SSブログ

中国製リチウムバッテリーを考える・2 [その他]

本日はいよいよバッテリーの特性の違いについての話です。

■ LiFePO4とLi-ionの違いに注意

見た目は全く同じ2つのリチウムバッテリー。さて、どちらを選びますか?

A(12V/100A)
200720-3.jpg
・自重 15kg(バッテリー総重量)
・価格 $398.00(充電器込)

B(12V/100A)
200720-2.jpg
・自重 7kg(バッテリー総重量)
・価格 $369.55(充電器込)

Bの方が断然軽いし値段も安い。だったら当然Bだよな、ってちょっと待った!!
そのバッテリー、AはLiFePO4でBはLi-ionなんです(写真にそう書いてありますね)。同じリチウム系バッテリーでも特性が違いますので注意して下さい。

※簡単な補足説明ですが、LiFePO4というのはリチウムイオンの1種でリン酸鉄のリチウムバッテリーを表します。不具合が発生した際にも酸素や有毒ガスが発生せず引火や爆発といった危険性が低いリチウムバッテリーとされています。

では改めて2つのバッテリーを比較してみましょう。

【12V/100A LiFePO4】
200721-1.jpg

【12V/100A Li-ion】
200721-2.jpg

■ 重量の違い

【12V/100A LiFePO4】
200721-3.jpg

【12V/100A Li-ion】
200721-4.jpg

同じリチウムバッテリーなのに15kgと7kgでは倍以上も違うという事になります。その重さの違いはどこから来ているの?というと「内蔵されているセルの違い」です。

■ セルの違い

内蔵されているセルの情報はスペック表の"Cell specification"と"Cell combination"を見るとわかります。

【12V/100A LiFePO4】
200721-5.jpg
セル3.2V×4組内蔵

【12V/100A Li-ion】
200721-6.jpg
セル3.7V×3組内蔵

LiFePO4用のセルはLi-ion用のセルと比べて電圧が0.5Vほど低いというのがわかるでしょうか。そのため、12Vの規格に極力近付けるためには4個のセルが必要となります。3.2×4=12.8Vに仕上げてあります。

一方のLi-ionはセルが3.7Vですので、これを4個用いたら14.8Vとなってしまい電圧の許容範囲を超えてしまいます。そこでLi-ionでは3.7Vのセルを3個とし、11.1Vに仕上げているのです。

セルの種類の違い、個数の違いが重量の差となって現れます。同じ規格(12V/100A)のバッテリーでも自重に違いがあるのはそのため。一般的にLiFePO4のバッテリーの方が重くなります。

そして、同じ12V表記のバッテリーでも電圧に違いがあることを知っておくと良いでしょう。制御を加えれば別ですが、セル自体の持つ電圧としては、LiFePO4は12V「強」、Li-ionは12V「弱」となります。電圧の差はエレキのスピードの差にも表れてきます。

そしてもちろん価格の違いもあります。LiFePO4の方が高いです。

**********

いかがだったでしょう?LiFePO4とLi-ionの違いがおわかりいただけたでしょうか。リチウムバッテリーと一括りにせず、まずはLiFePO4とLi-ionの2種類があることを知って下さい。そしてそれぞれの特性を理解してご自分に合ったものをセレクトするようにして下さい。

安全性を重視するのであれば絶対にLiFePO4を選ぶべきでしょう。
ですが、元々リチウムバッテリーの良さって「軽さ」のはずですよね。15kgと7kg。実際に持ってみると全然違います。15kgは軽いなんて思えません(ちなみに12V/60AのLi-ionなんてメチャ軽のたった5kgです)。あえて軽さを重視してLi-ionを選択するなんていうのも全然アリだと思います。人それぞれのスタイルで選べばいいと思います。

200721-7.jpg

200721-8.jpg

そして何より大事なこと。購入の際に間違わないこと。LiFePO4を選んだつもりがただのLi-ionをポチってしまう人、割と多いみたいですよ。

(つづく)

gill-bandocraw.jpg
nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。