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KURU・RIN・PA! [製品開発]

スミスでロックフィッシュ専用ロッド「ベイライナーボロン」を発売したのが2003年の事です。当時はまだロックフィッシュ専用のロッドというのはなく、バスロッドやシーバスロッドの流用が中心の時代でした。

ですが、その後スミスではロックフィッシュ専用のタックルを発売することはありませんでした。さらに追い打ちをかけたのは東日本大震災で、東北の釣り市場はしばらく低迷せざるを得ない状況に陥りました。

当時はまだ私自身もロックフィッシュの釣りにはさほど興味がありませんでした。ですが、震災後にボランティアとして足を運んでいた地方で現地の方々が気を使ってくれて私をロックフィッシュの釣りに案内してくれた。遠方から足を運んでいる私達に少しでも楽しんでいって欲しいという気持ちを強く感じました。

結果、今では毎年岩手に足を運ぶようになりました。釣りだけが目的というわけではないですが、今では現地でクロソイを釣るのが楽しみで仕方ない。
そして現地のアングラーと交流したり、釣具店を訪問して話を伺ったり、自らも釣りをすることでわかってきたことがありました。完全ではないにせよ、東北でのロックフィッシュの市場は回復していると。さらに南方に目を移せばハタゲームの人気にも火が点いていました。あらためてロックフィッシュ専用タックルが必要だ、そう思いました。

しかし自分一人だけがやる気になっていても話がスムーズに進むわけではありませんでした。会社内でも賛同をしてくれる人は少なかった。そこで自分が最初に取った手法はバス製品の流用でした。それであれば開発コストは抑えることが出来る。リスクは少ない。

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オーシャンパフォーマーで最初に発売された製品「根魚大将2.8インチ」はマテリアルの混合物とカラーこそ違えど、バス用の製品「BFスイミーシュリンプ」と同一の金型で製造されているものです。そして爆発的な人気とまでは言いませんが、根魚大将2.8インチはBFスイミーシュリンプの何倍も売れた。しかもコンスタントに売れてくれて未だに売り上げが落ちていません。
こうして売り上げ実績が証明出来てからは一気に話が進めやすくなりました。新たに根魚大将3.4インチを追加発売し、さらなるロックフィッシュ専用商品にもすんなりとOKが出る状況にまで持ち込むことが出来ました。

自分が幸運だったのは、ロックフィッシュゲームを指南してくれるアングラーに恵まれた事です。自分もさほど頻繁に現地に足を運べるわけではない。それでも現在のロックフィッシュゲームの現状に関しては情報を教えてくれる人達が居る。とてもありがたい事です。

ロックフィッシュゲームというと、ゴツいタックルで1oz以上のヘビーシンカーを使ったテキサスリグで、4インチ以上のホッグワームをブン投げている。ロックフィッシュゲームと無縁な地方の人には未だにそのようなイメージを持っている人が少なくありません。もちろん現在でもそのようなスタイルが皆無だとは言いません。磯やボートロックではヘビータックルがまだまだ主流です。
ただ、とある大会で参加者のタックルを見たら、ほぼ全ての人がスピニングタックルで軽めのリグを投げていました。現地の釣具店で売られているワームも小型のものばかり。ちなみにホッグ系を使う人はもう少ないとも言われた。

この時に思いました。勝手なイメージだけで製品開発を進めなくて良かったと。

オーシャンパフォーマーの製品を拡充させていくにあたり、参考としたのはやはり現地のアングラーの声でした。現在では正規にフィールドテスターとして活動して下さる方もいますのでさらに細かい部分まで意見を聞くことが出来るようになりました。フィールドテストに関しても然りです。

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そして2019年の新製品として発売となるのがオーシャンパフォーマー『狂輪波』(くるりんぱ)です。

(つづく)

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