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釣り人の意見を出そう・3 [物申す!]

昨年の11月21日~12月20日にかけて募集されていた「埼玉県内水面漁場計画の素案」に対する意見募集。

この意見募集の結果が公表されました。それに合わせて県の見解も記されています。
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/228638/iken2.pdf(PDFファイルです)

これは埼玉県農林部生産振興課・水産担当はきっちり仕事をされたと思います。今回の意見募集に関しては水産庁長官から各都道府県の知事に向けて指示が出されたもの。にもかかわらず意見募集を行わなかったり、誰も知らないままいつの間にかスタートしてそのまま意見が集まらずに終了したりする県が少なくない。それじゃ何の意味もないのにねぇ。

でも埼玉県は1ヶ月間意見募集を行い、その結果もしっかりと公表しました。もっと積極的に意見募集を進めるべきではないかとも思いますが、まずは素直にグッジョブと労うべきでしょう。(埼玉県にはうるさいクレーマーが1人いるので、県も大変)

ちなみに集まった意見は7件とのことです。但し、このうち4件は自分なので、人数にすると3~4名でした。県内の釣り業界関係者、これでいいのかね???

ちなみに自分が提出した意見に対する県の回答は以下の通り。埼玉県内の事情に詳しくない人にとっては何のこっちゃ?ですがご参考までに。

【新規に追加される漁場について】
大相模調節池(越谷レイクタウン)の漁場区域追加は個人的には非常に望ましいと考えるが、公園を管理する越谷市公園緑地課においては、全ての魚類(及びその他の生物)の放流、ならびに釣りと漁も禁止されている。この規定の変更無きままでの漁場区域追加は矛盾を生じてしまうため、越谷市公園緑地課の公園管理規定の改訂を前提とした上で追加すべきと考える。既に規定の改訂が見込まれているようであれば異論はない。

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埼玉県越谷市に、レイクタウンという大型ショッピング施設があります。この目前には大相模調節池という大きな池があるのです。自分はここの近くに10数年ほど住んでいたことがあるのですが、元々は池ではなく湿地帯でした。そこを掘って洪水対策用の調整池となりました。
この池は当初から釣りが禁止されています。これは越谷市公園緑地課の公園管理規定によるもの。釣りを始め漁、そして魚の放流や餌付けも禁止されています。

ところが埼玉県内水面漁場計画の素案において、この大相模調整池が新たに漁場区域に追加されることが記載されていました。簡単に言うと、レイクタウンの池で釣りが出来るようになる、とも取れる内容です。それはそれで悪い話ではないと思いますから反対をするつもりはないのですが、本当に越谷市との間で折り合いがついているのかな?と疑問に思い意見を出してみた次第。

県からの回答は
当該水面への漁業権の設定については、今後、漁業法に基づき、水面管理者との調整等を経て決定する予定です。

これから越谷市と折衝するということですね。これはかなり実現が難しそうな気もするなぁ。

【新規に追加される漁場について】
薬師沼公園(春日部市)、出羽公園(越谷市)、別所沼(さいたま市)はかねてより管轄する市でも遊漁者に対して開放されていた水域であり、これを漁協管轄(=遊漁料が発生する)に変更するとなると遊漁者からの反発も予想される。遊漁者を納得させられるだけの漁場管理(放流)を徹底の上、漁場区域の追加としていただきたい。なお近年、幸手市の高須賀池、久喜市の弁天沼、菖蒲の栢間沼など釣り禁止となる池が増えてしまっているので、漁協管轄下とすることで釣りを禁止されることを回避できるのであれば大変に望ましい事であると思う。釣り場として積極的に活用することで公園管理においてもメリットを生むようにするだけの施策は必要と考える。具体的には遊漁券収入の一部を公園管理費用に転化する等。

これらの沼はいずれもヘラ釣りの人で賑わっている場所です。これまでは漁業権の対象外だったので入漁料の徴収もありませんでした。が、これらの水域が新たに漁協管轄下に含まれるとなると、今後は入漁料が必要になります。
元から釣りをしていた人にしてみれば反発も起きることが予想されることから、漁協管轄にするのであればしっかりと放流を行い、釣り人の理解を得ることが不可欠だと考えました。

県からの回答は
当該水面への漁業権の設定については、今後、漁業法に基づき、水面管理者との調整等を経て決定する予定です。また、漁業権を設定した場合には、漁業協同組合に対し、内水面の漁業制度の理解を図るため、増殖事業などの情報公開を行うよう指導します。

元から釣りをしていた人にしてみれば魚の供給も自然繁殖だけで充分だったと考える人もいると思いますから、高圧的に進めない方が良いでしょうね。

【共第●号の免許更新に関して】
遊漁承認証の購入手段が限られている現状を改善してもらいたい。管轄区域内の複数の釣具店、コンビニ等での購入が出来るよう改善要請を出してもらいたい。
なお、つりチケに対応している西部漁協は最も先進的で、年券の通信販売を行っている秩父漁協も県外からの遊漁者を誘致しやすい。若年層はスマートフォンで買い物を済ませる傾向が高いので、理想を言えばつりチケもしくはフィッシュパスでの購入ができるようにする方向で、県内全ての漁協が対応検討して欲しい。これに関しては漁連もしくは埼玉県農林部主導にて推進出来ないか。どなたか詳しい人材をアドバイザーとして1名用意し、各漁協をアシストする役割として据えて欲しい。

遊漁証の購入方法に関しては埼玉県内の各漁協でも対応がバラバラで、ネット(つりチケ)で事前購入できるところもあれば、通信販売で購入できるところもあります(但し顔写真が必要だったりする)。反面、漁協事務所に出向いて買うしかないという漁協もあり、全く足並みが揃っていないのです。そうした現状に対する改善を求める要望を上げてみました。

県からの回答は
県内の漁業協同組合に対し、遊漁券の販売所を増やすよう指導します。また、電子遊漁券の導入については、漁業協同組合など関係機関にはたらきかけていきます。

素晴らしい回答が来ました。実現に向けて期待したいところ。

【漁業調整規則に関して】
これは本題と外れてしまうかもしれないが、漁業免許更新に先立ち見直しを図っていただきたい内容でもあるので、必要であれば検討課題としていただきたい。
第24条及び25条より、れんぎょ・そうぎょの採捕禁止の除外を求めたい。れんぎょ(ハクレン)に関しては個体数が大変に多く、利根川など下流域で大量死の際に死骸の処理に苦慮しているという現状がある。利根川を通じて霞ヶ浦にも大量に侵入しており、漁師が駆除を進めている。れんぎょの産卵は埼玉県内にまで遡上して行われていると考えられており、埼玉県内で保護を進めることが千葉・茨城を含める関東一円での個体数の増加に繋がってしまっている。
そうぎょは個体数がさほど多くはないが、下流域で葦の新芽を捕食してしまうため葦を始めとする水生植物の減少に繋がり、土手の侵食が進む一因となってしまっている。
また「かわます」の指す魚種が「ブルックトラウト」であるならば、県内の生息は確認できないのでこれも除外で問題ないと考える。

利根川下流域や霞ヶ浦等で何かと問題となっているハクレン。とにかく増え過ぎだと思いますし、霞ヶ浦などでは漁師さんが駆除をしているのが現状です。ところが何と埼玉県ではハクレンの採取制限を行っていました。ハクレンは埼玉県の栗橋付近で産卵すると言われていますから、利根川下流域や霞ヶ浦でハクレンが大量に生息しているのは、ある意味埼玉県にもその原因がある可能性があります。ソウギョも同じ。ですのでこれらの採取制限の撤廃を提案しました。

県からの回答は
令和2年12月に埼玉県漁業調整規則を改正し、そうぎょ・れんぎょ・かわますに関する規定を削除しています。

申し訳ない!勉強不足で改正を知りませんでした。何はともあれ良かった。

【遊漁規則について】
これは本題と外れてしまうかもしれないが、漁業免許更新に先立ち見直しを図っていただきたい内容でもあるので、必要であれば検討課題としていただきたい。
リール釣りの県内共通券の導入を早急に求めたい。ここで想定しているのはバス・ナマズ・川鱸を狙ったルアー釣り。ルアー釣りの場合、一ヶ所のポイントで長時間釣りを続けるケースは稀で、次々にポイントを移動しながら釣りを行う。同じ川でも数km移動したり、或いは全く違う川に移動することもあり得る。その際に漁協の管轄を跨いでしまうケースも少なくない。県内共通のリール釣り券があれば、問題なく釣りが楽しめるので是非検討してもらいたい。
尚、ルアー釣りでマス類を狙うケースもあるため、遊漁料の差別化として、リール釣りの県内共通券には(ます類を除く)と付記すればよいかと考える。

埼玉県って、のべ竿での県内共通券はあるのに、リール竿は県内共通券から除外されているんです。つまり、ルアー釣りをやろうとすると、場所ごとに入漁券を買わなくてはならない。これはポイント移動を繰り返すルアー釣りにとっては現実的ではないし、知らないうちに管轄区域を跨いでしまう恐れもあるので、以前からリール竿での県内共通券が必要だと思っていました。

県からの回答は
県内共通のリール釣り券の導入については、課題を整理し埼玉県漁業協同組合連合会等関係団体と検討していきます。

早急な善処をお願いしたいですね。

**********

埼玉県水面漁場計画の素案に対する意見募集 に関しては以上です。既に意見募集を終えた県も多いですが、栃木県などは現在進行形で意見募集をしています。令和6年以降の10年間が、これを基に決められていきます。締め切り後に文句を言っても後の祭りです。これからはもっと釣り人も意見を出していかないと。

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