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スターンドラッグ [リール]

私がルアーフィッシングを始めた頃のルアー用スピニングリールといえばカーディナル33かミッチェル308。これらのリールは特にトラウトの世界などでは未だに根強い人気があったりします。

そしてじきにやってきたバス釣りブームの初期の頃はカーディナル4が全盛でした。私も例外なくスピニングタックルは黒いカーディナル4で揃えていたものです。ルアー用のリールはリアドラグ(スターンドラッグ)が一般的とされた時代です。
それが崩壊したのは、ダイワが浅溝ロングスプールの元祖「ウィスカートーナメントSS」を発表してから。それ以降、スピニングリールは再びフロントドラグの時代に回帰していくのです。そしてその上位クラス「トーナメントEX」が登場したのがスピニングリールの高級化に拍車を掛けました。それまではカーディナルで¥10000円台でしたから、スピニングリールはベイトキャスティングリールに較べて
安いという常識が逆転したのもこの頃です。

スターンドラッグは微調整にはあまり向きませんが、魚のファイト中に自在かつ瞬時にドラグをコントロールできるという利点があります。例えばドラグを締めた状態でフッキングを的確に決め、魚の引きが強いと判断したらドラグを緩めて対処する、魚が弱ってきたらドラグを締めて寄せに掛かる、急な締め込みに遭ったらまたドラグを緩めて、といった感じです。これにはもちろん慣れも必要でしたが自在にコントロールできる人には最強の武器となりました。何より、使いこなす楽しみがあった。

一方、日本製リールに搭載されていたマイクロピッチのフロントドラグは、その設定次第で実にスムーズにラインが引き出されていくため、ライトラインでもラインブレイクの危険性が少ないという利点がありました。日本のバスフィッシングはライトラインを多用するフィネススタイルが主体の為、向いていたのかもしれません。

車に例えるならば、スターンドラッグは使い手を選ぶマニュアルシフトで、フロントドラグは誰でも運転しやすいオートマ車といったところでしょうか。

私は周囲の多くがフロントドラグの国産機に移行したあともしばらくはずっとカーディナル4を使っていました。国産にはいいリアドラグモデルが見当たらなかったという理由もありましたが、自分のドラグ操作技術があれば国産機には絶対に負けまいという変なプライドもありました。
しかしさすがに、周りの人から物珍しそうな視線を浴びるようになったので、私も一応はダイワのスピニングリールを所有することとなりました。なるほど、確かにいい。文句のつけようがない性能です。でも、面白くは無い。

しかしひとたびダイワのスピニングを使ってしまうと、やはりカーディナル4は使う気が失せてしまいました。ドラグ機構がどうこうというのではなく、リールの重さ、巻き心地、糸ヨレの度合、故障の頻度といった点で圧倒的にダイワのスピニングが勝っていたからです。結局は私も、10台近く所有していたカーディナル4のほとんどを手放すこととなりました。

ただ、トラウト用の小型リールはさほど重さが気にならないのでカーディナル3とカーディナル52というモデルは手元に残し、エリアトラウトなどに行く時には今でも気分次第で持ち出したりしています。

バスフィッシングに関しては今ではほぼフロントドラグのリールを使うようになりました。しかし今でも、スターンドラッグのリールで魚とのファイトを堪能したいという気持ちは持っています。何かいいリールはないかと思っているのですが、やはり時代の主流ではないのでなかなか出てきませんね。機械に任せっぱなしのオートマではない、マニュアル操作で道具を使いこなす楽しみというのも、あっていいと思うんですけどね。


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