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2023年 埼玉県内のバス問題についての報告 [物申す!]

2023年は何かと慌ただしい一年でした。
自分が釣り業界に携わっているのも残り7年ほどです。きっとアッという間に過ぎてしまうでしょう。もうあまり時間は残っていないと思っています。ですから今年は積極的に動き回っていました。

このブログの読者の方なら、自分が埼玉県のオオクチバスのリリース禁止の部分解除の実現に向けて活動していることはご存知かと思います。しかしその状況は膠着状態が続いているのが現状です。

県内に数ヶ所、オオクチバスの再放流禁止の除外水域を設ける方向で検討していく。これは第396回埼玉県内水面漁場管理委員会で決定した事項です。埼玉県内にもバス釣りを生業としている人が多い。それを考慮しての決定でした。実際、委員会内でその議題に基づき検討を行ったこともあります。が、それでは具体的にどこを解除水域とするのか?という点で話が前に進まなかった。

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ここから先は現場レベルで具体的な場所を推挙していくしかありません。そのためにはその水域を管轄する漁協の理解・了承がどうしても必要になってくる。そこで埼玉県内の幾つかの漁協を訪問し、漁協組合長との話し合いを進めてきました。

どこか1箇所でも前向きに進めてもらえたらとの希望を持っていましたが、了解を得るにはかなり難しい現状というのが正直な感想です。

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オオクチバスが多くて困っているという話は聞きませんでした。オオクチバスによって小魚が減ったなんて話も出ない。むしろバス釣り客からの遊漁券収入によってワカサギの放流量が増えて良く釣れるようになった湖があるくらいです。

但しコクチバスの拡散に関してはかなり危機感を持っている漁協がありますし、それが人為的なものではないかと疑いの目を向けられている水域があるのも事実です。現在では水鳥の糞に混入している魚卵が他水域で孵化する可能性があるということも研究によって明らかになってきていますが、漁協側が人為的な拡散を疑っているのには理由もあります。
それは実に単純な話で、コクチバスが増えるとそれを狙った釣り人がやってくるようになるから。さらにはそれをSNSやYoutubeでバンバン拡散しだす。するとさらにコクチバス狙いの釣り人が押しかけるようになる。
釣り人が違法放流をしたなんて証拠はどこにもない。けれどもそうした光景を見ると、やっぱり釣り人が魚を釣りたくて放流したんじゃないのか?というように思われてしまう。そりゃそうでしょう。

元々埼玉県ではコクチバスのみが再放流禁止の対象でした。オオクチバスは除外されていた。内水面魚場管理委員の中には遊漁側の代表もいます。ですから遊漁側の意向も取り入れた委員会指示になっていました。それが一転してオオクチバスも指定対象に加えられたのには理由があります。

日釣振をはじめとする釣り業界側も新たに拡散したコクチバスに関しては釣り対象魚としての推奨はしていません。それを認めてしまったら違法放流を助長する結果にもなりかねませんから当然のことです。ところが埼玉県内のとあるバス用品販売店がSNSでコクチバスの釣果を公にしてしまった。日釣振には加盟していない個人店でした。それが県の関係者の目に留まり怒りを買った。
釣り業界はコクチバスを遊漁対象として認めないなんて言いつつも、コクチバスを利用して商売をしようとしているというように受け止められてしまったのです。これで完全に釣り業界に対する信頼関係が崩れてしまった(以上は信頼できる関係者筋から伺った話)。

実のところ釣り業界といっても、日釣振に加盟しているところとそうでないところがあります。非加盟のメーカーやショップに関しては日釣振での取り決めなんて全く知らないでしょうし、それを守る義務もない。県内の外来魚に関する昔からの経緯なんてものも今では関係者内ですら知る人が少なくなってしまった。さらに個人レベルのSNSやYoutubeとなると、もはや手が付けられない惨状になってしまった。

こうしたコクチバスを取り巻く現状というのが釣り業界への不信感へと繋がっており、遊漁サイドからの要望を聞いていただくのに大きな障壁となっています。

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またバス釣り人のマナーの悪さも指摘されました。
遊漁証を購入せずに釣りをする、購入を求めると逆ギレされる。馬鹿としか言いようがないです。内水面漁場管理委員会の半数は漁協なのですから、漁協に対して喧嘩腰になってしまえば委員会指示の内容が緩和されることなんて絶対にありえない。

また、リリース禁止の実効性に関する現状もバス釣り人はマナーを守らないという見方をされる大きな要因の一つでした。これはもう、それに従うのが嫌であるのならば県内でバス釣りをすること自体を止めるのが最良ではないかと思います。

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そして、釣り人の声が漁協に届いていない点も大きいと思いました。リリース禁止の解除を直接求めてくるのなんてあなたくらいのものですよ?と言われてしまいました。まぁ確かに直接漁協の事務所にまで足を運ぶのは自分位なのでしょうけれど、業界内関係者を筆頭にもっと他からも要望を出してもらいたかったというのが正直なところです。こんな現状なので漁協としても、本当に大勢の人達がリリース禁止解除を望んでいるのだろうか?という実感が持てないようでした。この変わり者のオッサンの戯言でしかないんじゃないのかと。

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自分としては今後も引き続き埼玉県内での外来魚問題に取り組んでいく考えでいますが、現状が変わらない限りは進展が望めそうもないという気がしています。
  • オオクチバスのリリース禁止の部分解除を求めていく反面、コクチバスに対しては釣り業界側もスタンスをもっと明確にしなくてはいけない。一般の釣り人への啓蒙も含めて。
  • 特に県内の関係者(メーカー、販売店)も積極的に状況の改善に向けて声を上げていって欲しい。なお、声というのはSNSの中だけで吠えていても駄目で、相手に伝わらないことには何の意味もありません。

そうは言っても面倒な問題には関与したがらない人がほとんどだし、実際に行動しようなんて人はほぼいないというのがこの業界だから、自分はこの先も色々と苦労するのだろうなぁ。

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