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心は今も東北に。 [東日本大震災]

東日本大震災から7年目となる3月11日は日曜日でした。
関東では天候も穏やかな行楽日和。でも今日は外出はしない。最初からそう決めていた。東北に思いを寄せて黙祷を捧げました。

震災から年月が経ち、被災地とそうでない場所での温度差が大きくなっていることを痛感せざるを得ません。元々は自分も東北地方には縁も所縁もない人間です。災害ボランティアとして現地に足を運んでいなければ、自分だって今頃は何も気にせず遊びに行っていたのかもしれない。

でも自分は知っている。3月11日、そしてお盆の時期には被災地の人達は海に向かって手を合わせる。毎年東北に足を運んでいた結果、今では東北に大勢の知り合いが出来ました。その人達も今日という日は例外なく祈りを捧げているはずです。
ならば自分も同じでいようと思います。自分は他県の人間ですし被災者でもない。けれども、心だけはいつも東北に寄り添っていたい。

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自分が陸前高田で行方不明者の捜索に加わっていたのが2013年。その時には市内の行方不明者数は216名だった。そして現在では203人。5年で13人が見つかったことになります。

よく見付かったものだと思う。2013年の時点でさえ、既に遺骨はかなり小さく、見た目はほとんど小枝の破片のようなものでした。写真を見せてもらいましたが、自分には見分けられないと思った。表面の質感で疑わしいものを見分け、DNA鑑定でようやく人骨だと断定できる。そんなレベルです。自分が参加した捜索では、土を掘り返すだけではなく掘り返した土をふるいにかけていました。そうしないと見落としてしまうほど小さいものだからです。

震災から7年が経過した今、既に遺骨はかなり風化していて見分けが付かないだろうと思います。何より行方不明者の多くは海まで流されてしまったと思われ、果たして陸上の捜索範囲内に遺骨が埋まっているのかどうかさえもわからない。何も埋まっていないところをひたすら掘り返しているという可能性もゼロじゃない。今では自分もすっかりモチベーションを失ってしまった。

月命日に行われる県警での一斉捜査においても、陸前高田では2012年の一斉捜査で行方不明者の遺骨が発見された以降は手掛かりは発見されていない。それくらい、行方不明者を探すという事は難しい現状にあります。

それでもなお、今でも定期的に行方不明者の捜索を続けている団体がある。この先、行方不明者の遺骨や遺留品が出てくるのかどうかはわからない。出て来ないかもしれない。けれどもこうした捜索活動を続けている人達がいることで、望みを絶たれずに済んでいる遺族の方がいることも確かです。それだけでも本当に凄い事だと思うし、その活動に対して尊敬の念を抱かずにはいられない。

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昨年は雑誌の取材で陸前高田を訪問することが出来、その帰り道に慰霊塔で手を合わせてくることが出来ました。この慰霊塔では過去に何度も手を合わせているのだけれども、今年もまた手を合わせに行こうと思っています。自分は陸前高田で何の役にも立つことが出来ずにいるので、申し訳ないという気持ちで手を合わせて来ます。
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