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黒ちゃんリグ [マイオリジナル]

ほんの一時期ですが、河口湖でもディープのクランキングが注目を浴びたことがあります。とはいえ、完成されたディープクランクがあったわけではなく、キャロライナリグでの使用といったところでした。河口湖の場合は魚のレギュラーサイズ的にも大型プラグはマッチしませんでしたし、何より求められる深度が時には7~8mにも達したため並のプラグでは攻略不能だったのです。

この釣り方は非常に難易度が高かったものの、それゆえに他に同じような釣り方をする人間とバッティングすることがありません。爆発力も備えており、過去にJBジャパンスーパーバスクラシックを制した桂川到プロ、ワールド野尻湖戦を制したSHINGOプロもクランキンキャロを駆使しての勝利だったと記憶しています。

かくいう私も、実はクランキンキャロの使い手でした。とはいえ、トーナメントに実戦投入なんていう格好いいものではなく、中学生時代の事です。バスは沖にも居るはずだと思い込んでいた私は日中になると、ラパラのF9をナツメオモリのキャロライナリグで沖に向かって遠投していたのでした。しかしそれでちゃんとバスを釣りましたし、豊島園のレインボーまで釣っていました。しかもその釣り方を雑誌「TACKLE BOX」に投稿したところ見事に採用、掲載されたのでした。だからある意味、私はクランキンキャロの元祖?なのです。

しかし、クランキンキャロはシステム自体がどうもスマートではなく、キャスト時の糸絡み等、まだ完成域にあるものとは思えませんでした。早急にメーカー製の既製品が登場が待たれましたが、そうこうしているうちにディープへの注目が薄れ、現在に至ります。

以前記したシンキングクランクもこうした背景のもとに開発を進めていましたが途中でJBルールが改訂され、長距離のドラッギングが出来なくなったり、着水後にリールから手でラインを出せなくなる(=リールのスプールからラインを引き出すだけの自重がルアーに求められた)など、開発の難易度はたやすいものとは言えない状態でした。

そんな折、スミス契約プロの黒沢孝さんにBasser誌の取材の話が舞い込んできました。テーマは「ディープ」。黒沢さん自身はどちらかといえばシャローマンなので、取材依頼が来たのはいいが、このテーマにはちょっと困惑してしまったようでした。取材地は確か山中湖であったと記憶していますがなかなか本人の思うようにはいかず、苦労したと耳にしていました。

しかし、出来上がってきた記事の中には彼が独自にチューンアップした、ディープ攻略用プラグの姿があったのです。彼との親交がある私でさえ、誌面で初めて目にしました。こんな隠し玉を持っていたとは・・・。

ベースモデルは、エリアトラウト用のクランクベイト「カミオンSR」。ベリーのフックを取り去り、その代わりにダウンショットリグ用のタングステンシンカーをセットしたものです。

う~む、これは盲点でした。プラグ自体にウェイトを仕込もうとするとどうしても泳ぎがガクガクと縦泳ぎしてしまったり、バランス良くは泳がないものです。しかし、この方式ならば泳ぎ自体は多少弱くはなってしまうもののバランスを崩すことはない。ディープへも、問題なく送り込める。しかも、扱いやすい。さすがはワールドプロ、自分の苦手な部分もきっちりと試行錯誤していたようです。

このリグ、実際に使ってみるとディープエリアのバスは言うに及ばず、川で使うのにもいいし、エリアトラウトで遠投して使うのも非常に効果的です。もしかしたらチヌにもいいかもしれませんね。もし流行ったとしたら「Mリグ」のように、発案者のイニシャルを取ってKリグ・・・?でもそれじゃMリグと紛らわしいから、思い切って「黒ちゃんリグ」と命名しましょう!


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