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ワカサギ、スズキに見る放射性物質汚染状況 [放射能汚染]

本日、水産庁より最新の「水産物の放射性物質の調査結果」が発表されました。定期的に調査結果が公表されているものです。全体的に、事故直後に比べればだいぶ検出値が落ち着いてきているようにも見えますが、よく検証してみると楽観視できない部分があるのもわかります。

福島原発の事故に端を発する各地の放射能汚染は、間もなく2年が経とうとしている現在、その明暗が分かれてきています。河川、流出のある湖などは徐々に検出値が下がりました。一方、湖水が滞留する湖ではなかなか状況が改善しない場所もまだあります。

例えば、各地のワカサギの最新の検査結果は以下のようになります。なお、ワカサギは基本的には一年魚なので世代交代してもなお魚自体が汚染され続けているということになります。
2/13 秋元湖 41bq/kg
2/1 榛名湖 340bq/kg
1/30 小野川湖 76bq/kg
1/31 山中湖 11bq/kg
1/31 河口湖、精進湖 検出値未満
1/25 釜房湖(宮城県) 6.0bq/kg
1/16 桧原湖 9.9bq/kg
1/10 赤城大沼 180bq/kg
1/10 照月湖(群馬県) 検出値未満


例えば群馬県の赤城大沼。ここでは依然として180bq/kgものセシウムがワカサギから検出されています。そのため、現在では釣ったワカサギを持ち帰ることが出来ない。赤城大沼はH23.8.29の調査では640bq/kgでした。一年前H24.1.10は591bq/kg。それらの数値と比べればだいぶ数値が下がったともいえるのですが、依然として暫定基準値の100bq/kgを上回ってしまっています。

一方、福島県の桧原湖はH23.5.13には870bq/kgもありましたが、現在では9.9bq/kgにまで下がりました。小野川湖は依然として数値が気になるレベルですが、桧原湖の水が流れていく先が小野川湖であることも関係しているのかもしれません。

そして北関東で最も状況が悪いのは赤城大沼だとばかり思われていましたが、ここにきてさらに状況が酷い湖があることがわかりました。群馬県の榛名湖です。位置的にその汚染は誰もが予想していたとは思うのですが、検査に必要なワカサギが採取出来ずに、これまでその汚染状況が公になっていなかったものです。それが今年の2/1の検査にて340bq/kgもの放射性物質がワカサギから検出されるに至りました。赤城大沼の倍近い数値です。元々ワカサギの個体数自体が極めて少ないようではありますが、ここもその収束にはまだ時間が掛かると思われます。

海で気になるのはスズキです。スズキの場合、検査結果を見るとその個体差が非常に大きい魚であることがわかります。同じような時期、場所で採取された魚でもまるっきり検査結果が違う場合があります。しかしここにきて、茨城県沖~銚子沖にかけてのスズキに、高濃度汚染されている個体が目立ってきています。

2/18 銚子沖 180bq/kg
1/31 神栖市沖 85bq/kg
1/31 大洗沖 40bq/kg
1/31 日立市沖 120bq/kg
1/24 日立市沖 54bq/kg
1/24 鹿嶋市沖 40bq/kg


2/18に銚子沖のスズキから180bq/kgが検出されたというのは、関東近郊のスズキとしてはこれまでになく突出して高い数値です。この海域では、H24.10~12月には暫定基準値オーバーは見られませんでした。

これは一体どういうことなのか?茨城沖~銚子沖にかけて、スズキ以外の魚種でここまで汚染が目立っているような魚種は見当たりません。ただ、その要因は過去の調査結果を辿っていくとおぼろげながら見えてきます。秋の調査においては、福島や宮城で高濃度汚染されたスズキが何回か検出されています。おそらくはこうした個体が南下してきたものではないかと推測されます。いずれにせよ、この海域で採取されるスズキはしばらく注意を要するでしょう。

2年近く経ってなお、放射能汚染は消えていません。もう食べても大丈夫・・・かどうかは、各自が慎重に判断するしかありません。ちなみに私は食べません。人には強要しませんが食べないです。安全なのかどうかははっきりいってわからない。わからないなら避けておくのが無難だと考えるからです。

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