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第二の形状記憶アーム [プラドコ]

自分は形状記憶合金製アームのスピナーベイトが大好きです。

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自らが開発を手掛けたラビッシュを筆頭に、ジャッカルさんから発売されていたイラプション(スーパーイラプションの方ではありません)というスピナーベイトもお気に入り。でも、好き嫌いがあるだろうとは思います。その特性に一長一短があるからです。

形状記憶合金アームはしなやかなグラスロッドのようなものです。それに対してステンレスアームは張りのあるカーボンロッド。

形状記憶合金製アームはスピナーベイトのブレードの性能を大きくアシストしてくれるアームなのです。ブレードの回転にアームの柔軟性が追従する。だからブレードの回転性能が増幅されます。これはしなやかなグラスロッドだとクランクベイトの動きをより活かしてくれるのと同じ理屈です。着水後の巻き始めに水を掴みやすいのもまた然り。だから使っていて気持ちがいい。

その反面、巻き感度はステンレスアームに比べてだいぶ劣ります。小刻みなブレードの振動がプルプル伝わるということはなく、しっとりと重い巻き心地となります。ですので軽い巻き感が好きという人はステンレスアームの方がいいでしょう。

形状記憶素材(ニッケルチタン)はその昔、まだ携帯電話にアンテナがあった時代にその需要を大きく伸ばしました。ところが携帯電話からアンテナがなくなり、その需要が落ち込むとともにコストも大きく上がってしまいました。発売当初は¥1,000だったラビッシュも、再生産の時には¥1,500になる試算でした。それは私の意に反することでもありましたので泣く泣く生産中止にしたのです。

そして今では形状記憶合金製アームのスピナーベイトというのはその多くが消滅してしまいました。

霞ヶ浦水系で釣りをしていると形状記憶合金製アームのスピナーベイトが欲しくなります。それはスピナーベイトに大型のキャットフィッシュがよくヒットしてくるからです。ファインワイヤーのものだと一撃でグニャリと曲げられてしまう。新品おろしたてのスピナーベイトが数投目でオシャカになるとかまぁまぁ笑えない話です。線径の太いワイヤーであれば軽傷で済むけれど、どうも使い心地が好きになれない。やっぱり形状記憶のスピナーベイトがあればなぁと思うのです。

2年前、BOOYAHから発売されたコバートというスピナーベイトがあります。なかなか面白いスピナーベイトなのですが、日本では売れないだろうと思いました。まず価格が¥1,800もします。見た目も日本人好みではない印象。売りとしては非対称形状のヘッドで直進性に優れているというのとヒルデブランド製のブレードを装着しているということらしいです。何度か使ってもみましたが、確かに悪くはない。でも、こりゃ凄ぇ!とまでは思わなかったかも。

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むしろそれより、メーカー側はセールスポイントにしていないけれどこの黒いアームってもしかして形状記憶なんじゃないのかい?!デジタルカタログ上にはそんなことは一言も記されていませんが。ニッケルチタンほどの柔らかさは感じないものの、グニャリと曲げてもしっかり元に戻る。

これはメーカー曰く"non-plated 17-7 stainless steel bronze wire"という線材らしいです。りん青銅の事かなぁ?メーカーの謳い文句としては耐久性、ブレード回転の補助、腐食に強いとされていました。形状の復元性には触れられていませんが、私が使ってみた限りでは形状記憶ワイヤーと称して差し支えないレベルだろうと思います。

ニッケルチタンとは一味違う形状記憶特性。少なくともこれであれば、霞のキャットフィッシュにスピナーベイトを破壊されるケースもだいぶ抑えられるはず。実は今までさほど気に留めていなかった製品なのですが、今シーズンは使い込んでみたいスピナーベイトです。

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