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ファットイカの核心へ [ゲーリーヤマモト]

既に発売開始から12年も経ったファットイカ。しかし今でもその圧倒的な支持を得られているのは大変嬉しく思っています。

ファットイカの人気に続けとばかりに、バックスライド性能をうたった多くの後続品が市場に多数出回りました。けれども、その多くは支持を得ることが出来なかった。ファットイカには確かにゲーリーマテリアルの優位性はある。けれども模倣品の多くはスライドフォールの本質を掴んではいなかったのです。

この点に関しては、実は多くのアングラーもまた誤解しているケースがほとんどです。ただ、誤解していようと理解していようと関係なく魚は釣れてしまう。それくらいファットイカは優秀だということです。

【後方重心の誤解】

多くの人がファットイカの形状を誤解しています。ササッと絵を描いてもらえればすぐにわかる。たまに雑誌などでもこのようなイラストが用いられている場合があります。

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果たしてファットイカは本当にこのような形状をしているでしょうか?よく見ていきましょう。

ファットイカには私の知る限り4種類あります。ご存知でしたか?

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発売当初のファットイカは実は2種類ありました。ボディテーパーがそれぞれ異なっているのがわかります。末端の切断面の面積も異なる。初代A(写真上#015)は後方重心どころかむしろ前方にボディテーパーのピークポイントがあるのがわかります。初代B(写真下#177)はボディテーパーのピークポイントこそやや後方ですが、それとて完全な後方には位置していません。

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そして現在も若干数が流通している二代目は、初代と比較して全体的にややスリムになっているのがわかります。特にフラスカート側のフォルムがギュッと絞られて、結果後方重心になっているのがわかります。

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最新の三代目はボディーフォルムは二代目と同じ。GYBの刻印文字が本体に入っています。これは現在普通に流通しているものです。

さて、これだけ形状の異なるファットイカですが、これまで果たしてそのスライドフォール性能の差異が話題になったことがあったでしょうか?少なくとも私は感じたことはないし、聞いたこともない。

ファットイカは一般的に連想されるような超後方重心のボディーシェイプではないし、ましてや後方重心フォルムが決定的なスライドフォールのキモというわけではないということです。

スライドフォールに関しては後方重心過ぎてはいけないのです。後方重心過ぎると下方向にストーンと落ちていきやすくなります。本当にスライドフォールの距離を伸ばしたいというのなら極力ワームの沈下姿勢を水平近くに維持するのが理想です。そのために釣り人側も、ラインを「張らず緩めず」の状態で送り出してやる必要があるわけですが、ワーム自体も水平姿勢を維持しやすいフォルムである必要性があるのです。そのための形状は決して超後方重心フォルムではありません。

ではファットイカのスライドフォール性能は一体どこから生み出されるのでしょうか?

(つづく)

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