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モンスターズ・ストレート 3 [製品開発]

川又プロがテンタクローラーのベースデザインを提示してきた際、私はこう思った。これなら確かに微細なロッドワークやステイ時でもピンテールが魚を誘ってくれるだろうと。確かにそれは間違いのないところでしたが、川又プロはそれぞれボディーから伸びているピンアーム、ピンテールの役割に関して付け加えてくれました。

1.フックの存在を隠すカモフラージュ効果

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ボディーのハチマキ部分から伸びる4本のピンアーム。実際にワッキーリグやジグヘッドワッキーで使うとなるとこの辺りにマスバリやジグヘッドが位置することになります。すると、魚はピンアームの動きに目が行くのでフックの存在が気付かれにくいとのことでした。

とはいえ実際のところは魚に聞いてみないとわからないところですが、フェザーフックも同じような効果があると言われているわけですからあながち全否定はできない部分です。川又プロ自身は、テストの結果で通常のワームよりも魚がためらわず喰うと感じ、その理由としてピンアームのカモフラージュ効果を考察したのでしょう。

2.フォールスピードの調整

たかが細いピンアームではありますが、その存在はフォールスピードにも影響を与えているそうです。つまり、何もないストレートワームと比べたらややフォールスピードが落ちる。

さらに川又プロの場合、より速く落として効率を上げたいと感じた場合、シンカーを重くするのも一つの手ではありますが、ピンアームをカットしていくことでフォールスピードを上げたりもするそうです。パターンとしては前2本カット、前後4本共カットなどがあるとのこと。当然、カット数が多いほど、そして根元から短く切ってしまうほど、フォールスピードは上がります。

3.倒れ込むスピードを落とすピンテール

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ボトムで誘いを入れた後のポーズ。塩入の素材ゆえに静止させるとどうしても倒れ込んで行ってしまいます。但し、その倒れ込み自体もまた「動き」であり魚を誘ってもいるわけです。2本のピンテールはその倒れ込みのスピードを落とす役割を担っています。ゆっくりとなびきながら倒れ込む分、魚を誘う時間もまた長いというわけです。

こうした機能を実現させるため、ピンテール、ピンアームの設計に関しては細さ、長さ、位置、テーパーといった要素を考慮してデザインを行いました。おそらく0からの設計であれば幾度にも渡るトライ&エラーに見舞われた可能性が高かった。ところがこのワームに関しては、既に川又プロが自作したという手作りサンプルがほとんど完成形だったために、図面製作する私としては非常に助かったのでした。

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私自身もサンプル段階でその完成度の高さは感じていましたが、まさかそのサンプル品が川又プロのTOP50初優勝にも貢献するとまでは想像していなかった。デビュー前にしてメジャートーナメントのウィニングベイトになるというのは、スミスのバスルアーでは初の快挙となりました。

(つづく)

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さと

スイミーシュリンプも使いたいですがこっちも早く使いたいです♪
by さと (2014-05-14 18:27) 

IKE-P

ありがとうございます。本当はBFスイミーシュリンプと一緒に入荷してくると思われたのですが、こちらのワームはもう少し先の入荷になりそうです。とはいえ5月中には入荷してくると思いますので、よろしくお願いします。
by IKE-P (2014-05-14 23:44) 

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