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ファットイカの核心へ・2 [ゲーリーヤマモト]

ファットイカのスライドフォールに関して、おそらく多くの人が想像するのはこのような軌跡でしょう。

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しかし実際にテストタンクで実験すると、次のような軌跡を辿ります。

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着水直後はスライドしていくものの、それが失速するにつれ徐々に下方向へと沈んでいくようになるのです。

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特に、超後方重心にデザインしてあるような製品は大したスライドフォールをするわけでもなく、着水直後から下方向に沈んでいってしまうものもあります。

これらの内容は透明度の高いフィールドで試していただければよくわかることですし、水槽実験の結果を掲載した雑誌の記事も過去にありました。

が、これらの内容は実戦上で発生する、とある要素を加味していません。もう1つ、スライドフォールにはとても重要な要素があるのです。

それは「勢い」、つまり着水時にルアーが有している「初速」なのです。「ファットイカは足元に落とすと大してスライドフォールしないように思えるけれど、実際に使うと伸びていくような気がする」それは気のせいではありません。

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着水時にサミングするとはいえ、自重のあるファットイカをピッチングで撃った際、着水時には結構なスピードが備わっています。しかも低弾道で撃てば撃つほど、ファットイカはほぼ水平姿勢で着水する。ファットイカがミサイルのように水面に対して斜め方向に撃ち込まれることになるわけです。

当然、水中へもその勢いが持ち込まれることとなります。高比重であるファットイカはそのままの勢いで水中を突き進む。ましてや水の抵抗を受けて失速させるようなパーツもない。そしてこれこそが、ファットイカのスライドフォールの主要素とも言えるものです。

着水時に初速を伴い、その勢いを殺さず水中に伸びていくこと。書くと何てことはないようですが、これに秀でたワームというのは自重、重心、フォルム、抵抗の低さ、そして高比重であること。これらのどれが欠けてもいけません。ファットイカはそのいずれをも満たしているのです。

(つづく)

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