあったようで幹線道路もあちこちで通行止め。渋滞も起きていたようです。さらには災害救助法を適用することが決まったとも(驚)。自分はそれらをニュースで知りました。そんなに酷かったかな?

ウチの周りは至って普段通りだったのでピンと来ませんでしたが、市内で床上浸水が1件、床下浸水が9件だったとのこと。隣接する市では床上浸水500件、床下浸水2400件だったとのことなのでこちらは被害が幾分大きかったようです。

まず、浸水被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。でも、自分はお見舞いを言いたいわけじゃなくてもっと直接的なお手伝いがしたい。災害ボランティアなので。

2015年に鬼怒川が決壊した際には、茨城県の常総市では3日後には災害ボランティアセンターが立ち上がっていました。2019年の台風19号に起因する栃木県佐野市の水害時においても同様に、被災から3日後には災害ボランティアセンターが設立されています。これでも被災者の立場からすれば遅いくらいでしょう。何せ非常時なのですから一刻も早く助けが欲しいと願っています。

それが今回、市内の災害ボランティアセンターが立ち上がる様子はなし。ただ、市内在住者限定で災害ボランティアの登録が2日後から始まりました。勿論自分はすぐに登録をしたのですが何の連絡もない。

そりゃそうです、ボランティアの依頼を受け付けるようになったのが4日後。被災の規模からして、もう大方片付けの目処は付いている頃です。しかも依頼の受付というのが社会福祉協議会のホームページに載せたというだけ。自分の経験から言わせてもらうと最悪手です。必死になって後片付けに追われている人はネットなんて見ません。高齢者の方だと特に。
そして自分の自宅にも本日、被災状況を確認する音声メッセージでの電話が掛かってきました。もう1週間経っているんですけど。

緊急事態に直面している場面でこんなのんびりペースで対応を進めているようでは駄目でしょう。そして対応があまりにも受け身過ぎる。いくら災害に不慣れな地域の社会福祉協議会とはいえこれではいけません。危機感がなさ過ぎる。

過去に自分はこの社会福祉協議会に直接出向いたことがあります。他地域で災害ボランティアとして活動する際、現地でスムーズに活動できるよう、あらかじめボランティア保険に加入するためでした。

事情を伝えると「えっ、栃木県まで行って活動するんですか?!」と驚かれてしまった。ちなみに隣市ではボランティバスを用意して栃木市にボランティアを派遣していましたけど。
あまりの意識の低さに呆然としてしまったと同時に、もしこの場所が被災地になったらここの職員さん達、ちゃんと災害ボランティアセンターを立ち上げて運営していく事が出来るんだろうかと不安を覚えたことがあります。今回はまさにその不安が的中している感じ。

今回は過去の常総市や佐野市のような規模の水害というわけではありません。浸水被害の件数も少ないし、浸水が1mを超えるような規模でもない。既に1週間が経過してもう片付けが済んでいるという被災者も多いかと思います。災害ボランティアとして登録をしている自分の元にも何の連絡もないし、そもそもそれを必要とする要望ももうほとんど来ないでしょう。

災害時のあらゆる対応がとにかく遅すぎる。この先にさらなる大規模災害が起きた際、ここの社会福祉協議会はきっと対応しきれない。こんなことでは市民を守り切ることなんて絶対に出来ないですよ。
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2021-07-06 [災害ボランティア]

関東の人であれば日帰り旅行にドライブに釣りにと、伊豆や熱海は馴染み深い土地柄でしょう。そして行ったことのある人であればわかると思うのですが、海沿いの道から少し外れるだけで勾配のきつい坂道となる。多くの場合、ホテルや旅館などは急勾配の坂道を上がっていった先にある。車のすれ違いに難儀するような狭い道も多い。昔、マニュアル車に乗っていたのですが、坂道発進で後退するんじゃないかと何度冷や汗をかいたことか。

どうやら単なる自然災害ではない可能性も出てきていますが、こんな場所で災害が起きたら大変な事になるんじゃないかと思っていました。

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熱海市災害ボランティアセンターホームページより)

現在、熱海の土砂災害現場では自衛隊や警察・消防といった人達が行方不明者の捜索にあたってくれています。大量の土砂は重機がないと取り除くことは出来ないだろうし、道路すら寸断されている現状では災害処理のプロの方々にお任せするしかない。被災者が家屋の片付けに着手するのもまだ少し先のことになるでしょう。災害ボランティアの出番もまた、当分先の事になるかと思います。

現在では立ち上がったばかりの熱海市ボランティアセンターがボランティアの事前登録を始めた段階ですが、その対象となっているのは静岡県東部の在住者に限られています。おそらく今後、その募集範囲が拡大する可能性は低いと思います。

昨年の時点で、全社協がコロナ禍における災害ボランティアに関するガイドラインを作成した際、基本的には市町村内を募集範囲として規定しました。なるべく人流を抑えるということです。
そんな中、昨年の7月に熊本豪雨が発生します。これを機に災害ボランティアの規定の見直しが図られることとなりました。今年の6月に改訂された内容では、「被災地域の住民等の意見・意向等をふまえ、ボランティアの募集範囲の拡大は行政(都道府県含む)と協議し判断する」という柔軟性を持たせた規定に改訂されています。要するに、熊本豪雨では人手が足りず復旧が遅れたのです。

今回の「静岡県東部」という募集範囲は昨年の段階であればなかったはずです。せいぜい近隣市町村止まりだったでしょう。

災害ボランティアを志している人にとって、助けに行きたいのに行けないという状況が一番辛い。同じ気持ちで居る人は大勢いるはず。それでなくても県外のボランティアというのは受け入れられないケースが多いのですが、このコロナ禍でますます行動制限が掛かってしまっているのが現状です。

ひとまずは行方不明者の捜索が少しでも良い結果に繋がることを願うのみ。その後は自分に何か出来ることがないかを模索していくしかありません。県外の人間が現地に行けないという今の状況、とても歯痒いですけれど。
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最後の1つ [災害ボランティア]

状況がだいぶ落ち着いてきた印象はありますが依然として新型コロナウイルスの脅威が完全には終息しない中、季節は春を過ぎて初夏の様相を呈してきました。これからは大雨や台風にも備えていかなければいけない。

特にコロナ禍の中で昨年秋の台風のような災害が重ならないことをただ願うばかりです。避難所や復旧作業においてはソーシャルディスタンスなんてとても取ってはいられないはずだから。

そんな中、全国社会福祉協議会から 「新型コロナウイルス感染拡大下における災害ボランティアセンターの設置・運営等について~全社協VCの考え方~」 という発表がなされました(社会福祉協議会は必要に応じて地域のボランティアセンターを設置・運営する組織です)。

この中に何点か気になる記載があります。

○ 現在の状況下で一定規模の災害が発生し、被災者への支援が必要な状況となった場合は、感染症拡大を理由に災害ボランティアセンターを設置しないという判断はしない。

コロナウイルスの感染拡大に対するリスクがあるのは承知の上で災害ボランティアセンターを設置するという事です。災害発生時にはその対応を最優先すべきという点で、自分もそのスタンスに同意です。

○ 感染拡大の懸念がある期間は、広域に幅広くボランティアの参加を呼びかけることは行わない。
○ 感染拡大の懸念がある中で、社協の災害ボランティアセンターでボランティアによる支援活動を行わざるを得ない場合は、募集範囲を顔の見える範囲(近隣住民)から当該市区町村域程度までに制限することが適当。
○ 被災市区町村での対応が困難で、近隣市区町村域や県域にボランティア募集を拡大する場合は、被災地域の住民の意見をふまえるとともに、行政、医師や保健所など専門家の意見をふまえて判断する。

災害ボランティアの募集範囲は基本的には市町村の範囲内、行政や専門家の意見を踏まえてこれを拡げる場合でも県内というのがその範疇の拡大枠の上限となるようです。これはつまり、県外からの災害ボランティア活動は出来ないという事になります。

御存知ない方も多いかと思いますが、災害ボランティアというのは誰がどこで活動してもよいというわけではありません。被災地の市内在住者もしくは県内在住者に限られることが多い。昨年秋の台風による被害が大きかった際、埼玉県在住の私が日帰りで活動することが出来る地域というのは栃木県佐野市、栃木市、茨城県水戸市程度しかありませんでした。
そしてその限られた地域には全国あちこちから災害ボランティア有志が集まってきていました。内訳としては県外の人の方が多かったはずです。中には車中泊をしながら長期に渡って活動している人もいました。スーパーボランティアとして有名になった尾畠春夫さんのような方というのは実は結構います。

しかしながらコロナ禍の脅威があるうちは、県外からの災害ボランティアは活動をすることが出来ないということが今回明らかになりました。自分もそうですが、これには歯痒い思いを感じる人も多いのではないでしょうか。重労働することなどより助けに行けないことの方がよっぽど辛い。確かにコロナウイルスの感染拡大を抑えることも大切ではありますけど・・・。

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そんな中、日本でただ一箇所だけ昨年秋の台風被害対応のためのボランティアセンターが今でも閉所することなく活動を続けているところがあります。それは栃木県の佐野市。私も今年の1月までずっと活動していたところです。

この人もまだ頑張っていますね。物凄い熱意とパワーに圧倒されます。

その佐野市のボランティア活動もコロナウイルスの影響を受けて2月下旬以降はその活動停止を余儀なくされていました。それが今日から再開となったとのことです。但し、現状を鑑みて市内在住の登録者のみで活動を再開したようです。

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(佐野市災害ボランティアセンターFacebookより)

昨年の秋に被災してもう半年以上が経ちますが実はまだ復旧しきれていない家屋というのはあります。これは佐野市に限ったことではないはずです。ただ、その被災者が第三者に頼ろうとしていないだけ。依頼が来ないのであれば、行政はそれで終了と判断する。

全国で唯一、佐野市だけで依然としてボランティア活動が続いているのは他の地域と比べて被害が大きかったからというわけではなく、災害ボランティアとして活動している有志達の地域復興への想いが強く、声を上げずにいる住民の人達にまで1軒1軒声を掛けて周り、その需要を地道に掘り起こすところまでしっかりとやっているから。そこまで手厚いフォローが出来ている地域というのはきっと他にはない。

とうとう全国で最後の1つとなった佐野市の災害ボランティア活動。でもこれは決して復興の順位がビリッケツになっているのではありません。より完璧なゴールを目指して最後まで走り続けている孤高のランナーだと自分は思っています。

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それも中止なの?! [災害ボランティア]

1月半ばを以て栃木県佐野市での災害ボランティア活動は広く一般からの募集が終了となり、私自身もそれを一区切りとして活動を終えました。この時点で依頼案件に対する完了率は95%を超えており、その後は事前登録されたボランティアが活動を継続してくれていました。

私自身現場は離れましたが、3ヶ月間に渡って活動をしてきた場所ですからどうしてもその後の事が気になります。登録ボランティアの人達による活動記録は毎日欠かさず見ています。

世間的には「まだやっているの?!」と思う人がいるかもしれない。実は未だにボランティアの人手を必要としている被災者はいます。今でも定期的に床下の泥出しを依頼してくる家があるのです。

そして、今後も継続してボランティア活動を続けていくために団体を立ち上げた人達もいる。私の顔見知りも何名か加わっています。1軒1軒を訪問して積極的に需要を掘り起こす部隊もおり、ここにきてまた案件が増えてきている。

皆、まだ頑張っている。自分も現場に戻るべきなんじゃないかとずっと考えていました。ただ、ネックとなるのは自分の仕事。今の時期はとにかく週末に開催されるイベントが多い。

ところが、これは全く予想だにしなかったことですが、新型コロナウイルスの影響によって3月に予定されていたイベントはその多くが中止となり、結果として自分の予定もポッカリ空きました。ボランティア活動に舞い戻るのなら今だと思いました。

ところが、何と。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、2月25日以降のボランティア活動自体を当面の間休止にするのだとか。

イベントやコンサートなど大勢の人が集まるものが中止になるのは仕方がない。でも、10人前後のグループが被災者のお宅にお邪魔して床下に潜って泥を掻き出したり、庭先の掃除をしたり、それすらも駄目になるとは思わなかった・・・

再開に関してはコロナウイルスの終息状況を見てという事になるのでしょうけど、現時点ではまだまだ拡大方向ですからいつになったら再開できるのかは見通しが立たない。

このまま再開見送り、なんてならなければいいのだけど。
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1/12 佐野市災害ボランティア [災害ボランティア]

10月からずっと取り組んできた佐野市での災害ボランティア活動が最終日を迎えました。本日で一般公募は終了ということです。今後は事前登録したボランティアのみでニーズに合わせた活動をしていくことになります。
自分も最後まで悩んだのですが、釣りフェスティバルを皮切りにイベントの業務も多くなることからボランティア登録はせずに本日を以て活動を終えることにしました。

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11日は仕事だったので自分にとっては12日しか参加することが出来ませんでした。しかし週間予報では12日のみ無情の雨予報・・・そうなるとボランティア活動も中止となってしまい、自分の活動もこのままで終了となってしまう。何とか最終日に活動したいと願っていたところ、どうにか天気も回復してくれました。

本日は19名のチームでお寺の床下の泥出しにあたりました。床下に潜るのは久しぶりでしたが、いつでも対応できるようにヘッドライト、懐中電灯、ヘルメット、ゴーグルなども持参しています。ボランティアの間で「モグラ」と呼ばれる床下の泥出しはボランティア活動の中でも最もハードな部類になります。が、お寺の床下は一般的な家屋の床下よりも幾分高さがあり、難易度的にはさほどでもありませんでした。

が、床下なんて長年放置されている空間ですから何が出てくるかわかりません。本日も猫のミイラを一体収容。

お寺の床下ということで敷地面積的には広かったのですが泥の堆積がさほどではなく、大人数で一気に進めたこともあって正午には任務完了。

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午後からはボランティアセンターの依頼で近隣の側溝掃除。ボランティア活動時の依頼先での写真撮影は原則禁止されているのですが側溝だったらいいでしょう。蓋を開けると泥が30~40cm積もっていました。蓋が開けられるところだったらいいのですが、蓋のない場所はどうしようもないです。

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作業終了後は最終日ということもあってボランティアセンターで豚汁の炊き出しが用意されていました。ありがたいことです。

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顔見知りのボランティアが1人、また1人と帰っていきます。もう会うことはないんだろうなぁ・・・。ボランティアセンターの資材置き場も片付けられてスッキリとしていました。なんだかとても寂しい、なんて言ったら駄目ですかね。災害ボランティアが来る必要のない街というのが一番良いのだし、自分達もそれを目指して頑張ってきたわけですから。

週末にここに来れば、当然のようにボランティアセンターが自分のことを受け入れてくれて、待ち合わせをするまでもなく当然のようにいつもの顔馴染みの人達がいて、そして当たり前のように皆で力を合わせて家屋の片付けや泥出しをする。肉体的には確かにキツイけれど、自分はそんな日々が心地良かった。でももうそれも今日でおしまい。自分も気持ちを切り替えなくては。

ヘルメットもスコップも道具は全て片付けました。願わくば、これらをまた使う日が来ませんようにと。

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災害ボランティアは個人だけで活動できるものではありません。ボランティアセンターがニーズを集め、人員や資材の割り振りを行う。ピーク時には1日で数百人ものボランティアがやってくる。その受付を行い、保険未加入の者には加入してもらい、マッチング作業でグループを割り振りそれぞれの現場に出向かせる。帰ってきたボランティアには依頼先での業務の進捗状況を報告させてそれを取りまとめる。さらには駐車場の整理、トイレの清掃、更衣室の案内などボランティアセンターの業務というのは非常に多いです。で、ボランティアセンターの段取りが悪いとボランティア活動が円滑に行えないのです。

佐野市は昨年の台風以前には災害に見舞われた経験がありませんでした。ボランティアセンターを立ち上げたのも今回が初とのことです。にも関わらず、自分がこれまで見てきたボランティアセンターの中では運営が一番スムーズでした。資材も豊富でマスクや手袋、カイロまで用意されていました。手ぶらでも余裕で参加できるほど。そのおかげで、ボランティア活動のみに集中することが出来ました。おそらくは他地域の社会福祉協議会の人も応援に入っていてくれたことと思いますが、その方々も含めて佐野市災害ボランティアセンターの皆様には厚くお礼申し上げます。

10月の時点で、県外からのボランティアを受け付けてくれるボランティアセンターは僅かでした。佐野市はその中の1つでした。自分が佐野市で活動を始めたのもそれが理由です。しかし今では佐野市で活動して本当に良かったと思っています。最初から最後まで県外のボランティアを受け入れ続けてくれたことにもとても感謝しています。

そして3ヶ月弱もの間、共に力を合わせて作業をしてくれたボランティアの皆様にもとても感謝しています。皆さんの想いを聞くたびに胸が熱くなり、自分も頑張らなければいけないという思いを新たにしていました。力の源でした。

自分が足を運び始めた頃の佐野市内は、どこも泥だらけで道端には土嚢が積まれ、車が通ると砂埃が舞い上がる、酷い状態でした。
今でも水害の痕跡は残っています。でも、見違えるように綺麗になった。営業を休止していた飲食店も次々に営業を再開しています。佐野という街の底力は凄いと思えました。
佐野の人は優しくて強い。まだ生活の再建真っ只中の人もいると思いますが必ずや再建してくれると思っています。ただ、必要が生じたら無理せずボランティアを依頼して下さい。今後も登録ボランティアの方々が活動してくれますので。

佐野の皆さんが一日でも早く元の生活を取り戻せるよう心から願っています。万が一これから人手が足りなくなるようなことがあれば、自分は必ずまた行きますから。
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終わりと別れ [災害ボランティア]

本日で年内の佐野市のボランティア活動は終了だそうです。そして年明けは1/11,12。どうやらその日が佐野市のボランティア受付の最終日になるかも?なんて話もチラホラと・・・。

既にニーズの9割以上が完了となっており、残っている案件というのは少ない。そこに多数のボランティアが集まってきてもかえって人手が余ってしまう。今後、佐野市においては事前登録したボランティアのみが需要に応じたかたちで活動を続けていくことになるとのことです。

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自分も社会福祉協議会の人から災害ボランティアの事前登録をお願いされました。散々悩んだのですが、1月以降はフィッシングショー関係のイベント業務が続くこともあってボランティア登録はしないことに決めました。

ですので、1月11日or12日の活動を以て、自身の栃木県佐野市でのボランティア活動を終了することにしました。実をいうと佐野市での活動後は栃木市での活動をと考えていたのですが、こちらは佐野よりも一足早く一般募集を終了してしまい、参加を断念しました(佐野市よりも被害が大きかった事に加えボランティアの参加人数も少なかったはずなのに、佐野市よりも早く終了というのが不思議でなりませんが・・・)。

よって、台風19号関連の自分の復旧支援活動は1月を以て終了とします。

自分に出来る限りの事はやりましたが、未だに泥だらけの家屋や農地、側溝などを数多く目にします。そのため、達成感というものはあまり感じていません。

昨日、以前に訪問したお宅をちょっとだけ見に行きました。勿論、住人の方には声を掛けず玄関先から眺めるだけでしたが。
自分が訪問した際は家の中も庭先も駐車スペースも泥だらけでした。それが昨日は小綺麗な状態になっていた。床上浸水の上に車も廃車になったお宅だったので相当な出費があったのは間違いないはずです。でも、ここのお宅は自宅で落ち着いた年末年始を迎えることが出来るだろうと思いました。
とても嬉しかったです。願わくば被災した全てのお宅がそうであって欲しいところですが、残念ながら現時点ではまだまだです。

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私たち災害ボランティアの望みはただ1つで、被災された方々が1日でも早く元の生活に戻って欲しいということ。ただそれだけです。ですから、街の復旧が進み、災害ボランティアの必要性がなくなる日が来るのは早ければ早いほどいい。

その一方でとても寂しい気持ちになる自分もいます。それは同志との別れが名残惜しい気持ちになるから。

東日本大震災や鬼怒川の水害などにおける活動時も然りでしたが、2ヶ月以上にわたる佐野市でのボランティア活動でも大勢の有志達と力を合わせ、復旧活動に取り組んできました。
ボランティア活動においては見知らぬ者同士がグループを組み、派遣先へと赴いていきます。学生さんもいれば仕事をリタイアした高齢者もいるし、男性ばかりではなく女性もいます。共通しているのは被災者を助けたいという「強い志」です。

災害が起き、生活に困窮する人が出てしまう。その人達だけではどうすることも出来ないのは誰の目にも明らか。そんな時に迷うことなく「すぐに助けに行くぞ!」という思考回路を持ち合わせた人達が災害ボランティアの人々です。それは正義であり、人として当然の事だと思うのだけれど、残念ながら世の中には他人の不幸を見て見ぬふりをする人間の方が圧倒的に多いのが現状です。

ボランティアセンターに続々とボランティアが集まってくる。時には数百人もの人が集まるけれど、世の中では圧倒的少数派。時には周囲から奇特者扱いされることもあるはずです。どうして他人のために貴重な休日を使ってわざわざタダ働きをしに行くのか?と。こればっかりはもう、人間としての思考回路そのものが違うので議論をする価値すらありません。

でも、ここには同じ価値観を共有できる人達が集まってくる。本気で被災地・被災者のことを考え、行動できる人達。年齢も居住地域も職業も性別もまるで違う。こうした場が無ければ決して顔を合わせることのなかったはずの人達が繋がり、同じ目的のために力を合わせることとなる。これは決して偶然なんかじゃなく、集まったことが必然だったんじゃないかと思えるくらい。

やがてボランティア活動が終焉を迎えると同時に、共に力を合わせて頑張ってきた同志達もそれぞれの生活へと戻っていきます。現地で長期に渡り車中泊をしながら参加していた高齢者は元の年金生活に。最も過酷な床下での泥出し作業を率先していた女性も平凡な子育て主婦業に。故郷の惨状を前に居ても立ってもいられず舞い戻ってきたという若者も都心での賑やかな学生生活に。職安で失業保険の受給を蹴ってまで日々のボランティア活動に取り組んでいた無職の男性も、きっとほどなく仕事が見つかることでしょう。そしてバス釣りジャンキーのオッサンは再び釣りが中心の日々へと戻ります。
年齢も地域も環境もまるでバラバラ。だから、世の中が平和であってくれれば私達はこの先に決して顔を合わせることはないでしょう。

同志と共に力を合わせて復旧作業に取り組む日々は体力的にも精神的にも決して楽なものではなかったけれども、同じ思考回路を持ち合わせる者同士の居心地の良さというものは確実に感じていました。そして自分がそこに加わっていることの必然性も。

もう少しで、そんな同志達ともお別れです。共に復旧作業に取り組んでくれた人達にはただただ感謝の気持ちしかありません。出会えたことにも感謝しています。
でも、私達が再び顔を合わせることがあってはなりません。その時はどこかで災害が起こり、被災している人が出ている時だから。

自分もそろそろ元の生活に戻る日が近いようです。居心地の悪い、違和感だらけの日常に。
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12/21 佐野市災害ボランティア [災害ボランティア]

世の中的にはクリスマスが近付くにつれ浮かれムードなのかもしれませんが、台風被害に遭った人の中には未だに元の生活に戻れず辛い日常を送っている人がいます。
家の中が砂埃にまみれ、マスクをしながら生活しているって想像できますか?
1階が駄目になり2階だけで家族が生活するって想像できますか?
床がないので寒くても暖房が効かない中での生活って想像できますか?
そしてそれらを改善しようとするととんでもない出費となる。

何より被災者が判断に迷う要因となっているのは、近い将来にまた同クラス或いはそれ以上の災害が来ないとも限らないという点です。100数十万円をかけて床や壁を直したとしてもまた次の年に同じような被害に遭わないという保証はどこにもない。転居という手段を講じる家も勿論ある。けれども、農家のお宅の場合は所有している農地の関係もあってなかなかそうもいかない。

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本日は佐野市の旗川という地域のお宅にお邪魔しました。この地区には10月も復旧支援に入りましたが私が活動した中では最も泥の堆積が酷かった地域。実際に行ってみると、10月にお邪魔したお宅の3軒隣の家でした。

既に台風から2ヶ月経っているというのに、庭の泥はほぼ手付かず。スコップを入れると20cm近くも積もっていました。さらに自家用車も流されて庭先に放置されていました。中は泥だらけ。外はボロボロ。タイヤが半分土砂に埋もれて動かせない。まだこんな酷い家があったんだと驚きました。
但し、家の中は空っぽになっていました。これまで家財道具の整理に時間を費やしていたのでしょう。

こちらのお宅は家を建て壊し、1mほどかさ上げをしてから建て直す予定とのこと。1mというとかなりの高さではあるのですが、70cmほど床上浸水したのでそれくらい高くしないとこれから安心して暮らせないと。そうですよねぇ。

男性9名のチームで土嚢袋おおよそ700袋分の泥を取り除きました。動かなくなっていた自家用車も邪魔にならない場所まで移動させた。見違えるように綺麗になった庭を見て依頼主さんもびっくりした様子でした。「ボランティアを呼んで本当に良かった!」との最高に嬉しい言葉をいただくことも出来ました。

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こちらのお宅でもお茶やらお菓子やらミカンやら色々と出していただきました。ボランティアは基本的に無報酬が前提なので何も出していただく必要はないのですが、お気持ちということでありがたく頂戴しました。ミカンはお庭に生えていたもので、お土産にもいただきました。

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毎週ボランティアに参加していると、何度か同じグループで活動したり、しょっちゅう顔を見かけたりする顔馴染みが多くなってきます。本日のグループも顔馴染みのメンバーが多かったです。

その中で、三河ナンバーの車で来ている人がいました。その方と同じグループで活動するのは2回目です。愛知県から来て車中泊しながら活動しているそうです。で、前回は気付かなかったのですが、車の中を見るとどう見てもルアーマン(笑)。あちらも、私が被っているスミスのキャップには気付いていました。

お話をしてみるとジギングを楽しまれているアングラーのようで、マイボートも所有しているということでかなりのガチっぷり。スミス製品のジグもかなり使って下さっているヘビーユーザーでした。まさかこんなところでスミス製品のヘビーユーザーにお会いするとは。

これまでも何度か釣りをされるボランティアの人とお会いしました。栃木の地元の人はてっきり内水面の釣りだろうと思ったのですが茨城方面の海で釣りをされているとのことでした。しかもそんな人が複数いました。バスアングラーの人もいて、その人は埼玉県の本庄市の人でした。ちなみに佐野市内の釣具店、先週も立ち寄ったのですが駐車場が満車になるくらいの盛況ぶり。トラウトやアユなどが強い地域なのだろうとばかり思っていましたが、それ以外の釣り人も結構いるようです。

そんな中で自分が気に掛けていることがあります。被災地域には釣りに行きたくても行けないような人が結構いるんじゃないかということです。

釣りが出来ることって決して当たり前のことではないです。生活が逼迫している人は出来ないです。そして心に余裕がないと楽しめません。

被災地の釣り人にも、何の気兼ねもなく釣りが楽しめる日が早く戻って欲しい。そんな日が1日でも早く来てくれることを願って、今はただ自分に出来ることを全力でやるしかありません。

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12/14 佐野市災害ボランティア [災害ボランティア]

先週に引き続き、ボランティアセンターの人に写真を撮られてFacebookに載せられていました。本日は受付風景。ストリームトレイルの紫色の防水トートバッグを手に持っているのが自分です。

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写真を見ればお分かりの通り、ボランティアはディパックを背負っている人が多いです。被災者のお宅に車で入れないケースもあるので、スコップなどの資材を手で持って移動することもあるからです。手荷物が多くなる場合もあるので両手が開いている方がベターというわけです。

が、ディパックの弱点は置き場所を選ぶことです。ぬかるんだ場所などには置けないし、砂埃が酷い場所だと汚れてしまう。防水トートバッグが最強というわけです。

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ストリームトレイルの防水トートは肩に掛けられるのでディパック同様に手も空きますし、バッグ自体を手で持つことも出来ます。ぬかるんだ場所でも躊躇なく置けますし、汚れても拭けばいい。ちょっと値段は張りますが災害ボランティア最強バッグです。勿論、釣りの時にも使っています。

本日は男性のみ7名のチームで田島という地域のお宅に伺いました。この辺りは被害が大きかった地域ということもあって初期段階からボランティアが大量投入されていた地域です。自分も1ヶ月ほど前にこの地域での作業をしました。

でもこの段階でまだこの地域からボランティアの要請があるというのは一体どういうことなんだろう?

お邪魔してみると、町内会長さんのお宅でした。話を聞くと、自分は町内会長だから最後でいいと。それよりもとにかく他の家を先に何とかしてやってくれということで2ヶ月もの間、ご夫婦だけで後片付け、ご主人に至っては自ら床下の泥出しまでされていたのだそう。

このお宅もだ・・・佐野の人は本当に優しすぎますって。大変な目に遭っているのに、自分よりも他の人を優先してくれだなんて。佐野はこんな人ばかり。本来それは悪いことではないのですけど。

実際にお宅の様子を見させてもらうと、2ヶ月も作業をしている割には全然進んでいない。庭は泥だらけなのに全然手を付けられていないし、家の前の側溝も泥やゴミが積もっている。この辺り一帯が川のようになっていたようで、庭木には大量の流下ゴミ(枯草)が引っ掛かったままになっていました。

これらの大量の流下ゴミの撤去、側溝の泥出し、砂利の運搬などしましたがとても今日中に終わる量ではありませんでした。10人前後のチームがあと2~3回は来ないと終わらせられないと感じました。

いつも思うのですけど、もっと早い段階でボランティアを呼んでくれていたら良かったのにと思ってしまいます。そうすれば家の人だけで2ヶ月間も大変な苦労をせずに済んだはずなので。

さて、佐野市災害ボランティアセンターではニーズに対して完了となった案件がついに9割を超えたそうです。もう終わりが近い。おそらく自分がここで活動できるのもあと僅か。

自分達が目指しているものは被災した地域の復旧に他なりませんし、それが少しずつでも達成されつつあるのはとても喜ばしいことです。ただ、今でも作業が進んでいない家屋をまだあちこちで目にする。多分その家の人達は他の人の手を借りるという気がないのだろうと思う。勿論、その人達にボランティアの押し売りは出来ないのだけれど・・・

10人のボランティアグループで3日かけて作業を終える程度の被災があったとしたら、それを1人でやろうとすると30日掛かる。高齢者だったらその倍以上。床下の泥出しまでやろうとなると1人じゃ到底無理。数ヶ月、下手すると半年コースです。
それでもいいよ、というわけにはいかない。床下の泥なんて早々に撤去しないと家の中のあちこちからカビが生えてくる。すでにそうなりかけている家もありました。

ですので、自分達だけで何とかしようなんて決して思わないで早々にボランティアを要請するのが一番いいのです。

が、そろそろボランティアセンターも活動終了が近い雰囲気です。終了となったら、ボランティアを呼ぶことすら出来なくなりますからね。復旧作業が進んでいない家の人が、その前にボランティア要請を出してくれることを願うばかりです。
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12/8 佐野市災害ボランティア [災害ボランティア]

本日は佐野市の葛生という地域からのボランティア要請でしたが、依頼主さんからの依頼内容を見てみると空き家と記されていました。しかもボランティアを依頼するのが初とのこと。

この時期になって初めてボランティア要請をする空き家ということは、もう2ヶ月近くも手付かずで酷い状況なんじゃないかと想像しました。

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(出発前。資材を軽トラに積み込んでいるところ)

でも実際に訪問してみると・・・アレ?凄く綺麗で真新しい感じの家。床もフローリングだし。まぁ今まで訪問したお宅は農家が多く、昔ながらの家屋ばかりだったというのもあるのですけど。

依頼主である50代ほどの女性の方が出迎えてくれました。ここに住んでいるわけではないそうですがたまに訪れては庭の手入れや掃除などをされているそう。道理で家や庭が綺麗なわけです。様々な事情があってこの家をこの女性が一人で守らざるを得ない状況らしく、泥まみれになった庭や物置を見て途方に暮れていたようです。

でも私達にしてみれば庭の泥出しなんて軽作業の範疇です。9人のチームで7割ほどの作業を終えました。結果、見違えるほど庭が綺麗に。もう1度ボランティア作業をすれば庭は完全に綺麗に出来るでしょう。その様子を見ていた近所の人も「あんた達、プロだねぇ」と嬉しい一言。

確かに今日のチームはベテランが多かったかもしれません。リーダーをされていた男性は佐野でのボランティア活動日数が30日以上だとか?!サブリーダーの人も13回目とのこと。自分、足元にも及んでいませんでした・・・まだまだです。

依頼主の女性もまさかここまで一気に作業を進められるとは思っていなかったようでした。また今日のチームは女性が3名いたのですが、女性同士で会話をしながら一緒に作業を進めることが出来たのも家主さんの気分を明るいものにしてくれたようです。今朝まではずっと胃がキリキリと痛かったのが気持ちが一気に明るくなれたと、今にも泣きそうになりながら話してくれました。
これまでずっと一人で抱え込んでいたんでしょうねぇ。もっと早くボランティアを呼んでくれれば良かったのに。

が、ちょっと気になることが。床上浸水は免れていたのですが家屋の土台の通風孔が泥で汚れている。これ、結構床下に泥が入っちゃっているんじゃないかな?床下、見てみました?と聞いたところ見ていないとのこと。床下収納のスペースがあったのでそこから床下を覗いてみると・・・アチャー、しっかり泥が溜まってる。これ、ちゃんと除去しないと駄目です、家の中にカビが発生しますよ、ということで次週以降に床下の泥出しも依頼をしてもらうことに。
依頼主さん曰く、そんなことまでボランティアに頼めるんですか?と言われました。あまりボランティアには詳しくないようでしたが当然頼めますので。まぁ、メチャメチャハードな業務になるんですが(汗)

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佐野市でも依頼件数の8割以上を完了し、ボランティア活動は縮小方向に向かっています。明日からは平日の活動もなくなり土日だけとなる。もうしばらくすると事前登録した人のみの活動にシフトすることになりそうです(事前登録の用紙を配っていました)。

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県外からの参加である自分はあと何回来れるんだろう。自分は早く解放されたいなんて思ったことは1度もなく、必要としてくれる人がいる限りは続けたいと思っているのですけど。
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11/30 佐野市災害ボランティア [災害ボランティア]

先週は雨天でボランティアの受付自体がなかったため、2週間ぶりの佐野入りとなりました。

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本日は市街地ではなく、ボランティアセンターから車で30分ほどかかる佐野のかなり山合いにある豊代町という場所にあるお宅での作業となりました。15人ほどのチームで向かいました。

このお宅には何度かボランティアが入っていたようなのですが、昨日の作業中に持病の発作で倒れてしまったボランティアがいたらしく、家主さんもかなりショックを受けてしまっているので注意して欲しいと指示を受けていました。また、その日はそのお宅での作業が途中で止まったままとなってしまったそうなので、何とか今日のチームで遅れを挽回し作業を終えたいところ。

お宅は秋山川のすぐ脇。ですが秋山川の水が溢れたわけではなく側溝の水が溢れてしまったとのこと。幸い床上浸水までは至っていませんでしたが庭先や物置などに大量の泥が積もっていました。
気の遠くなるような泥の量でしたが、15人のパワーで何とか作業完了。1200袋を持って行った土嚢袋のほとんどを使いました。

そのお宅に幼稚園児位の男の子がいたのですが、ボランティアに混ざってスコップで泥さらい。結構山間にあるお宅だったので大勢の大人が家にやってきたのが嬉しかったみたいです。女性陣はその子の相手もしてくれていましたしね。
確かにココでは遊び相手は少ないだろうなぁ。お父さんとお母さんは後片付けが大変でかまってもらえなさそうだし、相手にしてくれるのはお婆ちゃん位か。
そして私達が作業を終えて帰る際には号泣。急に寂しくなっちゃったんでしょうねぇ。

また、ここのお宅のお婆さんはボランティアが初訪問した際にはかなり悲壮的な表情をしていたそうです。ですが庭に積もっていた泥を私達が完全に撤去したのを見て、とても明るい表情になりました。

災害ボランティアがやれることは限られています。ボランティアが来たからといって生活が元通りになるわけではありません。
床上浸水した家屋においては壁の断熱材が泥水を吸っており交換が必要です。床下の清掃・消毒と合わせると100万円では足りません。行政からの支援金も僅かなものです。家財や車の買い替えともなると途方もないお金が掛かる。残念ながら、それは私達にもどうすることも出来ない。
それでも、大変な状況になった家屋や泥に埋まった庭を目の前にして途方に暮れていた人達が、それを綺麗に片付けてあげると明るい表情になる。それがとても嬉しい。

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台風15号・19号で被災した地域においても、ほぼその依頼業務を完了してボランティアの受付を縮小・終了する地域が多くなってきました。私が活動をしている佐野市でもニーズの8割以上が完了したとのことで今後の活動を縮小していく方向のようです。県外からの参加である私が佐野市で活動できるのもあと数回あるかないか、なのかもしれません。

他の県外ボランティアの人達とも今後の活動について色々と話をしました。佐野市の活動が終了すればそれで終わりとする人、今後は宮城県の丸森町に活動を移すという人、色々でした。
自分もまだ止めるつもりはないです。でもまだこの先のことは決めていない。ひとまず今は出来るところまで佐野市で活動を続けるのみです。被災者の人達に、穏やかな年末年始を迎えて欲しいので。
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