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KMCプロジェクト・5 [製品開発]

ホプテーラを始め、従来のインセクト系のワームはそれがフローティングジグヘッドリグであれ、マスバリちょん掛けであれ、デコイの虫フックであれ、素直に前方(頭)から引かれることになります。

だからこんな難題、私は想定なんてしていなかった。

ワッキーリグ用インセクトワームの試作品(既製品を切り貼りしたものです)をテストしている時に、それに気付いた。ポーズを入れた後の泳ぎ出しにムラが多かったのです。片泳ぎというか、ワームが引きつっている感じ。こりゃ何だ?どうしてだ?

水面に浮くワームをじっくりと観察し続けてようやくわかった。ポーズ中に、ラインのクセや、風波の影響を受けてワームが斜めに向きを変えてしまっていたのです。また、この時のサンプルは私が手作りでワームを切り貼りしただけのものだったので左右のバランスも均等が取れてなかった。それも理由の1つではあったでしょう。そして斜めになってしまった状態で動かそうとした際、場合によって体勢を立て直せないまま、つまりは斜め向きのままに引かれてしまう。これでは、クネクネした動きが出せるはずがない、綺麗な波紋が出せるはずがない。

正直、浮いているワームがポーズ中に斜め向きに動いてしまうのは防ぎようがないことです。トップウォータープラグだってみんなそうなのだから。要は、動きを与えた際に体勢を瞬時に元通りに立て直せればいい。一般的なインセクトワームやトップウォータプラグは頭から引かれるから瞬時に体勢を立て直せる。ボディー中央にマスバリを刺しているワッキーリグ用ワームはどうしたらいいんだろう・・・

あれこれと試行錯誤を繰り返していった結果、マスバリを刺す位置をワームの中心線から極力前方にすることで、かなり改善させられるということがわかりました。支点を極力前方に位置させるということです。

090117-1.jpg

結果、マスバリを刺す部分はワームの外形上から部分的に突出させることにしました。その部分を直径10mmの球状としたのはそのためです。

そんな試行錯誤の数々を繰り返しながら、徐々にではありましたがそのボディーフォルムは完成しつつありました。また、ホプテーラのようにフローティングジグヘッドを用いることはありませんから、ワーム単体での操作性、キャスタビリティも重視したボディーサイズのものとした。

けれども、それらをすぐに製品化に向けて進めるわけにはいきませんでした。理由は既に述べてある通り「毛」の成型が出来そうもなかったからです。カタチはほぼ完成した。しかしそれは同時にお蔵入りせざるを得ない運命にもあったのです。正直、これまで試行錯誤をしてはみたけれど、それはきっと無駄に終わるのだろう、製品化なんて出来やしないのだから。ずっとそう思っていた。

けれども、もっと早く製造工場の技術を確認しておくべきでした。いつの間にか飛躍的に向上していた製造工場の生産技術は、私が不可能だと決め付けていたことをいともたやすくやってのけたからです。

(つづく)
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