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パイオニアの理想形・4 [製品開発]

ようやくグルーパーバグがスミスに入荷し、デリバリーがスタートしました。やっと入った・・・というのが正直な思いです。

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グルーパーバグは2022年のカタログに新製品として掲載されています。元々は昨年の5月に新製品として発売されるものだったのです。とうの昔に開発自体は終了し、時間に余裕をもって工場に生産指示を出していました。それが、ただでさえコロナ禍による都市のロックダウンといった影響で中国では物流や人的移動が制限される中、生産ラインがメチャクチャな状態になってしまいました(それ以外の要因も色々ありましたが)。

グルーパーバグは物凄く複雑な形状・構造をしています。これを製造できる工場というのは限られている。だからこそ、パフォーマンスベイトやオーシャンパフォーマーと同一の生産工場に製造を依頼しました。技術的には間違いなくこの工場がトップクラスだから。ただ今回ばかりは、それが裏目に出た面もあります。

「まだ発売されないんですか?」「いつ発売されるんですか?」辻本さんも、自分も、スミスの営業員も随分と聞かれたはずです。でも、自分も一体いつになったら出来上がってくるのかわからなかった。工場がほとんど音信不通になってしまっていたからです。関係者が日本から中国に出向いて直接確認してくることも出来なかった。完全にお手上げ状態でした。

最悪、グルーパーバグは生産を断念しなくてはいけないかもしれない。全く別の工場を探して、0から再開発をすることも考えました。もしそれをやっていたら発売はさらに1年伸びていただろうと思います。辻本さんにも逐一それらの状況を説明していました。歯痒い思いをさせてしまっただろうと思っています。グルーパーバグに関しては、つい2ヶ月前までそんな状況だったのです。

それが何の前触れもなく、唐突に工場から連絡が入ってきました。
「グルーパーバグ、出来ましたよ~」

思わず「エーッ!」と声を上げてしまいました。まさかの知らせでした。そして良い知らせだけどいきなり過ぎる!!生産が進んでいるのならもっと早く言ってよ・・・

それからがもう大変。プロモーションも、受注も全て止めていましたから。もしかしたら製品化出来ないかもしれないものに、宣伝や受注をするわけにはいきませんから。釣りフェスティバルやフィッシングショーOSAKAでグルーパーバグの展示を控えていたのもそのため。
それがいきなり製品が入荷してくることになったので、慌ててプロモーションや受注を進めることになったというわけです。

グルーパーバグは私が辻本さんにお願いして、デザインを興してもらったものです。試作やテストもほぼ全て丸投げして、かなりの時間と労力を費やしてもらいました。それらが全て無駄に終わってしまうかもしれないと思うと、本当に申し訳ない気持ちで一杯になりました。ですので無事に製品が発売されたことに心からホッとしています。

グルーパーゲームという言葉は、辻本さんがハタ釣りを普及させていくのにあたり、ルアーマンに受け入れられやすい名称をということで名付けたものなのだそうです。そんなこともあり、この製品にはどうしても「グルーパー~」という製品名を付けたいと言われていました。そんな経緯で名付けられたのがグルーパーバグという製品名です。

ようやく発売に漕ぎつけて私も肩の荷が降りました。もうすぐハタも良く釣れるシーズンに突入します。きっとグルーパーバグでの好釣果があちこちから聞こえてくることでしょう。

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