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スピナー・メモリー [メモリー]

だいぶ以前にスプーンネタを書いたことがあるのですが、意外にもその反響が大きかったのには驚きました。でもルアー歴の長い人というのはスプーンからルアー釣りを始めたという人も多いはずですから、当然といえば当然なのかもしれません。昔のルアー釣り入門書を見ると、ブラックバスの仕掛けとして7~12gスプーン、なんて平気で書いてあったのですから。

けれど、私の初ヒットルアーはスプーンではなくてスピナー。釣った魚はニジマスでした。それが小学2年の時。場所は早戸川のマス釣り場。それもルアー専用区などではなくて団体用に段々畑状に川が区切られているところ。そこを家族で1区間借りて、バーベキューをしながらニジマスを釣っていたのです。

バケツでドドッとニジマスが放流された。沢山のニジマス達が、透き通った水の中で上流を向きながら群れをなして泳いでいました。私にとっては初めてのルアー釣り。使用タックルはオリムピックのクローズドフェイスセット。リールとパックロッドがセットになっていたものだった。ラインは多分2号位だったと思います。そして、手持ちのルアーの中でも一番のお気に入りだったスピナーをスナップスイベルに通してセットしました。お気に入りとは言っても、¥100スピナー。アグリアのパクリものだったかな。

¥100スピナーといえど、釣具としてはしっかり機能していました。流水の中でもちゃんとブレードは回転したし、澄んだ水の中でキラキラ光りながら泳いでくるスピナーの姿は、私がお菓子の空き箱に詰め込んで保管していた時のそれとはまるっきり違う姿でした。水の中のそれは、なんて綺麗なんだろうと思った。けれどももっと驚いたのは、そのキラキラ光りながら泳いでくるスピナーに、群れを成して追尾してくるニジマス達の姿でした。

小学生の私でさえも、すぐに複数尾のニジマスを釣ることができた。ただ、ニジマス達はすぐにルアーを見慣れて追わなくなってしまいました。どうしたらいいんだろうと思いあれこれルアーを変えても、もうルアーではニジマスを釣ることは出来ませんでした。「いい加減諦めてエサで釣れ」と父親に言われましたが、エサで釣るニジマスには何の感動も覚えませんでした。それくらい、キラキラ光るスピナーに群れを成して追ってくるニジマス達の姿が衝撃的だった。

ルアー釣りって凄い!けど難しい。そう思った。それが私のルアー釣りとの、そしてスピナーとの出会いでした。

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今でこそスピナーはあまり人気のないジャンルになってしまいましたが、当時は人気のあるスピナーが沢山ありました。ブレットン、アグリア、ルブレックス、ドロッペン、リフレックス、ブラックフューリー、パンサーマーチン。国産ではダイワさんのトリッキー、ブラッキー。

ブレットンはその回転性能の良さに今でも惚れ惚れします。地味ですけどね。まさにスピナー界のいぶし銀。

ドロッペンはまさに機能美の結集。水滴型のボディーは後方重心でロングキャスト出来る。ブレードのエッジにはギザギザが付けられており確実に水を掴んでくれる。持っていたはずのドロッペン、どこ行っちゃったんだろう・・・

ダイワさんのトリッキーは何よりブレードにリフレクトシートが貼ってあるのがお気に入りでした。水中を泳いでくる姿が一番キラキラしていたから。

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ちょっと後発だった気もしますがマイヤー社のスピナー(アガット、ウィップ)はベイトタックルでも投げられたので、バス釣りのアブレ防止に効果大でした。もっとも、当時の仲間内ではスピナーをバスに使うこと自体、かなり冷めた目で見られていましたが・・・

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そしてこれを忘れちゃいけない、ロースターテール(スミスの販売品ですからね)。これは単に、東山湖でフライの人達がバンバン釣っているのを見て、ルアーを少しでもフライに近付けたらいいんじゃないかという短絡的な発想で買ったもの。けれどもロースターテールの本当の良さはブレードにあります。ブレードの表面上にスケールフィニッシュが施してあることで、水の掴みが断然違います。だから回転の立ち上がりも素晴らしく速く、デッドスローで巻いてもしっかりと回転する。実際、良く釣れました。

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そして現在、最も進化したスピナーと言えるのがこのニアキス。スケール彫刻の入ったブレードは回転性能に長けており、スピナー唯一の弱点とされた糸ヨレまでも軽減させてしまった。国産ならではの、鋭いフックが付いているのもいい。私自身もスピナーなんて忘れかけていたのですが、もう一度実戦投入してみようという気にさせてくれたスピナーです。

時代が進むと共に、スピナーはあまり人気のないルアーになっていったような気がします。その一因としては、全体のレベルが上がり中級~上級者が多くなったために、よりテクニカルな釣りが志向されるようになったためだとも思えます。けれども、テクニカルな釣りは時に壁にぶち当たることも少なくない。あえてそのまま修行を重ねるのも悪くはないけれど、たまには無心でスピナーを引いてみるというのも、決して悪くはないものです。
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コメント 4

セバス

ニキアス、なかなか良さそうですね。
ブレットンのゴールドは個人的秘密兵器としてw
バス用に常備しています

by セバス (2009-01-11 21:30) 

IKE-P

手前味噌になりますがニアキスはお勧めです。3g、4g、6g、9g、12gとサイズも色々あるので、重めのものを選べばベイトタックルでも余裕で使えます。

ブレットンはいいですよね。自分がルアーを始めた頃にはもうあったと思うのでかなり歴史の長いルアーですが、未だにスピナーで5本の指に入っているんじゃないでしょうか。
by IKE-P (2009-01-11 21:43) 

TWmaster

マイブログでも、取り上げていますが、ルアーフィッシングのとっかかりにあったルアーでしたねぇ。
オリムピックのルアーセットも、値段以前に、入手しやすかったので、お世話になったかな。
ブレットンは、大箱入りで、ばらして買ってくるのが、安っぽい感じがしたかな(苦笑)
アブやメップスやルブレックスなんかのスピンナーは、魚以上に、自分の目に輝いて見えたっけ(笑)


by TWmaster (2009-01-12 14:57) 

IKE-P

写真のブレットンは単なる無地のシルバーブレードですが、本当は緑点の入ったものが好きなんです。その方が釣れるという類のものじゃなくて、緑点こそがブレットンの象徴であるような気がして。

当時のツネミさんのカタログを見るとワクワクしたものですよね。メップス、ルブレックス、ダーデブル、ボーマー、アーボガスト、ラパラ、スティングシルダー、ガルシアフロッグ・・・全て憧れのルアー達でした。
by IKE-P (2009-01-12 22:50) 

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