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今だからこそ、陸前高田へ。 [東日本大震災]

今日で震災から丁度2年半となりました。相変わらず福島の原発事故は収束する様子が見られず連日の報道がなされているけれど、被災地の復興に関してはだいぶ世間の関心が薄れてきているようにも感じられます。

昨日、受け入れ先からの連絡があり、スケジュール調整していた陸前高田行きが正式に決まりました。夏季にはスケジュール調整がうまくいかずに一度断念していたものです。陸前高田では、行方不明者の捜索に加わる予定。

陸前高田市では現在も210余名もの行方不明者がいます。とはいえ、これまでだって行方不明者の捜索が行われてこなかったわけじゃない。まして2年半もの時間が経過した今、新たに行方不明者を発見できる確率は極めて低い。

では、なぜ今なのか?

今ではすっかり陸前高田市のシンボルの1つとなった「奇跡の一本松」この松の木は、元々は景観地としても有名だった高田松原という防潮林の中の1本でした。しかし津波はこの防潮林、そして砂浜をも飲み込んでしまった。津波はさらに古川沼をも飲み込み、現在では古川沼は海の一部と化してしまいました。

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震災の前と後とでは地形がまるで変わっているのが航空写真でもわかります。松林も砂浜も古川沼に流れ込んだのです。もちろん、大量の瓦礫などとともに。

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(特定非営利法人P@CT様のHPより)

古川沼はこれまでにも全く捜索がされなかったわけではありません。けれども水底の捜索は陸地とは全く勝手が異なります。今でも沼の中には大量の瓦礫や撤去しきれない建物の残骸などが沈んでいる。陸地は散々探したけれども、この沼の中にはまだ何人もの行方不明者が沈んでいる可能性が非常に高い。だから、地元の遺族の方々からも古川沼の捜索はかねてから高い要望があった。

しかし、復興が進むにつれてこの場所も埋め立てなければならない場所が出てきました。津波の再来に備えての防潮堤や道路は復興には不可欠なもので、それを止めさせるわけにはいかない。でも一度埋め立ててしまった場所はもう捜索は出来なくなる。そこにもし行方不明者の遺体が埋まっていたとしたら、半永久的に発見してあげることが出来なくなってしまう。遺族もまた辛い思いから開放されることがない。

既にもう一部の埋め立て工事は始まっています。一方で、埋められてしまう前にと、必死で捜索している人達がいる。

今しか探せない場所がある。時間は限られている。今だからこそ、陸前高田へ向かう意味があるのです。

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