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500 --> 100・6 [放射能汚染]

まもなく4月1日となります。エイプリルフールであるとか新年度だとか色々あるかもしれませんが、2012年4月1日は特別な日です。食品に関する放射性物質の新暫定基準値が施行される日でもあるからです。

この日を迎えるにあたり、内水面の各漁協はさぞや大変だったと思います。何せ、ギリギリのタイミングで県からの指示が出たりしたからです。福島県が漁協に出した採捕自粛要請は、3月28日でした。4月1日が解禁予定日だったわけで、あまりにもギリギリ過ぎる。中には昨年までは問題ない検出値だったはずなのに、3月半ばに採取した検体から100Bq/kg超の結果が出てしまったために解禁出来ない事態に見舞われた川もある。関係者は「まさか」の思いだったのではないでしょうか。

年末頃から、福島県の空気中の線量がやたらと高かった(昨年の4月並)状態が続いていたため、雪解けや湖の解氷と共に水域内の放射線量が上昇することを心配していましたが、どうやら私の悪い予測が当たってしまっているのかもしれません。

ちなみに河川のみならず、バスアングラーにも馴染み深い裏磐梯の湖(桧原湖、秋元湖、小野川湖、各流入河川含む)においても、ヤマメ、イワナ、ウグイの採捕制限が出ています。詳細 当然の事ながらこの採捕自粛要請が出ている限り、バスを狙っていてこれらの魚種を釣ってしまっても、持ち帰ることは出来ません。

一方、茨城県の海域では漁連の自主規制(50Bq/kg)により漁、そして遊漁船にも影響が出ています。

「釣った魚を食卓に」という釣り師の楽しみは奪われた。そればかりか、海も、川も、湖も、釣りが出来る場所が次々と失われているという信じがたい現実。この悪夢、私が生きているうちに終わるのだろうか。

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500 --> 100・5 [放射能汚染]

既にこのブログでも記した通り、栃木県では多くの河川や湖沼で釣りが出来ないという事態に陥っています。これは4月から食品に含まれる放射性物質の暫定規制値がこれまでの500Bq/kgから100Bq/kgへと変更されるため。つまり100Bq/kg超のセシウムが魚類から検出された河川は、県から釣り自粛の要請が各漁協に出ているため解禁をすることが出来ないのです。

私自身は食品に関する基準が厳しい事に関してはむしろ肯定的です。専門家の間でさえ色々な見解があるようだけれど、人の健康に悪影響を及ぼすかもしれないものである以上、安全策を講じておくのが無難だと思うからです。しかし、渓流釣りには厳しい事態となりました。

一方、群馬県においてはキャッチ&リリースの順守を条件として3月に河川が解禁されていました。栃木もそうであれば良いのに・・・と思っていたのですが、ここにきて事態が悪い方向へと転じてしまいました。4月を目前にして栃木県同様に、県からの釣り自粛要請が出てしまったのです。

対象は栃木同様に、検体から100Bq/kg超のセシウムが検出された河川・湖沼となります。但し検査自体があまり進んでおらず、未検査の河川・湖沼においても釣った魚の持ち帰りは出来なくなりました。

栃木ではキャッチ&リリースを条件として釣りをさせてもらいたいという署名運動も拡がりを見せているようですが、状況は悪い方向へと転じてしまっているのが現状です。

こんなことになるなんて、2年前は誰も思ってもみなかった。これから始まるアユ釣りはどうなる?冬のワカサギは?2年後に汚染のピークを迎えるという東京湾の海釣りはどうなってしまうのか?

以前、バスが外来法の対象にされそうになっていた時、結果はともかく多くのパブリックコメントが集まりました。その中には、バス以外の釣り人も多く協力してくれたのです。ですから私は、この問題に関してはバスアングラーにも関心を持っていただき、必要とあれば協力することで過去の恩を返すべきだと思っています。事態はまだまだ流動的で、この先どうなっていくのかわかりません。3回連続で基準値を下回れば自粛要請も解除されますがそれがいつのことになるのかは予測が付かない。この先数年間、釣りが出来なくなってしまう場所もあるかもしれない。その時、釣り人はどうするべきなのか?大きな力が必要になる時が来るような気がしています。

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500 --> 100・4 [放射能汚染]

日光の中禅寺湖といえば、日本のルアー・フライ史を語る上で欠かすことの出来ない湖です。日本のルアーフィッシングは湖のトラウトフィッシングからスタートしたという背景があり、銀山湖、芦ノ湖、中禅寺湖というのはまさしく聖地とも呼べるフィールドでした。

一時期、魚が釣れないという話が多かった中禅寺湖ですが、ここ数年はホンマス、ニジマス、レイクトラウトといった魚種がよく釣れ、フィールドの魅力も復活してきているように思えました。

が、その中禅寺湖もセシウム汚染により今季の解禁が延期となりました。
ニジマス 168.9Bq/kg
ブラウン 280.0Bq/kg
ヒメマス 195.7Bq/kg
いずれも高い数値ですが、特に魚食性が高く、且つ底付近に居ることの多いブラウントラウトは数値が高い事がわかります。


解禁延期というといずれ解禁できそうな響きではありますが、実際には3回連続で100Bq/kgを下回る検査結果が出なくては解禁することは出来ません。ハードルとしてはかなり厳しい。ですので延期というよりは、解禁見送りという表現の方が合っている気がします。下手をすると今年一杯、或いはそれ以降も解禁することが出来ない可能性も充分あるのですから。

何とも厳しい時代になってしまいました。今現在、そして未来を見据えて、大事な事が3つあります。

【汚染された魚を食べないこと】

100Bq/kg超は法的な基準値であってそれを口にしないというのは当然の事ですが、かといって98Bq/kgが安全というわけではありません。人体への放射線の影響は専門家でも意見が割れているのですから現時点で一般の人が正しく判断できるわけがありません。何が正しいのかを議論することさえも無駄なことです。議論の果てに得られた結論が正しい保証はないからです。
ただ、5年後以降に徐々に結果がわかってくるというのなら、少なくとも5年間は安全策を取るというのが現時点では最も間違いがないと自分は考えています。


【検査結果の正確性】

例えば今回の中禅寺湖の検体は僅か3尾(ニジマス1、ヒメマス1、ブラウン1)に過ぎません。これはいくら何でも少な過ぎる。もしその検体が放流後間もない魚だったりしたら正しい数値は出ません。そして釣りをする人ならばわかるはずです。同じ水域内でも水が澱むような場所もあれば湖流の強く当たる場所もある。湖底泥の放射線量にも差異があります。その気になれば、意図的に「値が低いであろう」検体を選定することも出来てしまう。もしも将来そのようなケースが出た場合は検査結果の信憑性がなくなり、社会的な不安を生む結果に繋がります。
検体はもっと多く、そして湖の各所から採捕し、その平均値を計測するべきです。情報というのは、現状を正しく伝えなくてはいけません。


【未来を見据えた暫定措置の必要性】

釣った魚を食す目的要素が強いワカサギ、アユ釣りはかなり厳しい状況に陥る可能性が濃厚です。そうなると漁協、ボート屋、釣具販売、周辺の宿泊施設も大きな打撃を被ります。人が来なくなり、収入もなくなれば魚の放流もしなくなります。そうなると川や湖まで死んでしまいます。一度こうなってしまうとその後の立て直しはかなりきついものとなります。だから最低限の収入源は確保しなければいけません。
頼みの綱は間違いなくトラウトのルアー・フライです。キャッチ&リリース厳守を前提にして釣り自体を許可することが最悪の結果から逃れる唯一の策です。漁協も何もなくなってしまったら釣り場を立て直すことが出来ません。釣り場の未来がなくなるということです。


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500 --> 100 ・2 [放射能汚染]

やはり北関東の渓流釣りには厳しい現実が待ち受けていました。昨日もお伝えした通り、4月1日以降は食品に関する放射性セシウムの基準値がこれまでの500ベクレル/kgから100ベクレル/kgに変更となります。これを受けて、3月に解禁を予定していた地区では2/20~24にかけて渓流魚の放射性物質の検出試験が行われていました。

結果、那珂川のヤマメで202.7ベクレル/kg、箒川のヤマメ155.7ベクレル/kg、荒川のヤマメ224.9ベクレル/kg、西荒川のヤマメ185.5ベクレル/kg、小百川ヤマメ215.7ベクレル/kg。小百川のイワナ269.0ベクレル/kgが検出されました。

そして栃木県から漁協への解禁延期の要請がなされ、那珂川本支流(武茂川本支流を除く)と鬼怒川本支流(未調査の一部を除く)、東古屋湖で、解禁が延期されることとなりました。栃木のメジャー河川は軒並みアウトという非常事態です。但し、一部キャッチ&リリース区間においては4月より解禁する場所もあります(キャッチ&リリース前提であるので、魚を食すると考えられないため)。

まだ情報がありませんが、群馬、福島も同じような状況となっておかしくありません。場合によってはそれ以外の地域であっても釣り自粛の河川が出るかもしれません。状況が改善しないようであればこのまま解禁自体もなされず、アユ釣りが出来なくなる恐れもあります。

果たしてその間、収入が断たれる状況で各漁協は持ちこたえることが出来るのか?持ちこたえたとしても経済状況が悪いとなれば魚の放流数もそれに比例し少なくなり、結果として釣り人が来なくなり、という負のスパイラルに陥る可能性もある。

え~と・・・物凄く浅はかな考えなのかもしれませんが、対象河川については今シーズンは全域キャッチ&リリース区間にするとか、出来ないものでしょうかね?そうすれば経済的な損失は最小限で食い止められるとも思うのですが。

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500 --> 100 [放射能汚染]

本日、厚生労働省の審議会において4月1日からの放射性物質に関する新規制値適用が正式に決定しました。食品に関するもので、これには魚類も含まれます。具体的にはこれまでの暫定規制値500ベクレル/kgが100ベクレル/kgに変更となります。

震災後に日本が決めた暫定規制値の500ベクレル/kgという数値は、国際的に見てもありえないほど緩い数値で、海外や専門家の間からも強い批難を浴びていましたから、むしろ今回の新規制値への移行は「遅すぎる!」と自分は思っています。何はともあれ、食品の安全基準が引き上げられたということは万全ではないにせよ、安心感は増します。

但し、農業、水産業を営む方にとってはハードルがさらに引き上げられたと言っていい。とはいえ人間が生きていくのに不可欠な「食」に関わる問題であり、将来的に病気で苦しむ人間を生む可能性を秘めているわけですから、安全性を最優先して考えていかねばなりません。

この問題は釣り業界にも多大な影響を及ぼすこと必至です。検体が暫定規制値500ベクレル/kgを超えていた湖沼や河川ではワカサギやアユ、ヤマメといった魚種の釣りを自粛するよう、県から漁協に通達が出されていました。ワカサギの解禁が見送られるケースもあった。これを解除するには3回連続で規制値を下回る調査結果が出なくてはならない。

それでも、500ベクレル/kgを超えるケースというのは限られた河川や湖沼に留まっていました。

でもこれが100ベクレル/kgになると、該当する河川や湖沼は一気に増えます。福島及び、北関東方面にはかなり厳しい現実が待っていると予想しています。自分もこの業界で働いている以上、決して他人事でない。とても複雑な気分です。

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測ってガイガー! [放射能汚染]

既にほとんどの人が知っている事ではありますが、福島原発から遠く離れているはずの関東平野にも放射線量の高いホットスポットがあります。柏、流山、松戸といった葛飾地区が知られていますが、霞ヶ浦水系でバス釣りをする人にとっては霞ヶ浦西浦の阿見や美浦エリアが気になるところではあります。魚を食べるのでないのなら内部被爆を恐れることはないと思いますが、それでも、自分がよく行くポイントの放射線量はどうなんだろう?と考える人は多いと思います。

そんな方の参考になりそうなサイトがこちらの測ってガイガー!ガイガーカウンターを所有されているボランティアの人がリクエストに応じて放射線量を測定してくれているようです。測定地点も比較的多いので参考になると思います。

ところで、先日放送されたNHK番組の中で、江戸川の河口より8km上流地点の底泥を調査し、1600超ベクレルもの放射線が計測されていました。原発半径20km圏内と同等水準の高い放射線量だそうです(だからあれほど、江戸川のテナガエビは食べない方が良いと言ったのに、Nさん!)。

陸上の放射線測定に関しても、当初は測定位置がまちまちだったために正しい比較データとなりませんでした。高い地上高で測定したところで正しい検出値なんて出なかったからです。放射線量は地表付近が最も高いのだから。それと同様に、水域内の放射線量を測定するのであれば、水面~中層の水を採取するだけでは不充分ではないでしょうか。万全を期すのであれば、湖底の泥を採取して測定するべきでしょう。

12月6日の時点で、霞ヶ浦産のワカサギからは67ベクレルのセシウムが検出されています。とはいえ赤城大沼(440ベクレル)や桧原湖(270ベクレル)に較べて随分と低い値です。でもこのワカサギ、広い霞ヶ浦のどこで採取されたものなんでしょうか。西浦と東浦では陸上の放射線量も随分違う。

あまり書きたくはないことだけれど、近隣市町村の生活廃水や付近で降った雨水が流れ込み、且つ、西側の湖岸はホットスポットに入っている。果たして、霞ヶ浦の湖底にはホットスポットはないんだろうか?

そんな事を知ってどうする?という意見もあるかもしれないけれど、霞ヶ浦で釣ったワカサギやテナガエビを食べるという人もいるし、マリンジェットやウェイクボードを楽しむ人達は霞ヶ浦の湖水にドップリと浸かっている。江戸川の汚染泥だって、もっと早くわかっていればテナガエビやハゼを食べる人もいなかっただろうと思うのです。

自分は、現実を知りたいと思う。いっそ「測ってガイガー!」に要望出しちゃうか?!でも湖底の泥までは、無理だよねぇ。

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東日本の釣りは・・・ [放射能汚染]

8月のブログの記事で私はこんな事を書いていました。内水面のワカサギやアユ、ヤマメなどから高濃度の放射線が検出された折、チェルノブイリ事故の前例を調べた結果わかったことでした。汚染された内水面の閉鎖水域は放射線量が長期に渡りほとんど減る事がない。放射性物質は小魚から徐々に魚食性の高い大型魚へと移行する。

原発事故後、関東でも降雨に混じって放射性物質が降り注ぎ、その直後に金町浄水場から高濃度の放射性物質が検出された。果ては水道水までもが汚染され、スーパーからミネラルウォーターが品切れる事態に発展した。

この時点でもうわかっていたはずです。水が流れていく先に放射性物質が溜まるのだと。ホットスポットである葛飾地区を流れる江戸川なんてもっと重要視しておくべきではなかったか。

魚を獲った(釣った)人がそれをどうしようと自由です。でも私は東京湾や福島~茨城の魚介類は食べようとは思わない。川魚、湖の魚も同様です。人に自分の考えを強要するつもりはありませんが、それでも身近な人には心配の一心から「止めておきな」と進言してきたつもり。すると大概返って来る答えは「神経質過ぎ」「そんな事言ってたら何も食べるものがなくなっちゃうよ」「風評被害でしょ」。中には「20年後はもう爺さんだから、ガンになってもいいよ」なんていう人もいた。そんな回答が返って来るとさすがに私もそれ以上は何も言いませんでしたが。

先日、NHKで放送された番組が釣り業界でも相当な波紋を広げています。いや、正しくは、その番組が報じた放射性物質の深刻な汚染状況の実態が波紋を広げている。もっとも、バス害魚論が盛んに取り沙汰されていた頃にはその偏った報道内容に憤りを感じた人が多いでしょうから必ずしも報道内容だけを鵜呑みにするのは危険なのかもしれませんが、それでも1つの判断材料の提示はされたといえる。

シリーズ原発危機 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~
午前0時15分~1時04分 総合 (18日深夜) 再放送があります。


放射性物質が云々などと、専門家でもない私が書くと大概お叱りの意見を頂戴することになるのですが、とりあえず関東の方は特に見ておくと良いと思います。その後の判断は各自の問題ですから。

報道内容が事実となれば、釣り業界も相当なダメージを負う可能性がありそうです。

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ホットスポット [放射能汚染]

ホットスポット。ルアーの名前っぽいけど、そうではありません。

福島原発が事故を起こしてから、周辺の放射能汚染のみならず、関東一円においてもホットスポットと呼ばれる、部分的に放射線量の多い汚染地域が存在すると言われてきました。

ちなみに私が住んでいるのは埼玉県の南東部。葛飾地域はホットスポットの代表のように言われてきました。もしかしたら自分の居住区もホットスポットに入っているかもしれない・・・そんな微妙な位置にあるので、ずっと気になっていました。

その汚染状況は大学教授や専門家の人などが自主的に作成・公開していたものもありますが、ここにきて文部科学省による県別の汚染状況(航空機モニタリング)も公開されてきています。そして昨日、埼玉県・千葉県の汚染状況が発表された。 http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf

正直言って、政府の発表する情報を鵜呑みに出来ないことは皮肉にも今回の震災・原発事故によって痛感することとなりましたが、この汚染状況マップによれば、私の住んでいる市はホットスポットに隣接してはいたけれども、辛うじて放射線量の高い区域には入っていませんでした。しかし隣接する市はやはり土壌の放射線量が高いようで、頻繁にこの区域に出入りする自分としては何とも複雑な気分です。

また一方で、埼玉西端にあたる秩父方面の放射線量が高いことに驚きました。

千葉県ではやはり、以前からホットスポットの代表のように言われていた柏市、流山市あたりがズバ抜けて放射線量が高いようです。

また8月末には茨城県の汚染状況が発表されていました。 http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1940/2011/08/1940_0831.pdf

茨城県の場合は、福島県に隣接する県北はやはり放射線量が高いだろうということはおおよそ予想できる範囲内でしたが、意外なホットスポットは阿見町、そして牛久市の一部と取手市の一部が挙げられそうです。釣り人目線の話になってしまいますが、霞ヶ浦では東岸よりも西岸の方が放射線量が高いということがわかります。

それにしても、今頃になってこんな調査結果の発表。遅すぎるとしか言いようがない。

数ヶ月前、原発事故の話題でたまたま村田基さんと話をする機会がありました。震災の際に村田さんは日本にいなかったのですが、海外のメディアでは事故後すぐに日本の放射能の拡散状況が詳細に報道されていたそうです。帰国後、日本ではそうした報道が全くなされていなかったことに驚いたそうです。まぁ、当初等芯円の半径で避難区域を決めていたほどですからね・・・

もっとも、もし自分の居住区が放射線量の高い区域に入ってしまったとしても、果たして自宅やマンションを手放すことが出来るだろうか?持ち家でなく賃貸住宅であったとしても、思い切って引越しすることが出来るだろうか?

目に見えない、そしてただちには健康に悪影響を及ぼさない。周りの人達もこれまで通りの生活を送っている。この状況で危機感を感じろという方が難しいのかもしれない。でも、将来にわたって安全だという保証はどこにもない。真実は1つであるはずなのに、専門家の意見さえも割れており何が事実なのかが見えてこない。

なんて厄介な事故が起きてしまったんだろう。

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淡水魚に未来はあるか? [放射能汚染]

8月下旬の調査において、群馬県赤城大沼のワカサギから基準値を超える放射性物質が検出されました。これにより、群馬県内のワカサギはその安全性が確認されるまで解禁を見送るよう県からの要請があったとの事です。これまでにも淡水魚では、桧原湖のワカサギや阿武隈川水系のアユやヤマメから高濃度の放射性物質が検出されています。もちろん大量の放射性物質を海にたれ流したわけですから海の汚染も深刻です。しかし淡水魚も例外ではなかった。むしろ淡水魚の方が危険だとする専門家の人もいる。

ニュースでは、暫定基準値(500ベクレル/kg)を超えたケースしか報道がされませんが、釣り人ならば、他のフィールド・魚種の被爆度合はどうなんだろうと気になるところではないでしょうか。実は水産庁のHPで検査結果が公開されています(PDFファイル)。

主な淡水魚の最新データを抜粋して以下に挙げてみます。単位はベクレル/kg。検出されている物質はセシウムです。ヨウ素も検査されていますが半減期をとうに過ぎているので問題視される検出量のものはないようです。

8/29 ワカサギ 群馬県赤城大沼 640
8/24 ヤマメ 山形県月布川 4.4
8/24 ヤマメ 福島県養殖場 検出限界未満
8/24 コクチバス 福島県会津若松 93
8/24 ギンブナ 福島県美里町 75
8/24 ウグイ 福島県美里町 63
8/24 ヤマメ 福島県喜多方市 検出限界未満
8/24 ギンブナ 福島県喜多方市 95
8/24 ウグイ 福島県喜多方市 86
8/24 アユ 福島県喜多方市 77
8/24 ヤマメ 福島県西会津町 検出限界未満
8/24 ニゴイ 福島県西会津町 110
8/24 ウグイ 福島県西会津町 135
8/24 ワカサギ 福島県桧原湖 390
8/24 アユ 福島県いわき市 検出限界未満
8/18 アユ 静岡県静岡市 2
8/17 アユ 栃木県宇都宮市 146
8/17 アユ 栃木県小山市 73
8/17 アユ 栃木県那珂川町 360
8/17 アユ 栃木県茂木町 136
8/16 ニジマス 福島県只見町養殖場 7.2
8/16 イワナ 福島県養殖場 検出限界未満
8/10 アユ 宮城県白石川 85
8/10 ニジマス 静岡県富士宮市養殖場 検出限界未満
8/10 アユ 静岡県浜松市 5
8/10 アユ 静岡県狩野川 15
8/10 コイ 福島県郡山市養殖場 59
8/10 ヒメマス 福島県沼沢湖 121
8/10 ヤマメ 福島県いわき市 160
8/10 アユ 福島県いわき市 18.5
8/10 アユ 福島県南相馬市 1770


群馬のワカサギは初検査でいきなり高い数値が検出されたようです。会津若松市のスモールマウスバスは93。少なからず影響は受けているようです。桧原湖のワカサギは最新検査では暫定基準値を下回っているものの、8/16の検査では600ベクレル/kgを記録しているので楽観できる状況にありません。福島県内でも、養殖魚に関してはほぼ問題はないようです。そして南相馬市のアユはとんでもない検査結果になっています。まさしく桁違い。栃木のアユも基準値未満とはいえ、ちょっと気になる数値です。

以下は気になる箇所のみ抜粋

8/9 ワカサギ 茨城県北浦 45
8/9 ワカサギ 茨城県西浦(霞ヶ浦) 93


霞ヶ浦水系の被爆度合は気になるところですが、ワカサギから少量のセシウムが検出されています。

7/28 ヒメマス 神奈川県芦ノ湖 57
7/28 ニジマス 神奈川県芦ノ湖 検出限界未満
7/28 ワカサギ 神奈川県芦ノ湖 71
 

神奈川県での検出結果はこの程度。

6/29 コクチバス 福島県秋元湖 330
6/29 ウチダザリガニ 福島県秋元湖 207
6/9 ヤマメ 福島県秋元湖 670


秋元湖ではワカサギについてはさほど高い数値が検出されなかったようですが、6月に採取されたヤマメは暫定基準値超でした。スモールマウスバスの検査結果も少し気になる数値です。

5/26 アユ 埼玉県深谷市荒川 52.6
  5/26 アユ 埼玉県朝霞市荒川 85.2
5/26 アユ 東京都あきる野市秋川 59
5/26 アユ 東京都稲城市 多摩川 175


東京、埼玉のアユでも少なからずセシウムが検出されていました。

なお、暫定基準値は1kgあたり500ベクレルとされていますが、これは原発事故後に政府によって定められた数値であってその数値が本当に安全であるのかどうかを疑問視する専門家の人もいるようです。

また、上記の検査結果は複数の検査機関によるものであり、さらに魚の採取場所(深度など)や検査方法によってもその数値は変わってくると思いますので、それらの点を考慮した上で参考にされるのが良いかと思います。

また、過去のチェルノブイリ事故の事例を調べたところこんな調査結果がありました。事故後の数ヶ月は、キエフ貯水湖の小魚は、フィッシュイーター系の魚(パイク、パーチ)の10倍ものセシウムが検出されていたものが、翌年以降はこれが逆転し、パイクやパーチといった魚種の方が小魚類の2~3倍のセシウムが検出されたのだそうです。つまりは、生物濃縮されたのです。また、フィッシュイーター系の魚においては生殖臓器の異常が多く見られるようになったとの事です。

また、海と違って内水面において放射性物質は希釈されるのか?という点については、チェルノブイリ原発から100~200km離れている州の湖であっても、カリウムイオン濃度が低く澱んだ閉塞水域では、高濃度のセシウムが継続されている、とあります。あまり減っていないということです。

私は放射性物質の専門家ではないので個人的な見解はあえて書きませんが、あまり楽観視できない状況であることだけは確かなようです。

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日本の釣りのピンチ [放射能汚染]

被災地において農林水産業をされていた方の多くはその仕事を失いました。農地は塩害で使えなくなり、漁船は駄目になり出漁出来ない。でも仮に農作物が収穫できたり、魚の水揚げが多かったとしても、今はそれを市場で流通させることは難しいでしょう。

そして、釣り業界も確実に打撃を受けている業界です。大きな要因は3つある。

1つは非常に直接的な要因で、被災地における釣り関連の商売というのは当面は見込みが立たない点です。こればかりは被災地の復興を願うしかありません。今はそれどころではないのだから。

2つ目は、震災直後の娯楽に対する自粛ムードで釣りに行く人が激減したからです。しかし現在、この自粛ムードはだいぶ解消しつつあります。

そして何より、放射性物質による汚染です。あれだけ大量の汚染水を海に垂れ流してきたわけですから魚介類から放射性物質が検出されるのは当たり前、仮にそれが基準値以下だったとしても、その影響が懸念される海域で獲れた魚を食べようなんて思いません。食べるための釣りは、大きく衰退する可能性が大きい。海釣りのほとんどがそれに該当します。

そして私自身は予想外だったのですが、内水面の魚からは海のコウナゴを越えるほどの高い放射性物質が検出された。該当地域のアユ、ワカサギ釣りは当面無理でしょう。漁協、釣具店、ボート店などはこの先かなり厳しい状況が待ち受けているように思えます。

なお、ルアーメーカーはアユやワカサギなんて関係ないだろうというのは間違いです。地域の釣具店というのはそうした魚種の釣り客で利益を生んでいるお店も多く、それがあってこそルアー関連の道具なども仕入れてもらえる。主力魚種が駄目になってしまうとそんな余裕がなくなってしまうところが大半です。

釣り業界における二次災害がどこまで進んでしまうのかは今の段階ではまだはっきりとはわかりません。今後、魚介類の放射性物質調査をさらに進めていくとより多くの魚種、より広い海域からも汚染が発見されそうな気がします。結果が明確には予測できないものの、悪い方向に向かっていく可能性が大きい。

もし今、釣った魚を持ち帰ったら家族にはきっとこう聞かれるだろう。「どこで釣ってきた魚なの?」喜ばれるどころか警戒される。近所の人や知人に配る際にも同じ事が言える。
お父さんが釣ってきた魚が夕飯の食卓に上がり、家族でそれを食する。多く釣れた魚は近所にも配って喜ばれる。今までは当たり前だったそうした光景が消えようとしている。


魚を持って帰っても喜ばれない。お父さんはますます釣りに行きづらくなる。そして自分自身が魚を食べる気になれないようならば、家族の意見を聞くまでもなく釣りには行かなくなるだろう。

日本の釣りも、ピンチなのです。

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