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スパイニークローラー、11年目の廃盤 [スミスルアー]

自分がルアーのデザインを進めていく中で重視していることがあります。それは独創性を有している事。そしてその独創性というのが単なる飾りではなく釣るための機能を有している事です。

2010年に発売したスパイニークローラー。この製品は自分の中でも会心の一作となりました。独創性があり、それが機能に繋がっているという点でも非常に満足しています。初めてそのプロトを手にした瞬間の「これだ!」という感覚、フィールドで投げたその一投目で鳥肌が立つような感覚があったのを今でもよく覚えています。

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2009年に発売したカクータスに端を発した、ボディー全体を細かい毛で覆うというボディーハックルデザイン。水面に浮くワームは風波の影響で流されやすく、定位性を上げることでその点を改善させるためのものでした。カクータスの威力によってボディーハックルがもたらす「毛ヂカラ」に確信を深めていた自分はそれをストレートワームにも採用することにしたのです。そうして生まれたのがスパイニークローラーでした。

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私自身がマッディーシャロー育ちということもあってか、スパイニークローラーは水深の浅い場所で高い効果を発揮するワームに仕上がりました。強い水押しを伴いながらフォールするためにフォールスピードが遅く、またボトムコンタクトの感覚が柔らかくなるため深い場所を釣るには向きません。それであればスワンプクローラーの方がいいというのは私自身も認めるところです。

ですが、水深3mを切るような場所であればスパイニークローラーは同サイズのストレートワームの中でも抜きん出て良く釣れる。水深の浅い場所でも水を押しながらドロリとスローフォールするので魚が気付きやすく、フォール中のバイトも多い。ボトム着底後に動かす際にも大きく水をまといながらボワンボワンと動くのでこれまた魚に気付かれやすく、バイトも深く出る傾向があります。要はじっくりと誘って喰わすタイプのワームなのです。

そしてその効果というのは発売から10年以上が経過した今なお変わることはありません。特に水郷エリアでは現在も私の中で超一軍の頼れる存在となっています。

しかし発売から10年以上も経過をするとセールス的には一部の販売店を除いてほとんど停滞してしまっていました。次々と発売される新製品ばかりが注目されてしまう今の日本の市場ではそれも致し方のないことです。ですので今年のカタログよりスパイニークローラーを廃盤としました。

スパイニークローラーが入手できなくなってしまうと困ってしまうバスアングラーの代表は間違いなく私でしょう。とりあえず自分で使う分としては手元にあと5年分位あるかな?私と同じくスパイニークローラーを必要としている方は今のうちに市場在庫の確保をお願いします。

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