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福島県内水面の藻類について [放射能汚染]

ここにきて某漫画の被爆の描写が大きな議論を呼んでいます。この騒ぎを、自分はバスの害魚問題の時と似ているなぁと感じる。

バスを悪者扱いしたい人がいて、メディアがそれに偏重した報道をしたことでバスは害魚だという世論が一般化した。そして今は、原発を推進したいという人達(特に政治家)がいて、その流れを阻害する要因になりそうなものは悪者にされる。メディアの報道内容が偏っているように思えてなりません。

ニュース番組に出てくる専門家も、官僚の言うことも全くアテにならないことは原発事故関連の一連の流れで明らかです。何度も国民を欺いてきた。本当に正しい情報は中立の見地から自力で調べることによってのみ得られるような気がしています。

さて、5月13日に環境省から「水生生物放射性物質モニタリング調査結果」というものが発表されました。これは昨年12月に採集した水生生物の放射性物質の汚染状況を調査したものです。食材として供される魚類(水産物)に関しては調査報告も多いのですが、藻類、水生昆虫、甲殻類、貝といった部類の調査はデータが飛んでいたりと、やや不定期な傾向があります。それにしても12月に採取した水生生物の調査結果が今頃出てくるわけですから、調査に5ヶ月も掛かるんですね。

調査地域は福島県内の河川及び湖沼です。そしてその調査報告はこのようにまとめられている。「水域によってばらつきがあり、採取された生物種も同一ではないが、全体の状況と しては、前年同時期調査と比較して、ほとんどの生物種で放射性セシウム濃度の低下 が見られる。」

確かに水生昆虫、甲殻類、貝類、魚類はおおむねそのような傾向があります。でも植物類(藻類)に限っては明らかに違う。

阿武隈川A ND(不検出)--> 284(bq/kg)
阿武隈川B 19 --> 134
真野ダム 94 --> 620
真野川 0.97 --> 910
秋元湖 4.7 --> 169


太田川に至っては5600bq/kgなんていうとんでもない数値を検出しているし、明確に数値が下がっているのは猪苗代湖(6.3-->2.0)くらい。

この傾向はたまたま出ているものではなく、12月採取分の調査結果のみならず、夏から秋にかけての調査結果も同様の傾向が見られます。1年前の数値と比較して明らかに上昇している。

世の中の多くの人は、放射性物質による汚染は収束傾向にあると考えているのかもしれませんが、全てにおいて必ずしもそれが当てはまるわけではありません。そうでないものもある。福島県の水域の藻類に関しては、検出される放射性物質の数値が確実に上昇しています。

何故なんだろう?水生昆虫、甲殻類、魚類などは数値が下降傾向にあるというのに、藻類だけは違うのです。

漫画の描写をひたすらバッシングすることよりも、まずはどのようなメカニズムで藻類の放射性物質の検出値が上昇を続けているのかを究明してもらいたいと思うのです。理由がわからないというものは、何だかとても怖いことのような気がします。

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