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日本の釣りのピンチ [放射能汚染]

被災地において農林水産業をされていた方の多くはその仕事を失いました。農地は塩害で使えなくなり、漁船は駄目になり出漁出来ない。でも仮に農作物が収穫できたり、魚の水揚げが多かったとしても、今はそれを市場で流通させることは難しいでしょう。

そして、釣り業界も確実に打撃を受けている業界です。大きな要因は3つある。

1つは非常に直接的な要因で、被災地における釣り関連の商売というのは当面は見込みが立たない点です。こればかりは被災地の復興を願うしかありません。今はそれどころではないのだから。

2つ目は、震災直後の娯楽に対する自粛ムードで釣りに行く人が激減したからです。しかし現在、この自粛ムードはだいぶ解消しつつあります。

そして何より、放射性物質による汚染です。あれだけ大量の汚染水を海に垂れ流してきたわけですから魚介類から放射性物質が検出されるのは当たり前、仮にそれが基準値以下だったとしても、その影響が懸念される海域で獲れた魚を食べようなんて思いません。食べるための釣りは、大きく衰退する可能性が大きい。海釣りのほとんどがそれに該当します。

そして私自身は予想外だったのですが、内水面の魚からは海のコウナゴを越えるほどの高い放射性物質が検出された。該当地域のアユ、ワカサギ釣りは当面無理でしょう。漁協、釣具店、ボート店などはこの先かなり厳しい状況が待ち受けているように思えます。

なお、ルアーメーカーはアユやワカサギなんて関係ないだろうというのは間違いです。地域の釣具店というのはそうした魚種の釣り客で利益を生んでいるお店も多く、それがあってこそルアー関連の道具なども仕入れてもらえる。主力魚種が駄目になってしまうとそんな余裕がなくなってしまうところが大半です。

釣り業界における二次災害がどこまで進んでしまうのかは今の段階ではまだはっきりとはわかりません。今後、魚介類の放射性物質調査をさらに進めていくとより多くの魚種、より広い海域からも汚染が発見されそうな気がします。結果が明確には予測できないものの、悪い方向に向かっていく可能性が大きい。

もし今、釣った魚を持ち帰ったら家族にはきっとこう聞かれるだろう。「どこで釣ってきた魚なの?」喜ばれるどころか警戒される。近所の人や知人に配る際にも同じ事が言える。
お父さんが釣ってきた魚が夕飯の食卓に上がり、家族でそれを食する。多く釣れた魚は近所にも配って喜ばれる。今までは当たり前だったそうした光景が消えようとしている。


魚を持って帰っても喜ばれない。お父さんはますます釣りに行きづらくなる。そして自分自身が魚を食べる気になれないようならば、家族の意見を聞くまでもなく釣りには行かなくなるだろう。

日本の釣りも、ピンチなのです。

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