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エコ製品のピンチ [物申す!]

世の中はすっかりエコブーム。環境の事を重視する世の中になりました。もっとも、その一方で護岸工事などの公然たる環境破壊も進んではいるので、私に言わせりゃ単なる建前といったところです。

そんな中、バスフィッシングにおいてもエコ製品が続々と登場してきました。生分解のワームやライン、タングステンシンカーといった製品群です。
釣りというのはどうしても環境に負担を掛けてしまう遊びです。こうした製品が続々と出てくるのは良い傾向といえます。ところがこれらエコ製品が大きなピンチを迎えています。

タングステンシンカーに関しては、 過去のブログ記事 にも記した通り、原材料価格の高騰が並々ならぬ現状にあります。現在どうなっているのかというと、価格は更に上昇しました。昨年秋に販売価格や入り数改訂を実施したメーカーもありますが、現在ではその時の改訂内容での発売も不可能な状況です。わかりやすいように具体的に記すと、これまで3~4個入って¥450程度であったシンカーが、¥800~¥1000になってしまうということです。

皆さん、1個¥200以上もするシンカーを使う気になれるでしょうか?私だったら使わないでしょう。メーカー側が値上げして販売するのは簡単なことです。しかしそれが店頭で売れないとなれば、製造の判断を下すのは困難です。ですから下手をすると、タングステンシンカーは現在店頭に残っている製品でおしまい、なのかもしれません。

それから、ワームに関して。まずは生分解ワームの前に、一時期話題になった環境ホルモンに関することを記しておきましょう。ワームに含まれる可塑剤が人体に影響を及ぼす可能性を指摘された件です。これはTVのニュース番組などでも、湖底から引き上げられた大量のワームの映像と共にネタにされたものです。

これを受けて、日本釣用品工業会では特にワームの可塑剤に関しては「環境ホルモンの疑いのある化学物質の全面使用禁止」という方向で進んできました。ですので、日本釣用品工業会に加盟している各メーカーではワームのラインナップを大幅に減らさざるを得なかったのです。日釣工に属さない小規模なワームメーカーが次々に新しいワームを発売していくのを、日釣工加盟メーカーは黙って見ているしかありませんでした。
現在スミスで販売しているワームは、そうした問題の無い可塑剤を使用したものへと切り替わっています(割高な素材です)。

では、従来のワームの可塑剤は本当に環境ホルモンを含んでいたのか?その後の調査によって、現段階ではほぼ「シロ」 であることがわかっています。日本の公的機関のみならず、アメリカのEPA、EUのCSTEEも同様の見解です。にも関わらず、こうした結果は大したニュースにもならず、相変わらず一般の人々には悪いイメージが残ったままなのですね。

日釣工も従来のスタンスのまま。だから相変わらず高価な可塑剤を使うしかなく、結局はその負担を各メーカー、そして一般アングラーが担うことになってしまった。
今は過剰なまでにエコロジーを意識した世の中です。だから公にシロを主張すべき時ではないのかもしれない。重箱の隅を突付くような反論が来ないとも限らないからです。でもせめて、バスアングラーには従来のワームも環境ホルモンなんて含まれていないという事は知っておいて欲しい。そして不要な負担を生むだけの制限なんて早々に解除すべきでしょう。

ただ、環境ホルモンがどうあれ、エコロジー的な理想は生分解ワームです。これに関しては長くなってしまったので明日のアップ分に記します。


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コメント 2

HALU2001

環境問題・・・いい響です。
釣り道具が発生する有害物質、確かに無いとは言えませんが、それ以上に生活しているさまざまな排出物からの方が・・・ 釣り場に沈む洗剤の容器1個、肥料袋・・ets からワーム何個分の環境ホルモンがでているのか。
それらの容器すべてを成分分解にしたら洗剤1っこいくらになるんだろう・・
在庫がみんな解けちゃうし、中身が毒すぎて2日ぐらいで穴が開きそう(笑)
by HALU2001 (2006-05-07 18:52) 

IKE-P

あったんですよ、容器まで生分解プラスチックで作ってしまった環境に優しい石鹸が。ところがことごとく容器のフタが粉々に砕けてしまったのです。いくらなんでもやり過ぎ、という良いお手本ですね。
by IKE-P (2006-05-07 19:41) 

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