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埼玉県のオオクチバス、リリース禁止再更新へ。2 [物申す!]

これまで公にはしてきませんでしたが、今回の委員会指示更新に向け埼玉県内の関係者有志が情報交換やミーティングを重ねてきました。それぞれが仕事を終えてから夜間に集合して話し合いを重ねてきたのです。そして自分はその中心メンバーの一人です。時には漁協の関係者、そして遊漁代表の委員の方にも参加していただいて議論を重ねてきた。

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(自分は日釣振のヒトではないんですけどね)

道理で自分、やたらと忙しいわけです(汗)。本業以外の部分でも相当な時間と労力を費やしているわけですから。そしてこれは他の有志メンバーも同じだったと思う。でも、誰かがやらなければいけない事なので。

埼玉県内においてオオクチバスのリリース禁止が決まったのは平成26年2月の第390回の委員会においてです。その後から私達の活動は始まった。
そして平成28年2月に開催された第396回委員会において、オオクチバスのリリース禁止は更新されたものの、ある付帯決議を付けることに成功しました。それは埼玉県内の釣り人、釣具販売店、関連メーカーといった人達の存在を考慮し、その受け皿となるようなリリース禁止の除外水域を設ける方向で検討していく、というものでした。

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そしてその付帯決議に基づき、昨年に開催された第401回委員会においてはオオクチバスのリリース禁止の部分解除についても話し合いが行われました。オオクチバスに関してはリリース禁止を除外してもいいのではないか?特定の除外水域を設けてもいいのではないか?そのような議題での検討もなされた。しかし結局は具体的な結論には繋がらず、そのままの状態で更新日を迎えることになりました。

何故その場で結論が出せず先送りになってしまったのか。その最たる要因は、誰も具体的な除外水域候補が示せないことにありました。房総のダム湖や長野県の野尻湖、或いは河口湖や芦ノ湖のようにバス釣りを有効活用している水域というのが埼玉県内には存在しない。だから「現場からの強い要望」という強力なバックアップがない。1箇所あったのですが、ムーミン谷に取られてしまったので・・・。

有志での活動を進めていくにあたり、自分は埼玉県内のオオクチバス釣り場に関しての調査を進めていきました。バスの生息の有無、釣り禁止でないかどうか、周辺河川との繋がり、管轄する漁協、等々。
そして一番重要な部分であるにもかかわらず、一番数値にしにくい部分がありました。それは「どの程度のバスが居るのか」という点です。それを正確に調べようと思ったら水を全部抜いて魚の個体数をカウントしないとわからない。でも現実的にそれは無理な話です。

そこで自分が行ったのが、インターネット上で釣り場名で検索を掛け、そこで収集できる釣果情報をデータベースとして集計していき、その釣り場での平均釣果を数値化するというものでした。そしてその結果は驚くべきものでした。自分自身が「ここは埼玉県内でも有名なバス釣り場だろう」と思っていた水域も、今ではほとんどバス釣りが成立しないレベルの釣獲率でしかなかったのです。

1回当りの釣行で平均2尾以上の釣果が上げられているのは秩父にあるKダムのみでした。次いで、平均1尾以上の釣果が上げられているのはS沼とB沼だけでした。

かつては有名なバス釣り場だった権現堂などは平均釣果が0.10尾。幸手放水路で0.15尾、高須賀池で0.16尾。つまりは10回釣行して1尾釣れるというペースでしかない。どれだけ幻の魚なんだ、埼玉のオオクチバスは(汗)。
でもそれなどはまだマシな方で、そもそも釣果情報自体が見当たらないか、相当に古い情報しか見付からない水域も多かった。そうした場所ではほぼバスがいない状態にまで陥っていると見ていいでしょう。

バス釣り場としての知名度がある水域であっても現時点ではほぼオオクチバスが壊滅に近い状況の場所がかなり多く、埼玉県内で現実的にオオクチバス釣りが成立するのはほんの数箇所しかないという現状でした。駆除活動とは無関係の場所でそのような現状なので、長年のバス釣りプレッシャーによってオオクチバスの個体数が激減したと見て間違いないでしょう。

私達の当面の目標は、埼玉県内においてキャッチ&リリースが可能なリリ禁除外水域を作る事です。ですが、仮にそれが認められたとしてもその水域がほとんどバスなんて釣れず、行く人も少ないような場所だったらどうなんだろう。漁協や周辺地域に対する経済的なメリットも何も生まないという結果になりはしないか。そんなことに果たして意味があるのか。

ちなみに埼玉県内で最も多くのオオクチバスが駆除活動で捕獲されているのは秩父にある浦山ダムという湖です。ここは釣り禁止ではないもののバス釣りのみが禁止されています。バス釣りをする人がいない湖ほどオオクチバスが多く温存されているというのは何とも皮肉な話です。

(つづく)

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