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ジョンボート・メモリー [メモリー]

自分は子供の頃、周りに比べてダントツに小遣いが少なかったです。だから友達が毎日ゲーセンでお金を使いまくっていても自分はそれを見ていることしか出来なかったし、釣りに行っても、友達が貸しボートに乗って湖上に出て行くのを自分は岸から見ているということも多かったです。自分はお金がなく、貸しボートになんて滅多に乗れなかったのです。臆せず貸しボートに乗れるようになったのはアルバイトをして小遣い稼ぎが出来るようになってからのことです。

その頃自分が思っていたこと。大人になったら絶対にマイボートを買ってやる!ということでした。その理由としては、今思えば明らかに間違いだったのですが、自分のボートだったらタダで好きなだけ乗り回せるからというものでした。私の実家は一軒家で庭もあります。だからボートの維持費というものは全く頭にありませんでした。それが今ではマイボートの維持費に年10数万も(汗)

欲しかったボートはもちろんシーニンフの12K。しかし知人がシーニンフのJD-10を安価で譲ってくれるというのです。それまで10ftのジョンボートというのは全く考えていませんでした。
当時自分はまだ大学生でしたのでお金もあまりなかった。12Kを買うのは社会人にならないと無理だけれども、 知人のJD-10ならすぐに買える。また私は当時スズキの2馬力エンジンを持っていましたのでそれも有効に使えると思いました。


ということでさほど迷うことなくJD-10を購入したのでした。しかし、小さいと思っていたはずのJD-10も間近で見てみると案外デカイ(ように、当時は感じた)。こんなデカイものを自分の所有物にしてしまったのかと思いました。事実、車から降ろして家の庭先まで引きずっていくのにも大変な苦労をしました。しかも釣りに行く度に毎回です。いや~、マイボートを持つって案外大変なんだなぁ。

しかし、いざ印旛沼に浮かべてみるとやっぱりJD-10は小さかった。ちょっとでも波立つと、湖の真ん中でドンブラコッコの一寸法師状態。こんな小さなボート、いつ転覆してもおかしくないと思えました。そして荒れているときにはとてもではないけれど立って釣りは出来なかった。クーラーの上に座りながら釣りをしていた。そうでもしないとバランスを崩して落水してしまうだろうと思いました。

また、2馬力船外機で印旛沼を攻略するのも大変でした。西部のアサヒナボートさんから船を出し、承水路方面なんて気が遠くなるほど時間が掛かったし、帰りに荒れると最悪で、向かってくる波でほとんど前には進めなくなってしまう。夕方までに戻れないんじゃないかという思いを何度かしたことで、無茶はしなくなりました。
そして何より足が遅いので、トーナメントの時などは良いポイントへの一番乗りが出来ない。それが一番辛かった。当時は鹿島川河口付近のフサモのマットがいつも上位入賞者の常套パターンでした。しかし自分がそこに入る頃にはいつも散々叩かれた後だった。


また私は特にこれといった加工もせずジョンボートに乗っていました。船底がフラットなのでフラットデッキやカーペットなども張らずにそのまま直接乗っていたのです。しかし、炎天下の釣りでは焼けるように熱かった。特に水に接していない浮力体や船べりなどはうっかり手をつくと「熱っ!」となりました。そりゃ、焼ける鉄板の上にいたら熱いですよね。だから濡れたタオルを敷いたり、たまに水をかけたりしていました。

そんな様々な経験もあったので、やっぱり早く12Kに乗り換えたいと思うようになりました。そして社会人になりすぐに12Kをローンで買った。さすがにボートを2艇はいらないので、JD-10を何とかしようと思ってボートの買取をしているショップに次々に連絡を入れました。

元々安く入手したボートです。高い買取価格なんて全く期待はしていない。しかしそれでも、JD-10を手放すのは苦労をした。それは、どこのお店からも「JD-10は引き取りたくない」という返答が返ってきたからです。当時は皆トーナメントスタイルへの志向が強く、ボートといえば12Kが大人気でした。トップウォーター志向の人も当時はまださほどおらず、ジョンボートは不人気だったのです。さらに、12ftならばまだしも10ftとなるとさらに不人気で、そんなボートを引き取ったところで買い手が現れず店としても持て余してしまう、そういうことでした。結局私のJD-10は、2馬力エンジンとセットで知人に売却することが出来ました。

そして今では時代が変わり、12Kタイプのアルミボートは売れなくなった。輸入元さえもその取り扱いを止めてしまった。ボートをカートップする人は減り、トーナメンターの人はもっと大きなボートを望むようになった。

そして今ではトップウォーターフリークの人がジョンボートを好んで乗る。軽くて手軽なジョンボートは上げ下ろしも準備もラクだし、野池や小規模河川などでも取り回しがいい。中古艇も市場では人気があるようです。今の時代だったら、JD-10を手放すのにもさほど苦労はしなかったのだろうな。というか、今の自分、JD-10けっこう欲しいぞ(笑)

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