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リリース禁止を知る [物申す!]

俗に言う「リリース禁止」ですが、厳密に言うと2種類あります。「条例」と「委員会指示」の2つです。条例の代表は琵琶湖で、琵琶湖のリリース禁止は「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」の中の一部です。これは議会にて検討の上、決められるものです。

そしてもう1つは「内水面漁場管理委員会指示」によるリリース禁止です。では、内水面漁場管理委員会とは一体どんな組織なのでしょう。

【内水面漁場管理委員会とは】

内水面漁場管理委員会とは、漁業法及び地方自治法に基づき設置された合議制の漁業調整機構です。内水面漁場の規則策定が主たる業務となります。例えば禁漁区や禁漁期間の設定であったり、特定の漁具の使用を禁止したり、そして外来魚の扱いに関する指示もこの委員会の管轄となります。

内水面漁場管理委員会は各都道府県に設置され、おおよそ10名ほどの委員で構成されます。委員の選出については都道府県知事が任命し、4年ほどの任期が与えられます。そして何と、この委員の中には学識経験者、漁業関係者の他に、遊漁者代表も数名含まれているのです。

つまり、内情はわかりませんが、少なくとも対外的には釣り人の意見も踏まえた委員会ということが言えるのです。

【埼玉県内水面漁場管理委員会】

先日オオクチバスのリリース禁止を決定した埼玉県の内水面漁場管理委員会は13名で構成され、そのうちの3名は遊漁者の代表です。その内訳は、全日本釣り団体協議会の関係者1名、日本釣振興会の関係者2名の計3名でした。残念ながらバス釣りをされる方は含まれていませんでした。

【リリース禁止を回避するには】

それにしても、委員会の中に遊漁者代表が複数もいるのです。私も調べてみて驚いた。てっきり釣りとは無関係な人達だけで構成されているものだとばかり思っていました。

委員の選出は知事に任命権があり自薦他薦で決まるものでもないようなので、釣り業界が意図的に特定の人物を送り込む事は難しそうですが、少なくとも日釣振が遊漁代表の委員にバスの現状をしっかり伝えて、リリース禁止に向かわないようにと檄を飛ばすくらいは出来るはずです。漁業関係者や学識経験者の委員にそれを言ったところで伝わるかどうかはわかりませんが、遊漁者代表だったら理解させることは充分可能なはずです。

今となっては時既に遅しなのですが「バスのリリース禁止を回避する」ということは、そういう事なのです。個々の釣り人の行動がどうこうとか、そういうことじゃない。日釣振さん、もっと今のバス釣りの現状に危機感を持ってしっかりやろうよ!!

【ラージマウスとスモールマウスは運命共同体】

現在リリース禁止の県と、そうでない県があります。この違いは一体何だと思いますか?その答えは「内水面漁場管理委員会指示」の中に外来魚の再放流に関する内容のものがあるかどうか、なのです。特に外来魚の影響があまり出ていない地域ではそれを設定する必要が無いというわけです。

つまり現在、内水面漁場管理委員会指示の中に外来魚の再放流に関する内容がない県であっても、もし今後新たにその内容が盛り込まれることになったとしたら、間違いなくバスはリリース禁止となる。実際のラージマウスバスの個体数や繁殖状況に関わらず、特別扱いはされないと考えるのが間違いない。現在ラージマウスバスを特別扱いしているのは群馬県だけとなっているし、それが崩壊するのも時間の問題です。

つまり、内水面漁場管理委員会指示の中に外来魚の再放流に関する内容が含まれないようにしなくてはならない。新たな外来魚問題が起きないことが大事なのです。おそらく、減少傾向が続くラージマウスバスだけならば新たな問題は起きにくい。しかしもし、新たに繁殖が懸念される外来魚が出現した時にはラージマウスバスも道連れとなる可能性は高い。

バス釣りをしない一般の人からすればラージマウスもスモールマウスも全て「ブラックバス」です。共に小魚を捕食する獰猛な魚で、悪いイメージを持たれていることに変わりはない。だから、新しい場所でスモールマウスバスが繁殖すれば、ラージマウスバスも道連れとなりリリース禁止になる。

【2年後の指定解除を目指す施策を】

条例とは異なり、委員会指示には有効期間があります。埼玉県の場合は2年です。そして更新の際には内容の見直しが図られる。今のところ前例はないけれど、その根拠を示した上で、対象魚種を一部除外するということも委員会判断で出来ないわけではない。委員会にはその権限がある。まして、委員会の中には遊漁者代表が3人もいるのです。もしもその人達がその気になってくれたら、可能性はゼロじゃない。

釣り業界、特に日釣振はもっと本気でバスを守っていくという姿勢を見せるべきだ。何も打つ手がないわけでは決してない。のんびり構えてなんていないで、最大限の努力をして欲しいと思う。日釣振が本気でやってくれるなら、各メーカーも協力は惜しまないことと思う。

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