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ライン・メモリー 2 [メモリー]

私は高校生の頃よりとあるショップでアルバイトをさせてもらっていましたが、この頃になるとストレーンやトライリーンといった舶来品に代わり、その主役の座は国産メーカー製のルアー専用ラインに移り変わっていきました。

「銀鱗」や「将鱗」で圧倒的なシェアを持っていた東レさんからは「ソラローム」が、旭化成フィッシングライン(現在のサンライン)さんからは「Dai-Riki」が発売された。

東レさんのソラロームは当初黄色のラインでしたのでこの色を好まない私は使いませんでした。これを使うようになったのは、ソラロームⅡとなって色がグリーンになってからの事です。しかもただのグリーンではなく、太陽光に当たると紫色に輝くという、私の好きだったクリアーブルーストレーンを彷彿させる仕上がり。これは私も非常に気に入りました。ただ、私にはちょっと柔らか過ぎるかな?と思いました。当時はルアー専用ラインの定義として「リール馴染みの良い柔らかさ」が常識でもあったからだと思います。

やがて後継のブッシュランナーが発売されると、これは適度なコシがあり実に使いやすかった。私のバイト先のショップでは当時、印旛沼に通うお客さんが多く、必然的にアシの釣りが多かった。ブッシュランナーはまさにカバー撃ちをコンセプトとしていたラインだったこともあり、かなりの量を販売したのを覚えています。

一方、サンラインさんのダイリキは透明感のあるライトグレー色でした。当時のルアー用ラインは色付きが多かったのと、他社の方が値引率が高かったので初代ダイリキの受けというのは、当初は今ひとつだったように思います。ただ、私が使ってみた印象では、ちょっと硬いけれど劣化が少なくて強い。他社よりも確実に1ランク細いものを使える、と感じていました。

ダイリキも後継のバススペシャルにモデルチェンジすると色がグリーン色になりました。初代ダイリキと較べてリールへの馴染みも良くなり一気にファン層を増やしたとの感があります。ダイリキ・バススペシャルも、私のバイト先のショップでは相当な量を販売しました。当時の契約プロであった田辺哲男さんの影響も大きかったと思います。当時の田辺哲男さんの影響力というのは、フェニックスロッド然り、サタンワーム然り、とにかく凄いものがあった(勿論、今でも凄いです)。

私がバイトしていたショップというのは当時の千葉県内ではかなりの販売力があったはずで、ルアーメーカーは勿論、主要総合メーカーなどもこぞって巡回営業に来られていたのですが、不思議とラインメーカーさんで巡回営業に来られるところは僅かでした。わざわざ営業に廻らずとも、問屋経由でいくらでも注文が来るからだった・・・のかな?

しかし、サンラインさんは直接巡回営業に来られていました。その時に新製品のサンプルを頂くことが出来たのですが「ダイリキSSS」という製品でした。バス専用でなくルアーゲーム全般用ということであまり期待はしなかったのですが、使ってビックリ、これが実に扱いやすい。コシのある柔らかさといった感じでフィーリング的にはかつてのストレーンに共通するものがありましたが、強度と耐久性は当然こちらが上でした。「どのラインがいい?」とお客さんに聞かれた際には自信を持って勧めていましたし、後日そのお客さんに感想を聞くと、大概「すごく良かったよ!」という答えが返って来ました。

他社ほど値引率のいいラインではなかったものの、やはりこの商品は使い勝手の良さが評判となり、バスアングラー、そしてシーバス釣りの人達の間でも大人気商品となりました。私自身も数年間、ダイリキSSSばかりを使用していましたが、当時としてはかなりの満足度を感じていました。

(つづく)

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