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ピンチの中にチャンスあり [物申す!]

コロナウイルスの感染拡大により、釣り業界も少なからず影響を受ける結果となりました。

コロナウイルスが流行り始めた当初、中国で生産をしている釣具の発売遅延といった影響ばかりが懸念されていました
確かに影響はありました。中国では工員がしばらく隔離されて工場に入れなかったというところも多かったですし、流通自体も滞っていました。

でも結果的にさほど遅延は起きなかった工場もあるし、その後のリカバリで遅れを取り戻した工場もありました。ちなみに自分が開発に関与した製品においては納期の遅延はほとんどありませんでした。

中国生産品の発売遅延だなんて、大した問題には至らなかったのです。

その後、日本の国内でもコロナウイルスの感染が拡がったのは御存知の通りです。今は多少落ち着いたようにも見えますが・・・

結果として、観光業や飲食業ほどの切迫性ではないにしろ釣り業界の売り上げにも影響が出ました。

実は、緊急事態宣言が発令される以前は釣具の需要が落ち込むどころかむしろ増えていたのではないかとさえ思います。人との接触を避けようと考えた結果、釣りやキャンプを選択する人がいたからです。
ところが緊急事態宣言が発令され不要不急の外出自体が自粛を求められることとなり、釣りもキャンプも自粛の対象となりました。消費の機会がなければ消耗品の売り上げが落ちて当たり前です。

ですが長い目で見た場合に懸念されるのは、収入自体に影響が出る人が増えることで釣具の消費が落ちることです。生活維持のために節約が求められることとなれば嗜好品の購入は真っ先に節約対象とせざるを得ない。まずは生活出来ることが大事ですから。
不況は長引くことでしょう。この点は今後も懸念される点です。

東日本大震災が発生した際にも釣具の売り上げは大きく落ち込みましたがまだ西日本が大丈夫でしたし、メーカーによっては海外への輸出で凌いだところもありました。でも今回のコロナショックは地球規模なのでそのどちらも見込めません。勿論メーカーだけでなく販売店も厳しい。

そんな厳しい現状ばかりが懸念されている中ではありますが、釣り業界には徐々にチャンスが来ている気がするのです。

緊急事態宣言が発令される前、一時的に釣りやキャンプを楽しもうという人が増えたと前述しました。そして緊急事態宣言が解除された今、再びその状況になりつつあると感じます。当面は人混みを避けて屋外で遊んでみるかという発想によるものでしょう。事実、釣具屋さんには家族連れやビギナーの人の来店が多くなってきているのだそうです。

これまで釣具業界は新規参入者の獲得に努力してきました。イベントを企画してみたり、フィッシングショーの会場に足を運びやすくしてみたり。ですが、それが大きく実を結んだようにはあまり感じられません。スマホ全盛時代、その対極とも言える釣りはなかなか今の人達には受け入れられない。

それが今、釣りが思わぬかたちで注目を集める結果となっている。コロナウイルスの拡散自体を誰かが望んだものでは決してありませんが、図らずも釣りへの新規参入者が期待できるタイミングが生まれています。釣り業界にしてみればこんなチャンスはなかなかない。

しかしながら、初心者が適当な道具を揃えて、適当な場所に出掛けて、適当に餌を放り込んでみたところでなかなか魚って釣れないんですよねぇ。それじゃ面白いと思うはずがないし、そのまま止めてしまうのは目に見えている。
エビでもハゼでもフナでもブルーギルでも何でもいい。まずは獲物を手にしてもらいたい。そうすれば未来の釣り人が生まれるはずだから。

この機会に釣り業界が如何に興味を持った人達をフォローできるか。それがとても重要なタイミングに差し掛かっている気がしているのは自分だけかな。

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