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鬼怒川決壊に思う事・4 [災害ボランティア]

災害から2ヶ月近くが経過し、テレビのニュースなどでも関連する報道をほとんど見なくなった常総市の水害。もしかすると既に忘れかけている人も少なくないのかもしれない。

一時は1日に3000人以上も集まった災害ボランティアも、今はその1割程度しか集まらなくなってしまった。そしてボランティアを対象とした高速道路の無料化措置が11月4日を以て終了することになっていました。そうすると遠方から参加するボランティアが減るので、ますます人手が足りなくなる。一体どうなってしまうのかとても気掛かりでした。

でも朗報が入った。11月30日まで高速道路の無料化措置が延長されることになった。自分は現地まで下道で行くので直接的には関係はないのですが、これでボランティアの減少は多少抑えられる。 ひとまずは良かった。
詳しくはこちら(注:PDFファイル)

自分は何度も現地に足を運んでいるのでおおよその現地の様子はわかっているつもり。でももしかすると、普通の人は何も知らないかもしれない。2ヶ月近くも経つのだから、もう片付けなんて終わっているのでは?と考える人が多いかもしれません。

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これらの写真は常総市災害ボランティアセンターのFacebookより 拝借しました。いずれも11月の写真です。個人宅の床下の泥出し、家屋や敷地内の清掃作業の様子です。未だにこんな作業を必要としている家がある。当然、家の中は吹き抜け状態です。暖房を入れられるような状態じゃない。既に朝夕はめっきり寒くなった。昼間の気温が上がらなくなる季節ももう近い。少なくとも個人宅の片付けは急いで終わらせてあげないといけない。

ちなみに11月2日の時点でボランティア派遣の要望件数は89件あるとのことです。これに対応するためのボランティアは1日あたり531名が必要となる。但し、1回の活動で終了するとは限らないので継続的な人数確保が必要となります。現状は、まだまだボランティアの人手が不足しているのです。

災害ボランティアには私のような個人参加の他に団体参加という方法があります。10名以上の団体にて参加するという場合は事前の申し込みが必要になる。

思うのです。バス釣りの団体とわかる名称のグループがこうした活動に積極的に参加してくれたらいいのになと。別に、どこかの組織に属していなくても構わない。10名以上の仲間が揃えば、それとわかる名称を名乗ればいい。

鬼怒川や小貝川で釣りをするために常総市を訪れるバスアングラーも多い。だからこそ、常総市民の人達にはバスアングラーは良い印象を持たれなくてはいけません。でも実際のところはどうなんだろう。特に川の側に住んでいる人達はバスアングラーの事をどう思っているだろうか?仮に悪い印象を持っていなかったとしても良い印象を持つまでには至っていないのではないだろうか。

だったらここで奮起して、良い印象を持たれるように頑張ってみてもいいんじゃないかな、と思います。ちょっと不純な動機と言えなくもありませんが、少しでも被災者の手助けが出来るのならそれに越したことはありませんから。

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鬼怒川決壊に思う事・3 [災害ボランティア]

ここのところ、数名ではあるのですが「自分も常総市への災害ボランティアに行ってきます」と言ってくれる人達が出てきてくれました。

ボランティア活動というものは誰かに強制されて行くものではないと思うので、自分の意志で行く気になってくれたというのはとても嬉しく思います。

遠方から車で常総市の災害ボランティアに出向く場合、「災害派遣等従事車両証明書」を発行してもらうことで高速道路の通行料金が免除されます。
詳しくはこちら(注:PDFファイル)
この制度を活用して、遠方から駆け付けてきた人達も大勢いました。中には東北や九州の人もいた。

ところがこの措置も、11月4日を以て終了となってしまう。それでも来ようとする人はいるでしょうけど、これまでとは比較にならない負担を強いられることになる。何より、この措置の終了に伴い遠方からのボランティアが激減するのは目に見えている。ただでさえボランティアの参加人数が激減しているところにきて、この追い打ちは正直キツい。

う~ん、現地はまだまだ人手を必要としているんだけどな。

災害ボランティアは被災地で写真撮影をしないよう通達されています。ですので私もボラセン周辺を除いては現地での写真撮影はしていません。被災者の心情を考えればそれも当然の事、でも現地の現状を伝えるには写真があるといいんだけど・・・

なので、常総市ボランティアセンターさんがフェイスブックにアップした新しい写真を何枚か拝借して掲載します。常総市にはまだこんな状態の場所があるということを知ってもらえればと思います。

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決壊現場付近の様子

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砂と稲藁に埋もれてしまった公園

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依頼者宅の庭の泥と稲藁を除去する作業

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水圧で折れ曲がったフェンス

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いざ、常総市へ。4 [災害ボランティア]

先週末は思いっきり釣りを楽しんだので、今日はまた常総市の災害ボランティアとして活動してきました。

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それにしてもボランティア参加人数の激減といったら・・・。シルバーウィークは1日3000人超だったのが嘘のよう。今日の人数はたったの365人でした。天候にも恵まれた週末だったというのにです。相変わらず住民の方々からは沢山の要請が来ているというのに人手が全然足りない。

片付けが進んでいないお宅が相変わらずあるようで、このタイミングでも床下の泥出しをされていたグループもあったようです。しかし最近になって少しづつ市内の清掃活動にも取り掛かれるようになってきたようです。歩道の清掃、畑に流れ着いている流木や漂流物の除去、そして何より側溝の泥掻きです。

今日は自分も側溝の泥掻きをしてきました。側溝の蓋を開けていくと案の定泥がドッサリ。これじゃ水が流れるわけがない。街中の排水機能が弱くなってしまっているので大雨が降ると冠水しやすくなってしまいます。また、側溝内で水が流れずにずっと滞留しているせいか、臭いもキツく、さらに蚊が大量に発生していました。衛生上もよろしくないのは明らかです。

で、老若男女入り乱れたボランティアチームでおおよそ100m程の区間の側溝の泥を綺麗サッパリと取り除きました。しかし、クソ重たい側溝の蓋を外すだけでも重労働。しかも泥を土嚢袋に詰めてそれを一箇所にまとめて、というのも相当な力仕事です。それでも、若い女性の人も80歳過ぎの年配の男性も泥だらけになりながら頑張っていました。

明日はまた筋肉痛だなこりゃ。

でも、自分達が綺麗にした区間なんて全体からすればほんの一部に過ぎない。常総市の側溝の8割以上はまだ泥が積もった状態なんじゃなかろうか。

自分も衣類がかなり泥だらけになりましたが、それは想定内。ちゃんと着替えも持ってきた。お腹も空いたし、帰り道はどこかで何か食べていこう。

でもやっぱり、一日中ドブさらいをしていると自分自身もどことなくドブ臭いんですよね。これで飲食店に入るのはちょっと気が引ける。止めておくか・・・

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しかし今日はボランティアセンターに戻ったところでなぜかほうとうの炊き出しがありました。こりゃありがたい!ということでおいしくいただきました。

今日は石下の沖三坂という地区での活動でした。鬼怒川の決壊地点がほど近く、移動途中には民家が流され何もなくなってしまった場所も通りました。震災後の三陸を思い起こさせる風景でした。

常総市が元通りに戻るにはまだ相当な時間が掛かります。それなのにもう水害の風化が始まっているような気がしてなりません。

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鬼怒川決壊から1ヶ月 [災害ボランティア]

このブログで災害ボランティアのことを書くとアクセス数が大幅に下がります(苦笑)。いかに興味のない人が多い話題なのかと痛感させられますが、ここは自分のブログなので書きたいことを書きます。

今日で常総市の水害からちょうど一ヶ月が経ち、メディアも思い返したようにその現状を一斉に報じました。その多くは決壊現場でカメラを回して、現在の堤防はこのようになっています、しかし家屋が流失した現場は一ヶ月経った今でもほとんど何も変わっていません、といった報道をしています。

常総市には「流された」ところと「浸かった」ところがある。流されたところというのは決壊場所の周辺のみで極めて限定的な範囲です。そこから数100mも離れると住宅は普通に立ち並んでいる。但しこちらは「浸かった」被害を受けています。そしてその範囲というのは驚くほど広い。

メディアが報道するのは、一見してインパクトのある「流された」場所が多い。ここは確かに今でもほとんど1ヶ月前のままと言えるかもしれない。この地区の住民は避難場所など自宅以外の場所に居る人がほとんどで、当然のことながら自宅の片付けなどに着手できる状態ではないのでボランティアもほとんど入っていない。だからほとんど変化がない。

一方「浸かった」場所に関しては、片付けや掃除が進んだ家だと傍目には災害前とさほど変わらないように見えるようになっています。だから外部の人達から見れば、もう緊急性は薄いように捉えられてしまうかもしれない。けれども間違ってはいけない。水に浸かった家の被害というのも相当なものだし、復興はこれからなのです。

鬼怒川が決壊した石下。そこから南にあたる水海道。結果として土地の低い水海道地区に水は流れ、深刻な浸水を引き起こし、水が引くまでの時間も要した。水が引くのが遅れた地域では片付けや掃除に着手するタイミングもそれだけ遅れている。早々に片付けに着手出来た地域に比べて、おおよそ1週間ほどのタイムラグがあった。

避難所などで早々にボランティアを要望する為の情報を得ていた人も居た一方で、情報に恵まれることなく身内だけで後片付けをする家もあった。特に高齢者には情報に疎い人が少なくなかった。そうなると当然、片付けのスピードに大きな差が生まれた。

近所の人から教えてもらい、ようやくボランティアを要請する。しかし現在、ボランティアは大幅に不足しており人手は足りない。呼んでも来てもらえないという日が続く。片付けは思うようにはかどらない。そういう家がまだまだある。

現地での片付けの段取りは、こうです。

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浸水して駄目になったものを家の外に運び出して処分する。洗えば使えそうなものもひとまずは屋外に運び出す。

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畳を上げて床を剥がし、床下の泥を掻き出す。家の広さにもよりますが、相当な量の泥を運び出すことになる。床を剥がせない部屋や廊下の下に溜まった泥については狭く真っ暗な床下へ潜り込んで泥を掻き出すしかない。相当な重労働で、家の人だけでやろうとしたら相当な時間と労力を要することになる。泥を掻き出したら、石灰を適量撒いて消毒する。

その後に床を戻し、壁や窓を含めて部屋を徹底的に掃除。屋外に出してあった物を綺麗に洗ってから室内に戻す。これが終わるまでの間はほぼ家の窓やドアは空いている。今はまだ昼間は寒くないからいいけれど・・・

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そして庭や畑には大量の稲藁やゴミ、泥が溜まっている。側溝も同様。こちらの掃除も必要。

しかし未だに、後片付けの初期段階という家も多いのだそうです。現在避難所に居る人が自宅に戻ったら、そこから始まる後片付けもあります。

今はまだ家屋の片付けが優先されているのですが、ゆくゆくは農地の整備も必要になる。大量の泥やゴミを除去しないことには農地に戻せない。

少なくとも、寒くなる前に家屋の後片付けだけは終わらせないといけません。そのための人手が全然足りていない。鬼怒川の決壊より1ヶ月が経過しましたが、今はそういう現状です。心と時間に余裕のある方は是非常総市災害ボランティアへ。

※災害ボランティアは被災地での写真撮影をしないようにとされています。写真は常総市災害ボランティアセンターのfacebookより拝借しました。

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いざ、常総市へ。3 [災害ボランティア]

昨日は1日思いっきり遊んだので、今日は気持ちを切り替えて常総市の災害ボランティア活動へ。

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シルバーウィークには1日3000人超えだった常総市への災害ボランティアは、今日は923人に過ぎませんでした。もちろん平日はもっと少ない。自分が思っていたよりもずっと早い段階でボランティアが激減してしまいました。その一方でまだまだ後片付けに追われる家屋が多く、現地は完全に人手不足に陥ってしまっています。

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自分はいつも一人で災害ボランティアに出向いていますが現地では10人ほどのグループを組むことになります。お互い全く知らない者同士。当然最初は何だかぎこちない雰囲気もあります。けれども皆、同じ思いで現地入りを志願してきた者同士ですから力を合わせて作業を進めて行くうちにとても強い連帯感が生まれてきます。作業を終了する頃には、このグループを解散するのは惜しいな、と思えるくらい。

ボランティアの人数に対してニーズが多過ぎるせいなのか、今日は珍しく5名のグループとなりました。皆さんそれぞれ1人で参加されているようで年齢もバラバラ。女性も1人いました。

70代前半の男性は何と奈良県からの参加で、1週間ほど滞在していく予定とのこと。東北の被災地にも数多く足を運んでいたベテランの災害ボランティアでした。横浜からバイクで来たという30代の男性も同じくかなり経験豊富な災害ボランティアでした。そして女性の方は岩手県山田町からの参加。震災の際、ボランティアにはかなり助けられたそうで今度は自分が、という強い思いを持ち単身で車を運転してきたのだそう。

このグループも最初はどこかぎこちなかったのですが、皆さんとても強い思いを持って現地入りしてきた熱い人達ばかりでした。ですのですぐに強い連帯感が生まれたような気がします。自分も決して半端な気持ちで来ているわけではないですが、その思いの強さは到底足元にも及んでいない気がしました。

今日訪問したお宅は水海道方面の、平屋の立派な家でした。しかし浸水の程度が半端ではなく、1.8~2m程度は浸水したようで多くの家具、そして車も3台駄目にしてしまったとの事。決壊の当日は家の周りの水位が高く流れも速かったため外に逃げることが出来ず、自衛隊のヘリで救助されたのだとか。

既に数回ボランティアが入ったそうで、自宅の後片付けはだいぶ進んでいる印象を持ちましたが、畑と庭に大量の稲わらが堆積しており、それを片付けてほしいとの依頼内容でした。確かに物凄い量でした。皆泥だらけの汗だくになりながらも、5人の力を合わせて何とか撤去しました。

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災害ボランティアそれぞれの、被災地・被災者に対する思い。自身が大変な目に遭っているというのに、訪問するボランティアを少しでももてなそうとする依頼者。災害発生時以来毎日大変な状況が続いているというのに足を運ぶボランティアの労をねぎらい礼を欠かさない災害ボランティアセンターのスタッフ。

ここには他人の事を本気で思いやる気持ちを持つ人ばかりが集まっている。心が洗われていくようです。

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10月に入り、さすがに朝晩は冷え込むようになってきました。でも、まずは家屋内を片付けないことには暖房も使えません。そしてあちこちに堆積している稲わらは腐り、悪臭を放ち始めています。撤去しなくてはいけない泥も、日を追って硬くなっていく。それでも後片付けがはかどっていない家が少なくない。ボランティアの要望の出し方がわからず最近まで呼ばなかった家がある。何度も要望を出しているのに抽選に外れてしまってなかなか来てもらえない家もある。完全に人手不足です。

現在は18歳以上であればどこにお住いの方でも常総市の災害ボランティアに参加できます。車で行かれる方、高速料金が免除される制度が活用できます。電車で行くことも現在は可能になりました。お時間のある方、ぜひ常総市災害ボランティアに参加して下さい!よろしくお願いします。

詳しい事は常総市災害ボランティアセンターのHPをご覧下さい。

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常総市災害ボランティア、県外からの参加も可能になりました [災害ボランティア]

何か災害が発生した際、自分のような災害ボランティアが一番歯痒い思いをするのは、すぐにでも現地に行って被災された人達の手助けをしたいのにボランティアとして受け付けてもらえない事が多いということです。

多くの場合、ボランティアが募集されても市内或いは県内という按配に、地元の人達だけでまかなおうとする場合が多いのです。

今回、常総市でも空き巣の被害が多発したように被災地は治安が悪化します。それは震災で津波の被害を受けた東北においても同様でした。家の人が避難所におり留守宅が多くなるのをいいことに盗みを働く輩が必ず出てくる。だから特に地方の人は、地元でない人間が現地をウロウロしていると非常に警戒をします。そんな背景もあって、地元以外の人を受け入れないというケースが多いのです。

また水害に遭った常総市の場合は幹線道路も含めてあちこちに通行止めの箇所がありました。現在でもあります。そんな中、土地勘のない県外の人が大勢やってきたら市内の渋滞は激しくなる。そんな理由もあったようです。

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常総市災害ボランティアセンターでは、茨城県内在住者に限ってのボランティア活動を進めてきました。それがシルバーウィークに限ってはその制限を撤廃し、県外からも広くボランティアを集めた。結果、全国各地からボランティアが集まってきたのです。私と同じグループとなった人の中にも関西から来た人がいました。

遠方の人だって、被災地の事を思い助けに来ようとしている人が大勢いる。けれどもこれまでは参加条件に阻まれ来ることが出来なかった。そんな人達がシルバーウィークにはドッと集まってきた。

でもシルバーウィークが終了したらどうするんだろう?また今まで通りの県内在住者に限った募集に戻すんだろうか。そして9/24以降の募集要項が、23日の時点で現地に大きな紙で貼りだされた。それを見て自分も落胆してしまった。そこには県内在住者に限っての募集と明記されていたからです。私もそうですし、大勢の人がガッカリしたに違いありません。

ところが今日になって、常総市ボランティアセンターがネット上に掲載していた募集内容が変わった。県内との制限が撤廃され、県外の人間でも現地でボランティア活動することが出来るようになった。どうやら県外からの参加も受け付けて欲しいという要望がとても多かったらしく、検討した結果撤廃することになったようです。

そしてもう1つの活動基盤である茨城県災害ボランティアセンターも、これまでは隣接県に限られていたものがこちらもシルバーウィークを境に撤廃されました。

現在常総市では、18歳以上であれば全国各地からボランティアとしての参加が可能になりました。まだ公共交通機関が復旧しきれていないため自家用車しか移動手段はありませんが、これまで参加をためらっていた方もどうですか?

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いざ、常総市へ。2 [災害ボランティア]

3日間連続で常総市の災害ボランティアとして出向くつもりだったのですが、昨日は不本意ながら休んでしまいました。

朝起きた瞬間、背中から腰にかけての筋肉痛が半端じゃなかった。横になった状態から身を起こすだけでも辛いくらい。日頃の運動不足が悪いと言えばそれまでですが。

常総市の災害ボランティアは10人前後が1グループとなって活動します。個人参加とはいえ、自分がまともに動けなかったら同じグループ内のメンバーに負担が掛かる。こんな状態で参加したらそのようになるのは目に見えていたので断念し、休養に徹していました。

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そして今日は復活参加!!

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本日自分が向かわされたのは水海道方面。鬼怒川の決壊地域からはだいぶ下流になりますが、こちらは日を追って水位が上がっていった地域で、今日自分が確認しただけでも自分の背丈と同等か超えるくらいの増水跡が見られました。そして今日はボランティアの数が足りなかったらしく、2軒のお宅をハシゴすることになりました。

最初に伺ったのは小貝川の大和橋のすぐ側にあるお宅でした。ここも農家をされているようで大家族が住んでいる広い家でした。この家には相当な高水位で浸水した跡が残っていました。ちなみに小貝川の土手脇にある家なのですが、浸水自体は鬼怒川の決壊によるものだそうです。増水はアッという間の出来事だったそうで、避難勧告などには関係なくすぐに自主避難をされたとの事でした。そもそも避難勧告やら避難指示やら、そんなものに耳を貸している余裕などなかったと。

ここでの依頼内容は、浸水し不要となった家具や農具といったものを運び出し、トラックの荷台に積んでいくこと。家族の写真が入ったアルバム、コレもですか?!はい、とのことで廃棄物の中へ。いいのかなぁ・・・。あ、ヘラ釣りの道具。コレもですか?!はい、とのことでこれも廃棄物の中へ。確かに泥だらけでどうしようもない状態ではありましたが釣り道具を捨てるのは職業柄とても切ない。

勿論、タンスや棚やテーブルやテレビ、冷蔵庫、ストーブ、寝具、タイヤといった大物も。そして大量の材木や植木鉢も。もう、家の中にあった物のほとんどが駄目になって廃棄という感じ。この家の御主人、ボランティアに対してやたらとオヤジギャグをかまして笑いを取ろうとしていましたが(それが心遣いだったのかもしれませんが)笑えないですよさすがに・・・。

ちなみにこのお宅、人手が足りないので一応ボランティアを頼んだのだそうですが正直あまり期待していなかったとの事(苦笑)。ところが私達が数時間で大量の荷物を綺麗サッパリ片付けてしまったので驚いていたのと共に、とても感謝されました。

東日本大震災を機に、ボランティア活動慣れしている人も増えました。だから今の災害ボランティアは、ただの一般市民レベルと思わない方がいいです。

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さて、運営本部から別の家にも行ってくれとの要望があったので今度は2軒目のお宅に伺いました。こちらも1階が床上浸水。

こちらは家の隣に畑を持っていましたが、家自体は一般的な造りといった感じ。このお宅では、家具を運び入れて欲しいとの事。えっ?家から運び出すんじゃなくて、運び入れるんですか?

実は一度家の中を片付けるために家具を庭に出したものの、また台風が近付いてきているので、それらを納屋に運び入れて欲しいとのことでした。庭一杯に広げられた家具でしたが、こちらは10人掛かりなので1時間と掛からず任務終了。

しかしこの家の周り、周辺の田んぼから流れてきた稲わらの量が半端じゃない。稲わらが山のように積もっています。ではこれを掃除しましょうということで撤去に取り掛かると何とゴミ袋30袋以上にもなりました。最後は庭や畑に漂着した稲わらやゴミなどを撤去して終了。

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浸水被害があった家は何も上記の家だけではありません。この周辺、街全体が被害に遭っているわけですから。それでも、家族や従業員だけで後片付けをされている家屋を多く見かけます。今日はボランティアの人数が足りなかったようですが、日によってはニーズがないとのことでボランティアの受付自体を締め切られてしまう事もあります。せっかく志願して常総市にやってきたのに、何も出来ず帰ってしまう人もいるのです。そのような状態ですから、人手が足りないという家の方は遠慮なさらずボランティアを呼んでくれればいいのに、と思います。

ただ、ボランティアの人数が多いのは今のうちだけだと思います、自分の経験上。ホトボリが冷めると、来る人も一気に減りますから・・・。ですので早目にボランティアの手を借りて家の片付けを進めるのが得策だと思います。

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シルバーウィーク期間中、常総市で活動した災害ボランティアの人数は延べ14000人にも上りました。まだ今は世間の関心が高い事もあり、おのずと人数は集まると思います。問題なのは集まったボランティアをどのようにさばいていくか、です。何せ1日に3000人以上もの人が集まってくるのをさばいていかねばならないわけですから。

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その点、これまで大きな災害の経験がないにも関わらず常総市災害ボランティアセンター、茨城県災害ボランティアセンターは上手く連携して大量のボランティアを捌き切ったと思います。まぁ、炎天下でのバス一時間待ちは熱中症で倒れるかと思いましたが(苦笑)それくらいは大目に見ても良いかと。

感染症予防の為にうがい薬や長靴の消毒まで行う徹底ぶりは東北でも見覚えがありません。飲料水や、何故か鯛焼きの配布など、ボランティアに対する気遣いも感じられ、また来ようと思った人も多かっただろうと思います。

もちろん自分もこれで終わりじゃない。東北と違いすぐに行ける距離ですし、また行きます。

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いざ、常総市へ。 [災害ボランティア]

本日、常総市では3565人の災害ボランティアが活動しました。おそらく過去最多となる参加人数だと思う。そして自分も1/3565として災害ボランティアに加わっています。

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シルバーウィーク期間中は多数のボランティアが来ると想定されており、通常とは異なる受付場所、手順となっていました。集合場所は守谷。そこから茨城交通が出してくれているバスに乗り、さらにそこから20人単位で分けられマイクロバスに分乗、活動拠点を目指す。そして活動拠点に到着したらそこでまた10名単位に分けられ、依頼のあったお宅まで徒歩で出向く。帰りはその逆。

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守谷の集合場所には朝の7:30に到着しましたが、びっくりするほど大勢の人達がボランティアを志願して集まってきており胸が熱くなりました。日本もまだまだ捨てたものじゃありませんね。あいにく私の周囲には、こうした活動に積極的な人はほとんど見当たらないけれど。

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それにしてもディズニーランドの人気アトラクション並の行列です。受付を済ませてバスに乗ったのが9:00。

ちなみにここから先の写真はありません。被災地での写真撮影は遠慮して下さいということになっているからです。悪しからず御了承下さい。

守谷から北上して水海道に入っていくと徐々に街が「土っぽく」なってきます。バス釣りをする人ならわかるであろう、軽く泥を被ったような増水跡の痕跡。それが水辺ではなく街全体がそのようになっている。道を走る車は砂埃を立てながら走っています。水没したであろう泥を被って真っ白になった車もあちこちに停まっている。大きなラーメン屋さんは駐車場にテーブルやイスを全て出していました。

マイクロバスに乗り換え、最終的に自分が向かわされたのは石下方面でした。決壊地点のすぐ下流部に位置する辺りで、決壊箇所で4台のクレーンが作業している様子や、あのヘーベルハウスの白い家も遠目に見ることが出来ました。まさに、自衛隊のヘリやボートでの救助活動が盛んに行われていたあの場所です。マイクロバスでボランティア拠点まで移動した後は10名のグループとなり徒歩で依頼者さんのお宅へ向かいます。

しかしここでトラブル発生。目的のお宅に到着すると「ウチではボランティアを頼んでいませんけど」とのこと。どうやら近所に同じ苗字のお宅があり、ボランティアセンターのスタッフさんがそちらと間違えていたようです。間違えて来てしまったお宅に道を尋ねたところ、その家の小学生のお子さんが案内してくれることに。おまけに「頑張って下さい」ということで10名分の野菜ジュースまで差し入れてくれました。間違えて訪問してしまったお宅で思いもかけない御厚意を受けました。

そんなトラブルがあったこともあり、依頼先のお宅にやってきたのが10:30。自分は7:30に守谷に出向いたので、実に3時間かかってようやく活動に取り掛かることが出来ました。

訪問したお宅はおじいちゃんからお孫さんまで住んでいる大家族の農家のお宅でした。庭も家も物凄く広い!ただ、1m近い床上浸水だったそうで依然として家族総出で自宅の片付けに取り掛かっているところでした。稲はほぼ刈り終わっていたそうですが大水で流されてしまったとの事。腐敗臭がするとのことで全て廃棄するしかなかったのだそうです。相当ショックだっただろうと思います。

肝心の依頼内容は、床下の泥出し。ちなみにコレ、相当ハードな内容です。津波被害を受けた東北でも床下の泥出しというのはよくありました。水害があると床下に大量の泥が溜まってしまうのです。これを取り除かないと、いくら家の中を掃除したところでずっと湿気が溜まった状態となり、カビだらけになります。しかも泥やカビの臭いにも悩まされることになる。

床を剥がして中を見てみると・・・うわぁ、こりゃ酷い。水はすっかり引いているはずなのに、床下がまるで田んぼのよう。泥が厚く積もってしまっていました。しかもベチョベチョ。私達の仕事は、この床下の泥を取り除く事。そして取り出した泥は土嚢袋に詰めて庭先にまとめること。

皆で全身泥だらけになりながら悪戦苦闘する事数時間。土嚢袋100枚分を超える量の泥を床下から掻き出すことが出来ました。これは絶対に人力でないと無理な作業です。

そしてこのお宅も、ボランティアに対してお茶や飲み物などを準備してくれていました。私達はもちろん対価的なものは求めず労働していますが、温かく迎え入れてもらえていることに対しては本当に嬉しく思います。

ただ、ここのお宅は床下の泥出し以外にもまだまだやらなければいけないことが山積みでした。明日以降もボランティアを要請するそうです。

今日は帰り道にどこかで食事をしていこうと思っていたのですが、衣類が泥だらけになってしまったのでとても店に入れるレベルでないと思い断念。

そして日頃の運動不足がたたり全身が悲鳴を上げています。「疲れた」じゃなくて「疲れ切った」という感じ。でもまた明日も出向く予定。朝起きれるかな。

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鬼怒川決壊に思う事・2 [災害ボランティア]

安保法案に反対するデモが熱気を帯びています。近年の日本ではあまりこうした大規模なデモというのは見られませんでした。そうした背景が、政治家の独裁を許してしまう風潮を生み出してしまったのかもしれません。

原発再稼働の推進と言い、今の政権は本当にクズとしか言いようがない。ちなみに、自民党が民意に対して全く聞く耳を持たないというのは、外来生物法の策定・施行の時から全然変わりませんねぇ。

阿蘇山の噴火、そして安保法案という大きなニュースが出てきたせいで、茨城県の水害の話題が早くも取り上げられなくなってきていることに対して大きな危機感を感じています。浸水被害のあった地域の人達の生活はまだまだ混乱している。ライフラインの復旧さえもまだなのだから。

一刻も早い復興を願う。そう思っている人は人間として素晴らしいです。でも願いや思いだけで人を救う事は出来ない。人を救うのは間違いなく「行動」です。それ以外にない。

今週に入ってから、ようやく他県のボランティアも現地で活動できるようになりました(注1)。

(注1)現在、ボランティア活動の受入れを2つのボランティアセンターが行っています。9/14に立ち上がったばかりの常総市災害ボランティアセンター茨城県災害ボランティアセンターの2箇所です。常総市災害ボランティアセンターの受入条件は常総市の近隣市町村に限ります。茨城県災害ボランティアセンターの受入条件は茨城県とその近隣県(千葉県,埼玉県,群馬県,栃木県,福島県)となっています。

私もシルバーウィーク後半から現地入りする予定です。
自分、災害ボランティアなので。

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鬼怒川決壊に思う事 [災害ボランティア]

鬼怒川決壊のニュースは衝撃的でした。

鬼怒川もバス釣りをする人が多い川です。ところどころに堰があるのが特徴で、その周辺は特に人が多い。とにかく水が綺麗で流れは速い、そんな印象です。

自分も一時期よく通っていましたから、それなりに鬼怒川の事は知っています。今回の水害に遭った石下周辺のこともよく知っている。ショッピングセンター、関東鉄道、294バイパス。ニュースを見ている人は川のすぐそばだと思うかもしれない。でも実際に車で走ると、それなりに離れている。だから、そんなところまで水没したのかと驚いてしまった。何より、自分が良く知っている場所でこんなに大きい災害が起きるなんて信じられない。

自衛隊や消防による救助も進みましたが、救助を求める人が多過ぎてとても追いつかない気がしました。今日は自衛隊や消防のボートなどでも救助がされている様子がニュースで流れていましたが、こうした非常時に使えるボートがもっとあればいいのにと思う。災害時にバスアングラーが所有しているアルミボートなどが有効活用出来ないものだろうかと思ってしまう。

だって、トーナメントなどでは何十艇もボートが集まるわけです。もしもこうした災害時に、同じようにバスアングラーがアルミボートを持参してそれが何十艇にもなって、被災者の人達を次々に救助したとなったら、どうでしょう。一般の人が抱いているバス釣りの印象もだいぶ変わるのでは?って、決してそうした見返り目的というわけでもないのですけど、アルミボートはかなり使える気がするのです。浅い場所でも航行できるし、カートップならどこでも降ろせる。

今後はおそらく、復旧の為に相当な人手が必要となるでしょう。重機ももちろん必要だけれども、浸水した民家の泥掻きなどは人手に頼るしかない。

今のところ、常総市ではまだボランティアの受入れ態勢が整っていないようです。街中があれだけ浸水してしまっているのだから仕方がないか。ただ、治安上の理由だと思うのですが、受け入れが始まったとしても市内在住もしくは勤務という条件が付けられてしまうことが多い。既にボランティアの受入れが始まった栃木方面は残念ながらそうした条件付きでした。

自分はもう、スコップとヘルメットと長靴を準備完了!いつでも行ける準備はしましたが、あとは常総市の受入体制次第。まぁ、仕事の日は行けませんが・・・

行方不明になっている方が早く見付かりますように。そして現地が一刻も早く復興しますように。でも、相当時間が掛かるでしょうね、これだけ酷い状況ですから。

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