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500 -> 100・12 [放射能汚染]

東京湾の底泥のセシウムの検出量が7ヶ月で13倍にもなった場所があるという。でもこの話、5月13日にYahooのトップページに報じられたのですが、実際はもっと早くその結果は公表されていて、いち早く取り上げたメディアもあった。報道の足並みが全く揃っていなかったのです。

徐々に高くなっていく東京湾の放射線量も気になるが、4日も報道を控えていたメディアがあるのは何故だろう。

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5月12日、埼玉県吉川市のナマズから基準値を超えるセシウムが検出された。確かに、吉川市も葛飾のホットスポットゾーンの一角にあります。私も数年前まで吉川市に住んでいました。吉川市は「なまずの里」として、ナマズは市のシンボルでもあります。昔は川でナマズやウナギが大量に取れ、その名残で今でも吉川には川魚料理屋がたくさんあります。そんな経緯があって、吉川市はなまずの里なのです。ナマズをモチーフとした土産物も売られているし、市民による放流なども行われている。

そんな吉川のナマズが放射能に汚染されていた。市のシンボルが汚染されていたのです。元吉川市民としても、強い憤りを感じます。現在中川水系では漁協に対して採捕の自粛、釣り人においてはナマズを食べないように、との行政からの要請が出されています。

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5月初旬、多摩川の河川敷がセシウムで土壌汚染されていることが判明。現在は高い線量が計測された場所をシートで覆い、柵を立てて人が近付けなくしてあるそうですが、国の除染基準に満たないために除染する予定がないという。東京新聞のインタビューに答えた女性は「子供たちは河川敷には近付けないほうが良いと思う」との回答でした。子供を守っていかなくてはいけない立場の人間として当然の認識だろうと思います。

放射能汚染は抜きにしても、最近は事故を恐れる学校が、子供たちに水辺へ近付かないようにと指導している場合が多く、それがまた子供たちが釣りから離れていってしまった一因でもありました。危ないものから遠ざけるのは致し方のないこともであります。けれども、子供は自然に興味を抱くものです。出来ることならば大人の監視下の下で釣りであるとか川遊び、昆虫採集などを体験して欲しい。少なくとも自分はそう思っていました。

でも、今はすっかり事情が変わってしまった。もし私が親だったら、放射線量の高い河川敷に子供を連れて行くだろうか?行かないだろう。もしくは線量の低い場所を選ぶでしょう。

釣りをする子供は今でも十分少ないけれど、この先はさらに激減する。特に関東の内水面はそうだと思います。釣り業界も色々と巻き返しに躍起になってきたけれど、もう若者は釣りの世界には入って来ない。思いもしなかったかたちでトドメを刺された感があります。

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どんぞこ曹長

いつもブログを拝見させてもらっています。
私はIKE-Pさんとほぼ同世代だと思っていますが、一つだけ違和感を感じたので、質問させて下さい。
1979年スリーマイル原発事故、1986年チェルノブイリ事故&「東京に原発を」が文庫化されてベストセラー、、1995年もんじゅ事故、1999年東海村事故、
どれも原発を停める(あるいは方針転換をする)運動のきっかけになるには充分なチャンスだったと思いますが、私を含め、IKE-Pさんの世代は、結局、何もできずに、こんにちの混乱を招いた責任はありますよね。なのに、IKE-Pさんの文章からは、他人の非を鳴らす意図が前面に見えて、どこか他罰的に見える気がします。
「絶対釣れるルアー」が無いのと同様、「永遠に安全な機械」「絶対に儲かる話」がないのは明らかなのに、「騙した方が悪い。騙された方は何も悪くない」と主張している気がします。
「ひどい時代になった」という感想は私も持っていますが、少なくとも「元吉川市民としても、強い憤りを感じ」なんて言う資格はないのでは?と思うのですが。
by どんぞこ曹長 (2012-05-15 01:08) 

IKE-P

地震、津波は天災ですが、原発事故は人災です。過失であったにせよ、加害者がいます。

原発も、推進派と否定派と意見が分かれたのでしょうけど、とりあえずは近隣住民の人も交えて議論され、結論として建設・稼動がなされていることと思います。

でも、だからといって福島原発周辺の住民の方々にこういう結果も想定済だったのでしょう?なんてとても言えない。彼らは一番の被害者で間違いないと思います。

騙す、というのはちょっと違うかもしれません。ただ、認識の甘さがあった。ここに加害者の過失があります。その結果がこのありさまです。日本から多くの大切なものが失われる結果となりました。
by IKE-P (2012-05-15 22:02) 

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