SSブログ

アイアンスピンマグナム [スミスルアー]

日本においてスピナーベイトが定着し始めた頃、バスプロショップスオリジナルのスピナーベイトがよく出回っていました。全体的にちょっと大振りかな?と感じましたが、使っている人は多かった。このスピナーベイトは極めてオーソドックスな造りで、ヘッド形状は先端が尖っているバレット形状でした。

しかしその後はちょっと変わった形状をしたヘッドのスピナーベイトが多く出回るようになります。縦方向に薄くありつつも、低重心を実現させていたフレック&シュープリーム。スタンレーのバイブラシャフトはスタンダードな形状のようでいて、左右に面があった。ハートブレイカーやロッドストレーナーのスピンディンのように縦に薄いヘッドもあった。バスバスティンは下面が膨らんでおりヒラを打つ。

どれも皆、コンセプトを具現化した、よく考えられているヘッド形状でした。それに引き換えバレットフォームは何とも単純というか個性がないというか、悪く言えば工夫が見られないとも思えた。個人的には惹かれるものがありませんでした。

140730-1.jpg

だから、スミスから発売されていたアイアンスピンマグナムも、自分は当時あまり好きではなかった。初代のアイアンスピンというのはヘッド形状も縦に薄い形状でパラアシのすり抜けも優秀で大変気に入っていただけに、モデルチェンジ後の2代目アイアンスピンが単純なバレットフォームに変更されたことに落胆さえしました。もっと工夫を凝らしたものに出来なかったのかと。

私の当時のメインフィールドは印旛沼、牛久沼。スピナーベイトの使い方としては、パラアシの中を引くことが圧倒的に多かった。そしてヘッドが縦に薄いハートブレイカーが、パラアシの中を根掛かりさせずにすり抜けながら引いてくるには一番優秀でした。

が、ハートブレイカーにも1つだけ弱点があった。それは着水直後の立ち上がりがやや遅い事でした。特に着水直後の姿勢が悪かった場合、瞬時に姿勢を立て直すことが出来ない。クルーンとゆっくり回転しながら姿勢を整える。一度姿勢を整えてしまえば根掛かりしないものの、姿勢を整えるまでの間にパラアシに根掛かりしてしまう事があった。

その点、アイアンスピンマグナムは違いました。姿勢の立ち上がりが速く、スパッと姿勢を整えて泳ぎ出す。縦薄ヘッドのようにスイスイとパラアシの中を抜けてくる性能には一歩及ばない部分もありましたが、それでもスナッグレス性は十分高かった。

ちなみにデザイナーの横山鉄夫さんは、自らが手掛けるスピナーベイトの条件として「草むらの中に投げ入れても引っ掛からない事」だとおっしゃっていたのを思い出します。それくらい、スナッグレス性能は重視していたというわけです。そのため、ファインワイヤーは好きでない、ともおっしゃっていました。

また、バレットフォームは流れに強いというのも特徴でした。農繁期になると、印旛新川の各所にある水門周りからは勢いよく水が流れ込むことがありました。その流れの中を横切らせても、アイアンスピンマグナムは姿勢を崩さず横切らせることが出来た。もちろん、川で使うのにも良かった。

これまで色々なヘッド形状のスピナーベイトを使ってきましたが、結果として、バレットフォームのスピナーベイトは今さらながらに捨てがたいと実感しています。私の中で、時代が巡り巡って1周したような感じです。

ks-bandocraw.jpg
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。