SSブログ

大会を避ける釣り人達 [物申す!]

釣り人を楽しませるイベントをやろう!沢山の人を集めて何かをやろう!などという話は、釣り業界に居る自分は幾度となく耳にしてきた提案事項です。その提案自体はもちろん悪いことじゃない。けれども具体的に進めていこうとなった時に、話はおおよそこんな流れになる。『釣り人が大勢来るのだから、大会形式にしよう』

ところが実はこれが大きな誤りだったりするのです。

ここ数年はブームなのか、エリアトラウト関係のイベントが非常に多くなったように感じています。エリアトラウトというジャンルはバスと違ってこうしたイベント事が非常に多い。私も色々なイベントにお邪魔させてもらったりしていますが、その集客力も内容の濃さも様々です。サンスイさんのトラウトフェスタのように平日のイベントにも関わらず物凄い人数が集まってしまうものもあるし、逆にほとんど人を集められないようなものもある。

ただ、傾向としてはっきりと言えることは、近年大会はかなり廃れ気味となってきています。一部には盛り上がりをみせている大会もありますが、そのほとんどは参加者が減少の一途を辿っているものが多い。大会も開催回数が多いとリピーター参加者のモチベーションも段々下がってきてしまいます。簡単に言えば、飽きてくる。それでいて、新規に参入しようという人は少ない。参加者が徐々に減っていくのはむしろ当然の事なのかもしれません。

また、現在は管理釣り場ブームですから週末ともなるとただでさえ大勢の人でゴッタ返す。そんな日に、何もわざわざ大会を開いて客を集める必要はない。むしろ、大会を開くことでかえって人が来なくなるという現象まで起き始めています。実際には、大会に参加しようという人よりも、人出の多い日を避けてのんびり釣りたい人の方が多かったということです。また、大会直後に沢山の死魚が発生し、結果的にはマイナス収支になってしまったという釣り場もあります。

これは何も管理釣り場に限ったことではなく、人気の高い湖などでも同じこと。大会などは、地元としては極力入れて欲しくないというボート屋さんの話を伺ったことがあります。大勢のトーナメンターが散々叩いてしまうことで魚が釣れなくなり、一般客の足が遠のくからということでした。

これまで、釣り大会を開催することは多くの人を集め、釣りの振興に役立つものと思われてきました。現場サイドにも収益をもたらすものだった。けれども今は、大会に出る人よりも大会を避けている人の方が実際は遥かに多いという実情が浮かび上がってきました。そして場合によっては、大会を開催するよりも開催しない方がよほど現場の収益にも繋がっていたりする。

結局のところ、釣り人というのはわざわざ大勢の人が集まるようなところなんかじゃなく、もっとノビノビと気ままに釣りを楽しみたいと考えている人が大多数のようです。自分だってそうだもの。

だから本来はわざわざ大々的なイベントなんかを仕掛けるよりも、もっと一般の釣り人の日頃の釣りに対して、何か付加価値のあるものを提供した方が良いのでしょうね。そう考えている釣り業界関係者は、少ないと思うけど・・・。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。