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インフィニブレーキ [リール]

小学生の頃に、父親がシマノのバンタム100EXというベイトリールを買ってくれました。これが自分が初めて使ったベイトリールであり、唯一の日本メーカー製ベイトリールとなりました。「いつかはABUを使う釣り人になりたい」という子供の頃の強い願望は、憧れだったアンバサダー5000Cを買ったのを皮切りとして今でもアブ以外のベイトリールを使いたいという気持ちは全く生まれません。

自分はリールの買い替えが激しい方ではありません。納得したものを買い、それを長年使う事が多い。

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そんなアブ歴が長い自分ですが、遅ればせながら2年前に初めて使ったのがインフィニブレーキのリール(レボ4SX)です。要は遠心ブレーキとマグネットのツインブレーキ。最近のアブのリールにはこのインフィニブレーキを採用している機種が多い。

自分の好みとしては、ピッチングには遠心ブレーキ、フルキャストにはマグネットブレーキです。そしてインフィニブレーキはフロッグ用にいいんじゃないかという期待を抱いていました。ひたすら続くアシに対してはフロッグをピッチングで撃ち込んでいく。これには遠心ブレーキが自分の理想。でも時折、ヘラ台やオーバーハング下などにはスキッピングで撃ち込みたい時がある。これはマグネットでないと無理。1台でそのどちらにも対応できるリールはないか?と考えた時にインフィニブレーキを試してみようと考えたのです。上手くブレーキ特性を切り替えられるのではないかと。

ですが、この試みは失敗でした。自分自身がインフィニブレーキの特性を誤解していたことに気付くのはさほど時間はかかりませんでした。

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インフィニブレーキに採用されている遠心ブレーキはIVCB系とは全くの別物で、その効きがとにかく強過ぎる。任意で最大6箇所のピンが飛び出る仕組みになっているのですが、これを2箇所ONにするだけでもブレーキが効きすぎて飛距離が出ない。1箇所ONでもまだ強いくらいです。これでスキッピングを行うとラインリリース直後に急ブレーキが掛かって「つんのめる」現象が起きてしまい、その後にルアーが到達地点まで伸びていかない。これは駄目だと思いました。

使い勝手のいいセッティングをあれこれと試行錯誤していった結果、結局は遠心ブレーキのコマを6箇所全てOFFにしていました。但し、インフィニブレーキのマグネットブレーキは単体での効きが弱いので、ブレーキダイヤルをMAXにしてやっとどうにかスキッピング出来るというレベルでした。それでもうっかり力んでしまうとバックラッシュを起こす。ちっとも快適じゃない。

自分の技量にも問題がなかったとは言いませんが、インフィニブレーキのリールでフロッグをスキッピングさせるという用途に関しては、完全に「不向き」という結論に達しました。

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一方、巻物用のグラスコンポジットロッドにもインフィニブレーキのリールを試してみました。

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こちらもあれこれとブレーキセッティングを試していった結果、遠心ブレーキのコマは1個のみONというのを標準にして、向かい風の強い時、或いはバズベイトなど風の抵抗を受けやすいルアーを投げる際にのみコマ2個をON。それらに加えてマグネットブレーキで調整を行うというスタイルが最良であるという結論に至りました。これがバッチリ決まるとノーサミングですらバックラッシュを起こすことがなく、非常にトラブルレスなブレーキシステムだと感じられたのです。

特に飛行中の姿勢を崩してしまいやすいバズベイトは姿勢を正した状態で飛ばしやすく、その重さゆえにラインリリース直後にロケット発射となって方向のコントロールが付けにくいスイムベイトなども滑らかなコントロールが可能でした。こうした用途において、インフィニブレーキならではの良さがあることを実感しました。

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でも何かが足りない。それはルアーが無抵抗で飛んでいく際の気持ち良さだと思いました。

インフィニブレーキのリールでキャストすると、ウゥーンという低い音がリールから聞こえてきます。それだけインフィニブレーキによって回転が制御されていることの表れです。確かにトラブルは極めて少ない。

自分は一時期、アブのライトフリッピングというリールのブレーキを全て取っ払って使っていたことがありました。指でスプールを弾けば40秒以上も回り続けている、そんなリールでした。だからちょっと気を抜くだけでバックラッシュもする。けれども抵抗なく飛んでいくルアー、何の抵抗もなくフリーフォールしていくラバージグ、そのリールでないと味わえない感覚は確かにあったし、とても心地良かったのです。

さすがにそれは極端すぎるので止めましたが、多少のバックラッシュのリスクがあったとしても自分はそうしたリールの方が好きなんだと。過剰過ぎる制動力のインフィニブレーキは自分には合っていないということもわかりました。

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リールの機種を入れ替えるのは簡単なことですが、それでは自分が求めているリールはどれなんだ?と考えた時に該当する機種が思い当たりませんでした。スペック的にはLV7が合っていると思うのですが、用途を考えるとサイズ感が少し小さいと感じてしまう。また、ブレーキ機構以外の点においてはレボ4SXはやはり理想的。ショートシャフトスプールとブラスギアは自分には必須条件なのです。

ということで、レボ4SXをカスタムしてみることにしました。外観的なカスタムではなく、自分用のフィーリングを具現化するためのカスタム。スプールをはじめ、各部のパーツをそれぞれ世界中から取り寄せ中。上手く完成したら替えの効かないリールになること間違いなし。

早く各パーツが揃わないかなぁと心待ちにしているところです。

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