コッキービートルが教えてくれたこと。 [メモリー]
このルアーで釣りたい!このルアーでバスを釣って、初めてシニアバサーへの一歩が踏み出せるような気がした。
そのルアーとは、スーパーストライクハトリーズ「コッキービートル」。
父親が釣り道具に理解があったためか、私は高校に進学する頃には、当時の最高峰とも言えるべきタックルを所有していました。スーパーストライクのGC-60に、アブ・アンバサダー5000C。きっと当時の大人の人から見たら、子供のくせに何ていい道具を使っているんだろうと思われていたに違いない。
けれども何かが足りなかった。それはルアーでした。ロッドとリールは、それぞれ進学祝や、珠算の上級試験の合格祝いに買ってもらったもの。でも日頃の小遣いは少なかった。だからロッドとリールは立派なものを使っていたのに、ルアーだけは手頃に入手できる国産品ばかり使っていたのです。仲間内でタックルボックスを見せ合っても私のボックスの中身は本当にショボかった。一番ショボかった。
ある時、先輩が色々なルアーを格安で譲ってくれることになりました。その先輩はワームの釣りに目覚めてしまったので不要となったプラグ類などを安く譲ってくれようとしたようです。そしてその中に、ハトリーズのコッキービートルがあった。当時の私には憧れだったプラグです。でも高くて買えなかった。先輩はそんな私の心中を察してか、そのプラグを格安で譲ってくれたのでした。めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
スーパーストライクのロッドにアンバサダー、そしてハトリーズ。これで役者は揃った。これでバスを釣ったら、どんなに絵になることだろう。
それから、釣りに行くたびにコッキービートルを投げるようになりました。しかし、現実は甘いものではありませんでした。釣り人も多い印旛水系、トップで釣るなんてことはそうそうたやすいことではなかったのです。しかし、クランクベイトにチェンジすると簡単に釣れる。安い国産プラグでも、です。自分には安物の方がお似合いってことなのか?!
何としてでもコッキービートルで釣りたいという思いは持っていましたが、あまりに厳しい現実を前に、日に日にコッキービートルを投げる時間は減っていきました。だって、私には釣れないんだもの。
そしてある日のこと。その日も、クランクベイトでは随分と釣った。今日はこれで充分だと思えた。そして夕方、雨がパラついてきました。良い雰囲気です。駄目元で、まだ手を付けていないポイントをトップウォータープラグで攻めてみようと思いつきました。別に釣れなくたって構わない。もう充分に釣ったのだから。
そして久しぶりに、コッキービートルをラインに結んだ。イマイチ回転が悪かったペラは、自分好みにヒネリを入れたら目を見張るほどに回転が良くなっていた。
狙っている場所には水中にカナダモが生えており、その上をコッキービートルで引いてみた。
ジュワーッ。・・・。ジュワーッ。
スローに引いて、ポーズを入れて、またスローに引いて、を繰り返した。
ジュワーッ。・・・。ジュ・・・『ダバッ!!』
出たッ!!
不思議なもので、そのタックルでは何100尾ものバスを釣り慣れているはずなのに、緊張してリールを巻く手がぎこちなかったような、そんな気がしました。やがて足元には、コッキービートルをくわえた30cm少々のバスが横たわった。
写真は撮らなかったものの、タックルを魚の横に並べてみた。スーパーストライク、アンバサダー、ハトリーズ。やっと完成した、自分のパズル。最後のコマはようやく埋まった。しかしそのパズルが完成した瞬間、何かが自分の中で変わった気がした。
それからというもの、私は釣れる釣りをとことん追い求めるようになりました。安価な国産品に対して抱いていた劣等感も消え去った。安くて釣れるルアー、イイじゃない!私は悟ったのです。自分相応の道具を使えばいいと。当時の私に、ハトリーズは背伸びし過ぎていたんだと。
それから20年以上の時が流れ、私もいい歳したオッサンになりました。釣具だって自分で稼いだお金で買っている。今の自分だったら、ハトリーズも身分相応に使うことが出来るのかな。
そのルアーとは、スーパーストライクハトリーズ「コッキービートル」。
父親が釣り道具に理解があったためか、私は高校に進学する頃には、当時の最高峰とも言えるべきタックルを所有していました。スーパーストライクのGC-60に、アブ・アンバサダー5000C。きっと当時の大人の人から見たら、子供のくせに何ていい道具を使っているんだろうと思われていたに違いない。
けれども何かが足りなかった。それはルアーでした。ロッドとリールは、それぞれ進学祝や、珠算の上級試験の合格祝いに買ってもらったもの。でも日頃の小遣いは少なかった。だからロッドとリールは立派なものを使っていたのに、ルアーだけは手頃に入手できる国産品ばかり使っていたのです。仲間内でタックルボックスを見せ合っても私のボックスの中身は本当にショボかった。一番ショボかった。
ある時、先輩が色々なルアーを格安で譲ってくれることになりました。その先輩はワームの釣りに目覚めてしまったので不要となったプラグ類などを安く譲ってくれようとしたようです。そしてその中に、ハトリーズのコッキービートルがあった。当時の私には憧れだったプラグです。でも高くて買えなかった。先輩はそんな私の心中を察してか、そのプラグを格安で譲ってくれたのでした。めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
スーパーストライクのロッドにアンバサダー、そしてハトリーズ。これで役者は揃った。これでバスを釣ったら、どんなに絵になることだろう。
それから、釣りに行くたびにコッキービートルを投げるようになりました。しかし、現実は甘いものではありませんでした。釣り人も多い印旛水系、トップで釣るなんてことはそうそうたやすいことではなかったのです。しかし、クランクベイトにチェンジすると簡単に釣れる。安い国産プラグでも、です。自分には安物の方がお似合いってことなのか?!
何としてでもコッキービートルで釣りたいという思いは持っていましたが、あまりに厳しい現実を前に、日に日にコッキービートルを投げる時間は減っていきました。だって、私には釣れないんだもの。
そしてある日のこと。その日も、クランクベイトでは随分と釣った。今日はこれで充分だと思えた。そして夕方、雨がパラついてきました。良い雰囲気です。駄目元で、まだ手を付けていないポイントをトップウォータープラグで攻めてみようと思いつきました。別に釣れなくたって構わない。もう充分に釣ったのだから。
そして久しぶりに、コッキービートルをラインに結んだ。イマイチ回転が悪かったペラは、自分好みにヒネリを入れたら目を見張るほどに回転が良くなっていた。
狙っている場所には水中にカナダモが生えており、その上をコッキービートルで引いてみた。
ジュワーッ。・・・。ジュワーッ。
スローに引いて、ポーズを入れて、またスローに引いて、を繰り返した。
ジュワーッ。・・・。ジュ・・・『ダバッ!!』
出たッ!!
不思議なもので、そのタックルでは何100尾ものバスを釣り慣れているはずなのに、緊張してリールを巻く手がぎこちなかったような、そんな気がしました。やがて足元には、コッキービートルをくわえた30cm少々のバスが横たわった。
写真は撮らなかったものの、タックルを魚の横に並べてみた。スーパーストライク、アンバサダー、ハトリーズ。やっと完成した、自分のパズル。最後のコマはようやく埋まった。しかしそのパズルが完成した瞬間、何かが自分の中で変わった気がした。
それからというもの、私は釣れる釣りをとことん追い求めるようになりました。安価な国産品に対して抱いていた劣等感も消え去った。安くて釣れるルアー、イイじゃない!私は悟ったのです。自分相応の道具を使えばいいと。当時の私に、ハトリーズは背伸びし過ぎていたんだと。
それから20年以上の時が流れ、私もいい歳したオッサンになりました。釣具だって自分で稼いだお金で買っている。今の自分だったら、ハトリーズも身分相応に使うことが出来るのかな。
>スーパーストライク、アンバサダー、ハトリーズ。やっと完成した、自分のパズル。最後のコマはようやく埋まった。しかしそのパズルが完成した瞬間、何かが自分の中で変わった気がした。
この一文が何ともいいですね
凄く気持ちがよく分かります
これがあるからルアーフィッシングは止められません
by 釣りキチ万博 (2009-11-19 23:19)
このパズル、あえて完成はさせません。月刊フィッシングやアングリングにあったスミスの広告が凄くかっこよくってねぇ。毎月楽しみにしてるのに、マリエットだったりするとチット残念な気がしたり‥。大人になった今ならすぐ揃えられるけど、もう竿振れないから引退かなって思うときまでは未完成のまま。美味しいのは最後まで残しとかないとね。
by カッシー (2009-11-19 23:44)
> 万博さん
ずっと憧れだった道具を揃えて、その次にはそれらの道具で結果を出して。それでやっと念願叶ったというわけなんですけど、そこでふと我に返って、それって一体何の意味があったんだろうって思っちゃったんですね。
人によっては、違う方向に考えたかもしれないですけどね。ますますトップの釣りにハマったりと。たまたま、私はそうではなかったのです。
by IKE-P (2009-11-19 23:50)
> カッシーさん
マリエットの広告も格好良かったですよ。フライなんて滅多にやらないくせに、マリエットの金色のリール(MR-7.5A)に憧れましたもの。湖で、MRリールを使っているフライマンの人を見ると「あの人はベテランだ!」なんて思ってました、昔は(笑)。道具で判断してるようじゃ、駄目ですよね。
釣りのパズルにも色々ありますが、未完成のままだからこそ続けていけるものなのかもしれませんね。
by IKE-P (2009-11-19 23:56)
IKE-Pさんとは何度かお話をさせて頂いてますが当時があまりにも良く似た境遇なのでいつも驚きます。
自分はTOPでの最初の1匹で頭のネジが飛んでしまいそれからはTOPにどっぷりな日々です。
しかしコッキーとは渋いですね。おませさんですね(笑)
by 油屋 (2009-11-20 12:51)
ある程度、使えるお金が自由になってきたときに、その人なりのパズルってのはあるんでしょうねぇ。
私は、ロッドだと、スーパーストライク以前に、フェンウィックというのは、選択肢にありましたねぇ。
けど、バスフィッシング的に、そういうパズルをまず揃える段階で、フライフィッシングの方に傾いて、オービスあたりのタックルが、最初のパズルだったかな(苦笑)
バス的パズルは、国産的に、多く出回ってきたときで、あこがれとパズルが、混沌としてきたし、ハンドメイドルアーっていうのも、多くなりすぎて、いまだに彷徨ってます(笑)
by TWmaster (2009-11-20 19:59)
いい先輩ですね!僕は逆でファーストフィッシュはクランクベイトだったのですがあまりピンときませんでした。翌年トップで一匹釣ってから「これだ!」と思いすっかりのめりこんでます。
by まさる (2009-11-20 21:29)
> 油屋さん
それまでにもトップでは釣っていたんです。ボーマーのリップシャッドという垂直浮きのシングルスィッシャーが初トップルアーでした。
でもやっぱり、ハトリーズとかヘドンで釣ってこそ一丁前!みたいな変な思い込みが当時の自分にはあったんですね。で、それがようやく叶った瞬間に、それって何なの?と目が覚めたというわけです。
コッキービートルが格好いいなって思っていたのは、当時スミスで販売していたスーパーストライクハトリーズのステッカーが原因かもしれません。スーパーストライクロゴに、コッキービートルのイラストが入っていたやつです。
でも、コッキービートル独特の、腹部のキールが何ともいいカタチで格好いいと思っていました。ブッシュペッカーやハッピーモール、バブルダンサーにはあれがないですからね。
by IKE-P (2009-11-20 22:18)
> TWmasterさん
バスロッドではスーパーストライクにフェンウィック。ベイトリールはアンバサダーかフルーガー。スピニングリールはカーディナルかミッチェル。フライではマリエットとオービス。どっちに転んでも所有している喜びを満たしてくれる道具達でしたね。釣り暦の長い人は、誰もが通った岐路なのかもしれないですね。
by IKE-P (2009-11-20 22:22)
コッキービートル、使いました・・・
それ以上に,ハッピーモールを使いました。
そして、一杯バスを連れてきて、遊んでくれました。
また来シーズン、なげようかな
by こんどー (2009-11-20 22:24)
> まさるさん
自分は中学生の頃から、周囲は本当に良い人達に恵まれていました。おかげで回り道をあまりしないで、釣りのレベルアップが出来たんです。
トップの釣りにはまるかどうかは、ホームフィールドのポテンシャルにもよるのかもしれません。印旛水系は、さすがにトップオンリーというのは相当キツかったです。
by IKE-P (2009-11-20 22:26)
> こんどーさん
一杯のバスを連れてきてくれるルアーなら、投げない手はないですよ!自分は実は、コッキービートルよりもその後継のベイシングスパローの方が好きなんです。ペラの回転が派手によく回ってくれるので。
by IKE-P (2009-11-20 22:29)
タックルボックスの肥やしで30年以上入っている。
青色で黒の縞のやつ。
先端のフックと下のカップがぐらついていて品質
にやや疑問
by たらさん (2018-12-13 23:36)