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殺さない駆除へ 2019 [物申す!]

季節外れの猛暑が予想されていた本日5月25日、もはや恒例となった群馬県邑楽町中野沼での「外来魚駆除大作戦」が今年も実施されました。今回で7回目になるそうです。

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このイベントは日本で唯一、捕獲したオオクチバスを生かして管理釣り場に移送をする。捕獲したバスを殺すことが無い。合法的に「ゾーニング」を実現しているものとなります。とはいえ最初からオオクチバスの生体移動を実現していたわけではなく、紆余曲折を経て実現されたものです。オオクチバスの生体移動としては今回で3回目。これが如何に画期的な事なのかを理解しているからこそ、自分も毎回ボランティアスタッフとして参加をしているのです。

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天候に恵まれたこともあり(ちょっと暑過ぎでしたが)参加者は178人。その多くは親子連れで、釣りの経験はほとんどない人が多い。私も含めたボランティアスタッフはこうした人達の釣りのサポート役となります。釣り方を教えたり、エサを付けたり、仕掛けが絡まったら解いたり、釣れたら魚から針を外したり、まぁ釣り教室の先生みたいなものです。

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今回釣り業界からは例年通り、準備段階から中心となって進めてくれているJOFI群馬の皆様、NBC群馬チャプター関係者、釣具メーカーからはプロズファクトリーの大久保さん、ティムコの小泉さん、そして私がボランティアスタッフとして参加しました。もちろん、日釣振群馬支部長のオジーズ柏瀬さんも。

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そして邑楽町町長、邑楽町教育長、環境大臣政務官を務めていた衆議院議員の笹川博義議員も挨拶に来られました。新聞社、TV局も取材に来ていましたし、バス釣りメディアでは内外出版社ルアーマガジン、トップ党の2誌が取材に来られていました。それだけ注目度の高いイベントだということです。

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そしてつり人社からちょうど本日発刊となった書籍「池の水、全部は抜くな」の現場販売も。この書籍の中では中野沼の外来魚駆除(生体移動)について紹介されているページもあります。

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釣れる魚の多くはブルーギル。主催者である邑楽町教育委員会としてはバス以外の外来種に関しても殺処分をせずに済む方法を模索しているとの事ですが、今回はまだそれは実現できませんでした。

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昨年オオクチバスは全体で4尾しか捕獲できず、ほとんど幻の魚と化していました。昨年のみならずこれまでもバスは全体でも数尾しか釣れないことがほとんどでした。そんな状況でしたからもしかすると今回はバスが釣れないのでは?と思っていましたが、本日は29尾が捕獲されました。今回は餌として活きのいいエビを手配出来たことも影響したのかもしれません。勿論これらのバスは生かしたまま管理釣り場へと移送されていきました。

そして今回、新たにコウライギギが捕獲されました。中野沼でこの魚種が捕獲されたのは初めてだそうです。侵入経路は不明ですがこれもまた外来種。自分は実物を見ませんでしたが、キャットフィッシュに酷似した黄色っぽい魚だったそうです(写真撮り損ねました、すみません)。

日本で唯一、オオクチバスの生体移動を実現させた中野沼の外来魚駆除活動。これが他の地方においても応用できるかというと、それは相当に難しい。特定外来生物の飼養許可なんて誰でも簡単に取得できるようなものではないからです。
それでも日本において外来魚問題を考える際に、不要な水域からは排除して必要とされる水域に移す「ゾーニング」が唯一の解決策であることは疑う余地がありません。だからこそ、日本で唯一の成功事例は大切にしなければいけない。

2年前、このイベントで国内初となるオオクチバスの生体移動を実現させる際には業界内でも大きな反響があった。期待の大きさも感じられた。
が、それが2度目、3度目となるにつれて、インパクトが薄れたせいか業界内での注目度も薄れた気がしてなりません。まだ続いていたんだ、なんて言われたこともある。ボランティアスタッフを集めるのにも苦労するようになった。

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日本で唯一、ゾーニングを実現しているのはここだけです。そしてそれが毎年継続されているという事を当たり前のように捉えないで欲しい。この価値というのはとんでもなく大きなものに違いないです。少なくとも自分はそう思っています。

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