ベビースピンと奥手な自分：IKE-Pの釣れづれ日記：SSブログ

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ベビースピンと奥手な自分　[スミスルアー] [編集]

小型のスピナーベイトは軽量なものばかり。けれどもそれには物理的な理由がある。ヘッドを重くすればその分当然大きくなる。ヘッドが大きくなればフックサイズも上げなくてはいけないし、そうするとワイヤーフォーム全体も大型化させなくてはならない。

しかしその問題をベビースピンは見事に解消させています。ベビースピンは最大3/8ozのものまである。しかも、3/16oz、1/4oz、3/8ozのラインナップがあったのですがフックやワイヤーフォームは全サイズ共通です。見た目の大きさは3/16ozも3/8ozも同じ。ベビースピンはスカート後部に重心を位置させた。なるほど、ここにウェイトを加える分には全体のサイズアップには繋がらない。

このデザインは現WBS会長・横山鉄夫さんのオリジナルで、アイアンスピンミニがそのルーツになります。ベビースピンはアイアンスピンミニの進化版とも言えるものでした。

小さくて重いから弾丸のように飛ぶ。重心が集中しているから飛行中に回転しない。だからベビースピンはスピナーベイトの中でもトップクラスのアキュラシー性を有する。そして浮き上がりが少なく、一定のレンジを速く引いてもレンジキープしやすいというのもベビースピンの優位性の1つでした。

大場所よりは中～小場所、マッディーウォーターよりはステイン。個人的にはそのような状況下でベビースピンは大活躍してくれました。一番人気が無いタイプではありましたが、私はシングルウィローが好きでした。現在の主力は現行モデルのビバーチェですが、また投げたくなった時に使えるよう、今でも自分用のストックはちゃんと保有しています。ベビースピンのカタログ落ちが決まってしまった時、自分用はちゃんと確保しておいたのです。

そういえばもう数年前の話になりますが、会社帰りに立ち寄った渋谷の某中古ルアーショップでの話。一人で来店した女性客が店内を熱心に見て回っていました。釣具屋に一人で来る女性客なんて珍しい。しかもあの様子はちゃんとバス釣りをする人間で、何か明確な目的を持って商品を探しているなぁ。

しかしお目当ての商品が見当たらなかったのでしょう、その女性客は店員さんに質問をした。「スミスのベビースピンってありませんか？あれがとてもお気に入りで探し回っているんです」

うぉ、ベビースピンだったらウチに沢山ありますよ！おねえさんがそんなに探しているんだったらいくつか分けてあげますよ！

・・・と言ってあげたかったのですが、いきなり見ず知らずの男に声を掛けられても驚かせてしまうだろうし、何だか職権乱用している？気がしないわけでもないし。ましてや、スミスの社員にナンパされたと思われても困る（笑）ので、結局声は掛けずじまい。

自分って意外と奥手だな、と思ったベビースピンにまつわる思い出でした。